- 日時: 2014/07/02 15:51
- 名前: 翼の勇車 (ID: i1EKrUOA)
翼の勇車が描く二つ目の作品『高校生モンスター』
第十二話〜リミッター解除ぉ!!〜
「(今日は遅いっすねー、アカリさん)」 「(むう……少し心配だな)」 よーっす、俺、神山ルーツ。あれからずっと毎日来ていたアカリちゃんが来ない。まあ、アカリちゃんだってハンターなんだし、緊クエでも来たんだろ。 「(あ、来たみたいっすよ)」 桐谷ンポスの声で頭を起こすと、ベースキャンプの方から走ってくるアカリちゃんが見える。……しかし、その姿はボロボロだった。 「ミラルーツ!」 大きな声で俺を呼ぶアカリちゃん。何があったんだ? 「今……ドンドルマの街に、シェンガオレンが向かってるの! 上位ハンターやギルドナイト達は、あなたの調査に古塔へ行っていて、間に合わないの! どうしよう……私の大好きなおじさんや……街の人が……うっ、ひうぅっ……ミラルーツ、助けてぇ!」 泣き崩れるアカリちゃん。隣を見ると、苦虫を噛み潰したような顔をする桐谷ンポス。勿論俺だって不愉快だ。第一……アカリちゃんを傷つけ、泣かせた糞蟹を、俺は許さねえ! 「(桐谷、乗れ)」 「(リョーカイっす!)」 桐谷を背に乗せた俺は、翼を広げ、空へと舞い上がる。 「グオアアアアアァァァァァ!!!!!」 咆哮を上げ、アカリちゃんの前に着々する俺。突如現れた俺にビクリと体を震わせるアカリちゃん。 「ミラ……ルーツ……本当に聞いていてくれたの?」 「グウルルル……(当然。アカリちゃん可愛いし)」 「ギャオオウ……(いくら聞こえないとはいえぶっちゃけますねぇ……)」 背中のドスランポスのツッコミは無視し、頭をアカリちゃんの前へとつきだす。 「乗って……いいの?」 「グオウ!」 「……本当に……ありがとう……ありがとうっ、ひうっ」 「(……先輩、リア充おめでとうっす)」 痛い視線が背中にダイレクトに感じるが、まあ気のせいだろう。 「ごめん……取り乱しちゃった。お願い!」 頭によじ登ったアカリちゃんの声で再び体を起こすと、大きく咆哮を上げながら飛び立った。 |