Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ!二代目!企画発表!( No.710 )
  • 日時: 2014/06/10 20:11
  • 名前: 翼の勇車 (ID: gcaVn0mW)

クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車

二十四章 力を得た人、そして暴走

「喰らえ、セルタスティレット・ヘビーパワードォ!!」
突っ込んでいくセルタス夫婦を正面から受け止めるクシャルダオラ。しかしそこは超大陸モンスター、ただではすまなかった。頭の甲殻の一部に亀裂が入ったのだ。
「ギュオアアアァァァ!」
怒りを露にしたクシャルダオラが、周囲の風を集束させる。
「みんな、ボクの後ろへ隠れて!」
すかさずギザミがその場に声をかけ、ハサミをクロスするように構える。
「頼むぞ、ギザミ!」
アスト達人間はギザミのヤドの後ろへ入り、衝撃に備える。
「グギャアアァァァ!」
咆哮と共に風を前方、ギザミの方へ向けて放つクシャルダオラ。ギザミはそれをハサミで受け、全力で踏ん張る。
「ぐっ、ぐああっ!」
力比べのように押し合っていた二匹だったが、その圧倒的パワーにギザミが押され始めた。そしてもう駄目かと思われたその時……。
「せやああぁぁぁ!」
鮮やかな赤色がクシャルダオラの横から現れ、そのまま奴に突っ込んだ。
「グギャオアァ!?」
突然の衝撃……そして久しく感じていなかった"痛み"によって、大きく怯むクシャルダオラ。
「間に合った……」
そこに立っていたのは、クックシリーズを着た少女……ミズキだった。ただ、その手に持っている武器が、先ほど装備していた物とは全く違った。
「ミズキ、その剣!」
驚きを隠せないギザミ。何故なら、彼女が持っているその剣は、あの超龍剣【天一門】だったからだ。
「みんな、大丈夫……ってうわっ!」
怯みから立ち直ったクシャルダオラが、ミズキに向けて風を放つ。それをどうにか避けたミズキだったが……ギザミは見逃さなかった。今の一撃が僅かにかすり、彼女の頬に小さな切り傷を負わせたのを。
「ミズキィ!……ミズキに怪我をさセタ……アイツガ、ミズキニキズヲツケタァァァ!!!!!」
全身から多大な赤色のオーラを放出し、クシャルダオラへ向けて凄まじい殺気を放つギザミ。
「ギャアアアアアァァァァァァ!!!!!」
狂ったように咆哮を上げる。
「お、おいギザミ! どうしたんだ!?」
「アルナイルくん、今は近付かない方が良さそうだぞ!」
ギザミの豹変ぶりに動揺するハンター達。そこにゲネッポが近づいてきた。
「あれはザザヤンの暴走モード、通称狂蟹化や! 以前狂竜ウイルスにザザヤンがやられた時、ミズキが怪我をしたことがきっかけでウイルスが突然変異を起こしてああなったんや」
「!? なんでミズキが怪我をしたら、なんだ?」
「それは……ザザヤンが、ミズネエに恋してるからや」
これを聞いたアスト達三人とセージは酷く驚いたようだった。ギザミは、自分たちには種族間の隔てが無いと言っていたが、まさか恋愛感情まで抱くとは思わなかったのだ。

「ギザミ……」
ミズキは豹変するギザミを見て、少なからず驚いていた。しかし、同時に頼もしくも感じていた。
(よし、行こう!)
ギザミと並んで走り出すミズキ。一方のクシャルダオラは……ギザミの凄まじい殺気に怯んでいた。
「せやぁ!」
「ギャアァァ!」
その隙に猛攻を叩き込んでいく二人。ミズキの剣はその手に手応えさえ与えることもなく甲殻、そしてその下の肉を切り裂き、破壊する。ギザミはその数倍威力の増したハサミで思い切り殴る。先程は精々角に亀裂を入れる事しかできなかったが、今度は甲殻を叩き割り、骨を砕く。
「グアッカァッ……」
勝てない。そう確信したクシャルダオラが、ぐるりと方向を変え、ヨタヨタと逃げ出した。
「逃がすかよぉ!」
そんな声が上空から響く。皆が上を見ると、そこにいたのは……降ってくるトトス。
「いくぜぇ、クック・トトスストォーム!!」
轟音と共にクシャルダオラの背中に落下したトトス。亜空間を展開していたらしく、食らったクシャは全身にダメージを負ったようだった。
「グ……ガア……」
「まだ息があるのかよ……」
未だ死なないクシャルダオラの生命力に驚くツバキ。……その時だった。ザシュッという音と共にクシャルダオラの首が落ちた。
「ククッ、こちらに来て早々に面白いものが見られた」
そこにいたのは、その小さな体に見合わぬ大きさの刀を持つ、一匹のアイルーだった。