- 日時: 2014/04/06 17:36
- 名前: 翼の勇車 (ID: dLYaaCB0)
本編更新♪
第十五話〜父〜
「帰ったでー」 元気良いゲネッポの一言。すると、巣穴から沢山のゲネポスが飛び出してきた。しばらくゲネポス語(?)で会話をしていたかと思うと、私たちを巣に入れてくれた。これだけの大型モンスターが入れる巣って……。 「おいゲネッポよぉ、良いとこに住んでんじゃないのぉ。でも……お高いんでs「家賃払うかボケ」安部氏っ!」 コンビ組んでるだけあって、ゲネッポとイーオは相性抜群みたいだね。 「せやせや、早速なんやけど、発掘されたモンはそこやで。ゲネスケ、ゲネカク、手伝ってやり」 「「ギャオッ!」」 かくして私たちは、スケさんカクさんの手伝いを受けて物色を始めた。隣では、ランさんがメモ帳へ種類ごとに数をまとめてくれている。なんかメガネかけてるし。「私の仕事は主に管理ですから」さいですか。 「ヒャッハヒャッハヒャッハァー!」 凄まじくやかましいレオは、発掘武器・装備を種類ごとに超速で分けている。コイツ……できる! 「ギャオッ」 スケさんが、とある武器を渡してきた。それは、私がとても良く知っている物だった。 「お父さんの……」 そう呟くと、スケさんは私を挟んで反対にいるカクさんへアイコンタクトをした。 「ギャオゥ……」 カクさんが、一枚の紙切れを渡してきた。それは……写真だった。小さな女の子……私を肩車する一人の男性。二人とも満面の笑みで写っている。カクさんの方を見ると、ある方向を指していた。小さな扉がある。私はそこへ入って行った。勿論二匹もついて来ている。そこには、一つの棺があった。石でできた、立派な棺。その蓋には、ちゃんと人間の言葉で文字が彫られていた。 『ここに眠りし者の遺言を、この棺に記す。 ミズキ、もしお前がこの手紙を読んでいるとすれば、それはまさしく奇跡だ。俺は恐らく、砂漠で屍となっているだろう。砂漠は広大だ。そんな中から俺を探しだし、読んでいるわけだからな。さて、本題なんだが、俺の使っていた武器がその近くにあるだろう。その双剣を、お前にやる。俺の自慢の剣だ、恐らく何年かたっても劣化はしていないだろう。それを俺の形見として、大事に使ってくれ。それじゃあな。 ソラより』 「……」 いつの間にかゲネッポが後ろにいて、話してくれた。 「ワイがミズネエと出会うちょいと前に、砂漠でこの人の仏さんを見つけたんや。そんで手にはその写真と、この棺に書いてある手紙が持ってあったんや。ワイら超大陸のモンスターは字も読めるさかい、これを読んで感動してな? このままだとかわいそうやし、巣に運んで墓作ったんですわ」 私は出てきそうな涙を堪えて、ありがとう、とゲネッポに微笑んだ。 |