- 日時: 2013/10/14 21:28
- 名前: しろ (ID: uBJmf/6O)
「今の音……なに……」
少女は、沼地に反響する騒音に怯えながらも、必死に沼地の中を進んでいた。 手には頼りない一本のナイフ……化け物に襲われたら、助かる見込みはない。
「お父様……お母様……」
父と母の笑顔と温もりを生きてまた味わえるのだろうか? 少女の胸は不安で押しつぶされそうであったが――今は立ち止まるわけにはいかない。 前に……前に進まなくては。
「おい、これ……」
セイヤが手にしていたものは、赤い布の切れ端であった。 腐れて折れた木の端に引っかかっていたものを彼は見つけた。 泥で所々汚れてはいるが……まだ破れてから間もない程新しい布地であった。 それが何を意味するか?
「恐らく、人間の衣類、もしくは何かポーチのようなものが引っかかって破けたのでしょう」 「じゃあその女の子の衣類、もしくは持ち物の可能性も? 」
セナの問いにナイゼは頷く。
「彼女もまた化け物に追われている可能性もあります。急ぎましょう」 「そうだな、死なれたら金もどうなるか分からん、急ごう」
セーヤは金の事にしか頭にないのだろうか? セナは呆れつつも、一人で逃げ惑っているかもしれない少女の事を想う。 どうか無事でいて――と。
見つけた――。 彼は草木に紛れ、沼の中から見ていた。 彼らがまずどう動くかを見極めるため、彼はジッと獲物たちを見つめていた。 まずは獲物同士が距離をとるまでは動かない。 一人ずつ、一人ずつ殺して行くしかない。 今はまだ動くときではない――。
「――? 」
何か嫌な感じがする。 誰かに見つめられている様な……。
「どうした? ジーナ? 」
兄が怪訝そうにこちらを見ている。
「ううん、何か見つめられてる感じがして……」 「そうか? お前の勘違いじゃないか? 」
微笑むケイトに私は頬を膨らませた。
「ううん、確かに視線が……」 「まぁ嬢ちゃんがそうゆうなら、警戒を怠ることはないんじゃないか? 」
このオジさん、口は悪いけど、悪い人じゃない。 ちょっと小太りだけど、もう少し若ければこうゆう人を好きになっていたかもしれない。 セーヤさんの口添えで、「それもそうですね」と同調した兄に、ケイトはやれやれと肩をすくまていた。 ケイトは兄さんが狩りに誘った友人だからこそ付き合いはあるけど……正直、あまり好みじゃない。 何をしても、何を言っても否定的に返されるから――兄さんは気に入ってるみたいだけど。
「どうしたの、ジーナちゃん? 」 「えッ……」
もう私以外は前に進んでいた。セナちゃんが早くおいでと手招きしてる。 あの子……顔立ち整いすぎだよなぁ、正直羨ましい。
「んッ、なんでもないよ」 「そう? じゃあ早く行きましょ、置いていかれますし」
なんで年下に敬語なんだろ――?あっ、もう皆あんな前に行ってる。 私も行かな――。
「ッ! ジーナちゃんッ! 」 「えッ……? 」
セナの叫び声を最後、水を弾く凄まじい轟音。 二つの音を最後に、ジーナの視界は暗闇に包まれた――。
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>>130 お久しぶりです!確かに掲示板、一気に活気づきましたね!
小説サイトですかぁーオリジナル作品も書いてみたいですねw まずはこっちの完結が先かな?(笑)
MH、まだ買ってないんですよね(-_-;) まだやるのは先になりそうですw
今からボルボちゃんのターンかな?w
>>131 いつもご支援ありがとうございます!
>>132 やっぱりやられてるだけじゃ盛り上がりませんからねw ボルボちゃんの活躍をご期待下さい(笑)
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