Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ!二代目!( No.61 )
  • 日時: 2014/04/22 17:31
  • 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: 9oVXs4km)

 モンスターハンター 〜輪廻の唄〜

 三十八章 地底洞窟の死闘【後編】

 アストとセージがネルスキュラとの戦闘を開始してから、五分弱が経とうとしていた。
「はぁっ、はぁっ……」
 アストはネルスキュラの爪を掻い潜りながら必死に立ち回るが、ネルスキュラの一撃一撃はそれほど強くない。テツカブラと比べれば幾分かは弱い。
 しかし、攻撃の出が速く、見てから回避に移ろうとしても間に合わない場合が多い。故に今のアストは小刻みにダメージを受けており、体力の消耗やクックシリーズの損傷は確実に進んでいた。
 その上、ネルスキュラはかなり素早い立ち回りをしてくる。
 攻撃の体勢を崩さないままに、移動に使う四本の脚を器用に動かしてアストの側面や背面に回ってきたり、振り向く際は一度飛び上がって着地する前に振り向くために、振り返るまでのタイムラグを消しており、その隙を突くというダメージの積み重ねが難しい。
 セージはさすがというべきか、ネルスキュラの足元に張り付いてはラギアネコアンカーによるヒットアンドアウェイを繰り返し、極力ネルスキュラの攻撃範囲から逃れている。
 アストはその様子を一瞥しながら応急薬を飲んで体力を回復させる。これで応急薬は打ち止めだ。あとは自前の回復薬で回復していくしかない。
 体勢を立て直し、アストは再びネルスキュラに接近する。
「休んでる場合じゃないっ、ここで踏ん張りゃ、ニーリンが仕留めてくれるっ……!」
 アストは踏み込みながら、セージの方を向いているネルスキュラの腹にコマンドダガーを斬り込ませる。攻めやすさとダメージを考えるなら、腹が比較的に柔らかい。
「ギィッギョッ!」
 ネルスキュラは背後に外敵がいると察したのか、不意に振り向いた。
 その時には、すでに鋏角が剥き出しになっている。
「なっ!?」
 アストは不意打ちに身体をたじろかせてしまう。
 鋏角がアストを捕らえるものの、それほど力を入れた攻撃ではないのか、アストへのダメージは強くなかった。
 が、分泌される毒はしっかりとアストのクックシリーズの隙間から浸入し、途端にアストは激しい頭痛と嘔吐感に襲われる。
「ちっ、くしょうっ……!」
 アストは慌ててポーチから解毒薬を取り出そうとするが、その隙を見逃すネルスキュラではなかった。
 ネルスキュラは大きく飛び下がりながら、アストに向けて糸弾を放っていた。
「っ……!?」
 解毒薬を飲もうとしていたアストはまともにその糸弾を受けてしまい、あっという間に糸に身体の自由を奪われてしまう。
 糸を取り除かなければ解毒薬は飲めず、その間にも毒はアストの身体を蝕むというジレンマがアストを襲う。
「し、消散、剤……」
 解毒薬を手から離して、次は消散剤を取り出そうとするが、ネルスキュラは既にアストに再び接近していた。
 ネルスキュラは脚を直立させ、腹をアストに向ける。その腹の棘からは青白い液体が漏れている。
 消散剤を用いて糸を取り除いたアストだが、既に遅かった。
 そのネルスキュラの腹の棘がアストを突き刺した。
 それと同時に、アストに耐え難い眠気が襲い掛かる。
「ぁぁ……く、そ……」
 今度は元気ドリンコだ、と思ってそれを取り出して飲む。
 効果はてきめん、アストの眠気は吹き飛ぶが、肝心の毒はまだ解毒出来ていない。
 とにかく、ネルスキュラから離れなければ回復も何も出来ない。
 そうこうしている内に眠気ではないが、意識が朦朧としてくる。
 アストはそれを無理矢理我慢し、ネルスキュラから距離を取って解毒薬を飲む。
 ようやく頭痛と嘔吐感から解放されるが、体力がなけなししか残っていないのが自分でもわかる。
 続けて回復薬グレートも飲み干してどうにか回復を完了させる。
 今のネルスキュラはセージが相手をしている。
 アストはすぐに彼の元へ向かう。
 不意に、何かがアストの側を通り過ぎていった。
 それはネルスキュラの腹にぶつかって弾かれたが、同時にネルスキュラの足元に爆発が何度も起きた。
「ギョォアァァァァッ!?」
 ネルスキュラは突然の爆撃に驚き、脚を掬われて体勢を崩した。
 その有り様を見て、アストはニヤリと笑った。
「やっとかよ……遅いっての!」
 アストはネルスキュラの腹に回り込み、セージはアストとは真逆にネルスキュラの頭部にラギアネコアンカーを突っ込ませ、ネルスキュラの目を雷で焼き潰していく。
「反撃させてもらうぜっ!」
 アストはコマンドダガーをネルスキュラの腹に突き刺しては引き裂き、ネルスキュラの体液をそこらじゅうに撒き散らす。

 ニーリンは物陰から妃竜砲【遠撃】の可変倍率スコープに目を通していた。
 そのレンズの先には、引っくり返ってのたうち回るネルスキュラ。
「まずは一発……」
 すぐにガンベルトから新たな拡散弾を取りだし、妃竜砲【遠撃】の弾倉に仕込むと、またすぐにスコープに目を通して引き金を引いた。
 狙い通り、それはネルスキュラの腹にぶつかると拡散弾に取り付けられた爆薬が拡散し、爆発を撒き散らす。
 爆発がネルスキュラの身体を纏うゴム質の皮を焼き払い、その下にあるネルスキュラ本来の白い甲殻が表れる。
 そろそろネルスキュラが起き上がる頃合いだ。
 ニーリンは直ぐ様エリア5から退避し、エリア4まで下がった。

「ギョギギッ?ギィシャアァッ!?」
 ネルスキュラは不審に辺りを見回す。
 先程から自分に爆撃を仕掛けてくる輩がいる。
 しかし、雷をぶつけてくるアイルーでもなければ、足元で刃を振るってくる人間でもない。
 一体何者が?
 ネルスキュラは足元を張り付く外敵から離れながらテリトリーを見回すが、やはりそれ以外の姿は見当たらない。
 それよりも、こっちの人間とアイルーの排除が先だ。
 その考えが彼の間違いと言うことには、気付くよしもなかった。