Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ!二代目!( No.242 )
  • 日時: 2014/05/01 18:15
  • 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: djZh/ZWq)

 クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車

 四章続き

 セージside

「なっ……!?」
 ツバキは目の前の状況に驚く。
 イャンクックが、「大丈夫かい?お嬢さん方」と、ハッキリとヒトの言葉を用いて口にしたのだ。
「そこのお前達も下がってくれ。こいつの相手は俺だ」
 イャンクックはやはり滑舌よくヒトの言葉を放つ。
 もはや何が何だか分からないが、ツバキとセージは状況に任せて彼(?)に任せることにした。
「クククワッ、クォワァァァァァッ!!」
 青いイャンクックは怒り狂って、その同胞を攻撃しようと突撃してくる。
 だが、喋るイャンクックは一瞬で跳躍し、その脚を振り上げた。
「秘技、赤鳥紅蓮脚(せきちょうぐれんきゃく)ッ!!」
 その振り上げた脚から、真っ赤な焔が揺らめいた。
「うっひょーっ、よくわかりませんけどカッコイイーッ!」
 シオンはその真っ赤な焔を見て手放しにはしゃぐ。
 喋るイャンクックによる赤鳥紅蓮脚は、青いイャンクックの顔面を捕らえた。
 同時に、青いイャンクックのクチバシが粉々に砕け散り、紙のように青いイャンクックの巨体が吹き飛び、鍾乳石の壁に激突した。
 そんな常識はずれの一撃を喰らって無事なわけがなく、青いイャンクックはそこで動かなくなった。
「相手が悪かったな」
 右足を軽く振るイャンクック。
 喋るイャンクックが、四人の方を振り向いた。
「貴様が誰かは知らんがニャ、オレ達と敵対する意志はない……そう捉えて構わんかニャ?」
 セージはラギアネコアンカーを油断なく構えながら、喋るイャンクックに問い掛ける。
 喋るイャンクックはセージの言葉に頷く。
「こっちとしても、必要以上には戦いたくはない。それと、お前達は何者だ?」
「それはオレ達の台詞ニャ。なぜイャンクックがヒトの言葉を喋ることが出来るニャ?」
 セージはこれまでになかったケースを前に警戒心を解かない。
「喋っちゃ悪いか?」
「悪いとは言っとらんニャ。とは言え、助力を感謝するニャ」
 セージはラギアネコアンカーを背中に納め、礼を口にする。
 

 ニーリンside

 ニーリンとトトスと言うガノトトスは対話を続けていた。
「ふむ。つまりトトスくんは何らかの『ズレ』を感知し、異変を調べに来たところ、私とおさかなクンを発見、おさかなクンの方を二枚卸しにしてくれた、と……」
「おうよ。あのヤロー、何勝手に人のシマ荒らしてんだか」
 トトスは二枚卸しにされた翡翠色のガノトトスを見やる。
「シマ?つまりは縄張りか。……縄張りの侵入者、何らかの『ズレ』……そしてここにいる私達の存在……考えるだけで混乱するな」
 溜め息をつくニーリン。
「さて、私達の方はと言うと、随分と荒唐無稽な物言いになるな」
 ニーリンはここまでの経緯を話した。
 昨夜は普通に自室で眠った。起きたらいつの間にかこの密林の中にいたこと。
「ワッケわかんねーな。もちっとなんかねーのか?」
「残念ながら、私達はなにも知らない。まぁ、今ので分かったことがある」
 ニーリンは真っ直ぐにトトスの目を合わせる。
「少なくとも君は私達の敵ではない、と言うことがな」

 アストside

 アストは一度ベースキャンプに帰還してきた。
「おかえりなさい、アストくん」
「怪我とかはない?」
 カトリアとユリが迎えてくれる。
 アストは早速話を持ち出す。
「カトリアさん、ユリ、ちょっとついてきて欲しいんです。有力な情報の持ち主と遭遇出来ました」
「本当に?ハンターだったの?」
 カトリアが目を張った。
 だが、ユリはその前に制止する。
「ちょっと待ってアストくん。さっきから地鳴りとか聞こえてたんだけど、大丈夫なの?」
「あぁ、ユリ。それが、大丈夫なんだよな。そもそも、有力な情報の持ち主がハンター、ってかヒトじゃないんで」
 アストはそれ以上は有無を言わせずに、二人をベースキャンプから連れだす。

 目の前の光景を見て、聞いて、カトリアとユリは絶句した。
「やぁ、君達がアスト君の仲間なんだね」
 ギザミは当然のように挨拶を交わそうとするが、ユリは唖然とし、カトリアは無理解と恐怖に膝を笑わせていた。
「大丈夫ですよ、カトリアさん。カトリアさんが思うほど恐い奴じゃないですから」
 ぶっちゃけた所、カトリアがどれだけギザミに対して警戒心や恐怖をほどいてくれるか、だ。
「わ、私もいますよ、カトリアさん」
 カトリアの左右にアストとユリがついてやるが……
「っ!」
 カトリアはすぐにアストの後ろに隠れてしまった。
「やっぱすぐは無理かぁ……」
 アストは困ったように頭を掻く。
「ごめんね、ボクが人間だったら良かったのに」
 ギザミはちょっと落ち込んだような顔(?)をする。
「いやぁ、ギザミが悪いわけじゃないよ。ユリも、やっぱ怖いか?」
「うーん、ちょっと抵抗はあるけど、私達を襲ったりしないんでしょ?じゃあ、大丈夫かな?」
 ユリはやや及び腰でギザミに近付く。
「えっと、ギザミくん?私はユリ。ユリ・アヤセっていうの。よろしくね」
「うん。こちらこそよろしくね、ユリちゃん」
 ギザミとユリは何とか打ち解けそうだ。
 やはり問題は……
「ほらカトリアさん。ユリだってあんな風にしてますし、怖くないですよ?」
「……ほんと?」
 カトリアは泣きそうな声でアストを上目使いで見上げる。だからそんな顔をされたらアストは自我を崩壊しかねないのだが。
 アストはカトリアの手を取ると、そっとギザミに近付く。
 しかし、カトリアはギザミの顔が間近にするとまたアストの背中にしがみついて隠れてしまう。
 これは難しいな、とギザミは頭を悩ませるのだった。