雑談掲示板

【3‐11更新】書き物的なもの【※返@】
  • 日時: 2013/10/14 21:29
  • 名前: しろ (ID: uBJmf/6O)

※この物語には残虐描写、鬱展開多めです。
※苦手な方はご注意ください。

【最新コメ返】(>>133
※タイトルはDまで表記した後、@へループする予定です。

【目次】

=第0話:襲撃=
>>1>>2>>3
>>4>>6

====================
>>2の修正…文章修正(6.18)
====================

=第1話:殺戮=
>>7>>8>>9
>>10>>11>>12

====================
・1−6更新(5.20)
====================

=第2話:邂逅=
>>13>>14>>21
>>24:>>34:>>46
:>>52:>>57:>>64

====================
・2−8更新(7.5)
====================

=第3話:=
>>77:>>80:>>84
>>89>>95>>107
>>113>>116>>124
>>129>>133【new】

====================
・3−11更新(10.14)
====================


※↑を順に読んでくだされれば話が繋がります。

ご指摘、ご指導ありましたらお願いします。
コメント等も極力返信していきますー

物語に関する議論もありましたらどうぞ(*・ω・*)


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Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.2 )
  • 日時: 2013/06/18 21:19
  • 名前: しろ (ID: mGGuaph9)


――おい、クソガキ。目ぇ開けろ。

 誰かの声が聞こえる。
聞き覚えのない男の声……低くかすれた聞きづらい声。
その声が少年の頭の中を駆け回る。

――おい、誰か水持ってねぇか。

 男の声の他に……足音、が複数聞こえる。
そして火がはぜる音、何かが崩れ落ちる音……そして全てうを聞き取れない程の人々の声。
泣き叫び、怒り狂い。
そのところどころで少年が一度は耳にしたことのある数多の名前が聞こえてくる。

――僕も……僕も探さなくちゃ、母さん!

 その瞬間、少年の顔を肌が切り裂かれんばかりの冷たい何かが覆った。

「うわっ!? 」

 冷たいものが水だと理解した瞬間、大量に鼻から水が入り、少年は咳き込みながら跳ね起きた。

「よぅ……おはよう」

 びしょ濡れで座り込み呆然としている少年に、男はニカッと黄色い歯を見せて笑う。

「長い間目ぇ開かんかったから、ちと手荒く起こしちまった。すまん」

 そうぶっきらぼうに言うと男は少年に背を向け、他の者の介抱をしていた男の仲間と思われる者たちに手を挙げた。
2mを近くはあろうかと思われる男の巨体。
その背には男の背丈と同等の大きさの黒い鞘に納められた『大剣』があった。

「ハン……ター? 」

 もともとこの村がある地方には大型の化け物が生息しているというギルドの調査報告はなく、小型の化け物しか発見されていなかった。
それゆえギルドは正式なハンターを村に滞在させる事はなく、村の住人にて結成された『自警団』が少年の村を守っていた。
小型の化け物ならハンターでなくとも撃退だけならできた。だが、今回の襲撃はそれらとは比べ物にならない『飛竜』……蟻が鳥に闘いを挑むようなもので、あまりにも一方的な虐殺だった。

「傭兵……? 」

「あぁ……たまたま俺達はここを通りかかっただけだ。仕事先に向かう途中でな」

 男は辺りを見渡しながらため息をつく。

「にしてもヒデェ有り様だな……こりゃ」

 住人の家々は一つ残らず焼き付くされ、懸命に耕した田畑も姿はなく、村の住人はもはや原型を留めている死体は数少ない程の血の惨劇。

 あまりにも悲惨な光景と、鼻につく臭気に少年は吐き気を催し、腹の底から込み上げてくる胃液を地面にぶちまける。

「おいおい……大丈夫か?」

 男は少年の背を擦りながら、水が入った鉄製の水筒を差し出し、口を濯ぐように少年へと声をかける。
全てをを出し終えた少年は震えた手で水筒を受け取り、息切れ切れに感謝の言葉を口にした。
水を口内に流し込み、口を濯いだ少年は水筒を男に返し、力なくその場に崩れ落ちた。

「母さんも死んだ……父さんも死んだ……何で、どうして……! 」

 自分と母を化け物の吐いた火炎から身をていして守り焼死した父、化け物に無惨に噛み殺された母。
自分は何もできなかった。何も守れなかった。
己の無力さに怒り、絶望する少年の頬を涙が伝う。
少年の心の奥底からマグマのように押し出してくる激しい感情を隠しきれなかった。

「うぅ……あぁあああぁ!! 」
「……小僧」

 少年の叫び声は虚しく山々に響き渡り、日が暮れつつある赤い空へと消えた――。

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.3 )
  • 日時: 2013/06/12 18:47
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)



「おい……ちっとは落ち着いたか?」

少年は男の声に応える事もなく、ただ暗くなった空をうつろな瞳で見つめていた。

男が手渡したパンも口にせず、口もきかない。
まぁ無理もないかと男は少年から目を反らし、パンにかじりつく。

両親も、友も、自分の故郷もー少年は何もかもを失った。
あまりにも救いがない。
生きる希望さえなくしかけているやもしれない。

だが、だからといって自分に何ができるのか。
男はその答えを見つけられずにいた。

ただ無言で二人は向かい合い、焚き火にあたる。
パンを食べ終えた男は重苦しい雰囲気に我慢できず、その場から離れようと立ち上がり、仲間たちの元へ向かおうとした。

「……したの」

男は歩きかけた足を止め、少年へと顔を向ける。

「なんだ?聞こえんかった」

「化け物は……殺したの?」

少年は絞り出したようにか細い声で男に尋ねる。男をみつめる瞳は相も変わらず光がない。

「いや……俺達じゃ撃退するのが手一杯だった」

ハンターよりも装備に劣り、ギルドによる正式な訓練を積んでいない彼らでは『飛竜』などとてもじゃないが殺す事はできない。

現に男の仲間も二人が竜の火球に焼かれ焼死、一人が片腕を食いちぎられている。ただこれだけの被害で済んだのが幸運といえるほどだ。

少年はそうと力なく呟き、再び空に目を向けた。だが、先ほどとは違い頬からは一筋の涙が伝い落ちた。

少年から何もかもを奪った化け物は意気揚々と息長らえている……これ程の屈辱はない。

男はただ一言すまないとしか言えなかった。
彼にはどんな慰めも意味をなさないだろう。
下手な慰めは傷を抉るだけだ。

少年を一人にさせようと男が少年から顔を反らし歩きはじめた時、背後からポツリと『ありがとう』と少年の声が聞こえた。

少年はわかっていた。
男が自分の命を救ってくれた人だということを。

「……そいやぁ、仕事以外で感謝されるなんて、久々だわな」

頭をかきながら男は少年を振り返ることなく自分の仲間の元に去っていった。

一人その場に残された少年は、焚き火にあたりながら男から渡されたパンにかじりつく。

ー生きなくちゃ……みんなの分まで。
ーそして、いつか必ずアイツを……。
ー殺す。

少年の口にしたパンは甘く、しょっぱかった。

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.4 )
  • 日時: 2013/06/12 18:49
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)



夜が明けた。

温かな日差しが消失した村に差し込むなか、化け物の襲撃から生き延びた村人たちは疲れ果てた体にむちを打ち、懸命に荷物をまとめていた。
生き延びたのは20名にも満たない。たったひと夜のうちに村の住人の半数以上が死亡。
生き延びた者たちも少なからず負傷していた。

そんな彼らが退去を急ぐのにも理由がある。
いつあの『飛竜』が襲撃してくるか定かではないからだ。
次襲撃された時、今の傭兵達の手には負えない。皆殺しになるのは目に見えている。
それゆえ彼らは疲れ果て、傷ついた体に鞭をうち、夜中の間に燃え尽きた灰の中から焼けることのなかった荷物の収集、死者の簡易な土葬のみ行ったのだ。
そのかいあってほとんどの者が荷物の整理を終え、村を続々と後にしていた。
もちろん傭兵達に手持ちの金を渡し警護を頼んだうえで。

「皆離れ離れだね」

少女は悲しげにつぶやく。
少女は今にも泣き出しそうに顔を歪め、少年の手をギュッと強く握る。
その手は細かく震え、冷たかった。

「そうだね」

唯一生き残った子供は少年とこの少女だけだった。
つい一昨日までは多くの友達が彼らの周りにいたはずなのに。

「アンナ……君はこれからどうする?」

アンナと呼ばれた少女は少年を見つめる。
小さなエメラルド色の瞳からは今にも涙が溢れださんばかりに滴をためている。

「私は……お母さんと一緒にここから北にある街にいる親戚のところに。昨日の夜にお母さんと決めたんだ」

そっかと少年は俯く。
確かにこの村より山を一つ二つ越えたところに街があるのは少年も母親に聞いていた。
そこは商業が発達した商業都市だということしか少年は知らなかったが。

「……君は?」

アンナは少年をジッと見つめる。
ブロンドの短く切りそろえたアンナの髪がほのかに吹きつける風に揺れる。

「僕は……」

この先のことを少年は何も考えていなかった。
両家の祖父、祖母たちも既に病気で亡くなり、他に親戚も名前しか聞いたことがなく、面識がない。
頼れる両親、親戚もいない。
少年は孤独だった。

その時、一人の女性が二人が座っている岩に近寄ってくる。
アンナと同じくエメラルド色の瞳とブロンドの長い髪、彼女の母親だ。

「アンナ、そろそろ行きましょう」

どうやら荷物の整理が済んだらしく、その背には布で包んだ荷物を背負っている。
母親の両隣には二人の男……おそらく彼女が雇った傭兵達だろう。

「はい、ママ」

アンナは少年より手を離し、立ち上がる。
スカートについた砂を軽く手ではたき、彼女は少年へと顔を向けた。
目から大粒の涙が溢れていた。

「……元気で」

少年は力なく頷いた。
密かに想いを寄せていた彼女とも少年は別れなくてはならない。
少年の目からも涙が溢れていたーー。

日が沈み始め、夜の帳が下されようとしている。
村に残っている者は数人の傭兵達と一人残された少年だけだった。

−これからどうしたら……。

少年は一人思案を巡らしていた。
どこに向かうにしてもこれからは一人でなんとかしなくてはならない。
もう養ってくれる両親もいないのだ。

とにかくここにいつまでも居るべきではない事は彼にも分かっていた。
だがだからといって何処に向かえばいいのか……彼には見当もつかない。
アンナと同じく北の商業都市か…はたまた新境地を探すか。
いやどちらにしても無理である。
少年一人で移動するにはあまりにも無謀すぎる。
もし北の商業都市までは向かうにしても徒歩で少なくとも一日はかかる……その間に化け物にでも襲われたら命はない。
わざわざ殺されにゆくようなものだ。
少年は頭を抱え、己の力のなさに身もだえする。

「……どうしよう」

「おやおや……お困りごとですか?お坊ちゃん」

視線を前に向けるとそこにはあの男の姿があった。

「行く場所がない……んだ」

男はほほうと頷きながら少年の前に立つ。
前に立たれるとすごい威圧感だと少年は思いつつ、男の顔を見上げる。
男の顔は暗闇に覆われていたが、どうやら男の顔には笑みが浮かんでいた。

「何がおかしいんだよ」

男は鼻で笑うと少年の頭に手を置いた。
その手はゴツゴツした岩のように固く、重い。

「坊主、俺が雇ってやろうか?雑用係に……よ」

「えっ?」

「まぁ俺達もその日暮らしだからその日の食いぶちしか与えられんが……どうする?」

その大きな手はほのかな温もりを帯びていたーー。

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.5 )
  • 日時: 2013/06/12 18:49
  • 名前: 破壊神 (ID: .1yfzvhU)

こんにちは
破壊王から破壊神に変えました
よろしくです!

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.6 )
  • 日時: 2013/06/12 18:51
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)



化け物の襲撃、故郷の消失、友達との別れ……。
まだ幼いアンナにとってはとても受け入れられる現実ではなかった。
一昨日までの平和な日常……友と談笑し、笑い、遊んだ日。
今はそれが遠い昔の事に思える。

「アンナ……大丈夫?」

彼女の母が心配そうに顔を覗いてくる。
いつもは鳥のさえずりの様にうるさい我が娘が、村を離れてから一言も言葉を発しないのを心配したのだろう。
アンナは大丈夫と一言呟き、力なき笑みを浮かべる。

ふと足を止めて後ろを振り返る……もう村の姿は見えない。
この土地に戻ってくることはないかもしれないと彼女は思う。
もう思い出だけしか残っていないのだから。
アンナが再び前を向いたとき、彼女の前を歩いていた傭兵二人が急に足を止めた。

「さて、そろそろいいかね?」

傭兵達は振り返り、不快な笑みを浮かべる。

「どうしたんですか?」

アンナの母が怪訝そうに問いかけると、傭兵達は無言で腰にさしていた刀を鞘から引き抜いた。
アンナとその母は驚き、後ずさりをする。

「どうしたもなにも……いやね、こんな少ない金額で命を張って仕事するのも馬鹿みたいだなぁ……なんて」

逃げようとしたアンナとその母親の手首を男達はすかさず掴み、地面へと倒し伏せる。
必死に悶える母と娘……だが男に力で勝てるわけもない。
大声で助けを求める二人の口に素早く猿轡をかませ、男達は周囲を見渡し誰もいない事を確認する。

「誰もいないな……ようやくいい機会に出会えたなぁ」

「あぁ。もう傭兵なんて馬鹿らしくてやってられねぇしな。あいつも頼りにならねぇし……」

男達は二人の手首を頑丈に腰に巻いていたロープで縛り上げ抱きかかえる。
声も上げれず、身動きをとることもできない……アンナの心は恐怖に震えていた。
涙に濡れるアンナ…それが男をある感情へと引き立てた。
アンナを抱きかかえた男は街路の近くに深く生い茂った森がある事を確認すると、もう一人の男に顎でその場所を示す。

「おいっ、こいつらから身ぐるみ剥ぎ取るのもよぉ……ちょっと楽しんだ後でいいんじゃねぇか」

「おう、それもそうだな……最近ごぶさただったしなぁ」

男達は森へと足を向け、足早に駆け去って行った。
この後彼女の花は無常にも散り乱れ、運命が更に狂い始める事となる。
空はそれを暗示するかのように暗雲が立ち込めていた――。


「いいの?」

少年は男を見つめる。
その顔は驚きに満ち溢れていた。

「あんっ?男に二言はねぇんだよ、クソガキ」

男は腕を組みながら口元に笑みを浮かべている。

「クソガキっていうな!」

少年は頬を膨らませ不服そうに言う。
そんな少年に男は名前を知らないからなとだけ返す。
それを言われると何も言い返せない少年はぷいっと男から顔を背けた。

「はははっ!そんなに怒るなよ!ほら」

男は短く切りそろえた乱れ髪をかきながら右手を少年に出しだした。
少年はそれを横目で確認し、男に顔を戻す。
男の顔から笑みは消えていた。

「ほら、簡単な契約だ。 お前がこの手を握れば、お前は俺に雇用された事になる。さぁ、どうする?」

少年に迷いはあるはずもない。
生きてゆく為にはどの道誰かの協力が必要不可欠……なら、このチャンスを逃せない。
少年の右手と、男の右手は固く結ばれた。

「契約完了だ」

男の顔には再び笑みが戻っていた。
強面の顔に傷だらけの顔……だが黒く丸い大きな目とダンゴ鼻に少年は安堵感を覚えていた。

−この人になら僕の命を預けられる。

「俺はセーヤ……セーヤ・ロハンドだ。お前は?」

セーヤと名乗った男は少年へと問いかけた。
少年は彼の目を見ながら答える。

「僕はレイ。レイ・スクリード」

この時少年の蒼い瞳に光が宿る。
その光がこの先どのように道を照らしだすのか。
天国と地獄、それは両隣である。

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.7 )
  • 日時: 2013/06/12 18:52
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)




レイの顔を暖かな光が照らす。
太陽が煌々と照らす中、彼は黙々と歩いていた。
目的地はアンナの向かった街、セズナ。
そこに一団の拠点がるのだとセーヤからレイは言われていた。

セズナは商業都市として栄えていると同時に、狩猟稼業も繁栄している街で、ギルドの支部も街には存在し、多くのハンターの寄る街。
それに伴いハンター達の補佐の様な役割で自分達傭兵団は生活を送っているとレイはセーヤから聞かされていた。
多くの村、街の要衝地点として栄える街セズナ――レイは期待に胸を膨らませていた。
だが今はそれ以上に彼を悩ませている事態があった。

「熱い……」

額から流れ出る汗をぬぐい、レイは顔を顰めた。
村を出発してからゆうに3時間以上は街へとつながる街道を歩いている。
日は彼の頭で煌々と燃え上っていた。

「んだな……ちっ、嫌になるわ」

セーヤの愚痴に隣を歩いていたレイは苦笑する。
筋肉質であり、やや豊満な肉体の彼にはこの暑さは応えるだろう。

「まだまだかかるぞ、隊長」

セーヤの前を歩いてる男が冷やかに言う。
その横を歩いている女は口元に微笑を浮かべていた。
そんな彼らを忌々しげにセーヤは見つめ、舌打ちする。

「お前れみたいに貧弱な体をしてないもんでね、わたくしは」

それを聞いた男と女は鼻で笑い、また黙々と歩き始める。
それから先は特に会話もなく歩き続ける一団。
暑さに項垂れながらもレイは必死に痛む足を動かして彼らに付いて行くのだった――。


「おおっ……こりゃいいねぇ……!」
「あぁ……久々だからなぁ……!」

何故自分がこのような惨劇ばかりに合わなくてはならないのか……彼女には理解できない。
もうどのくらい辱めを受けただろう……もう日も暮れ始めたのか、木々からはわずかな光も差し込まない。
隣で彼女の母の上に覆いかぶさっている男の声がアンナの思考を遮る。

「あんたも年の割にはいいよなぁ……!」

隣に寝かされている母の表情さえも見えない。
だが泣き声だけが男達の快楽に呻く声の合間に聞こえる。

どうしようもできない己の無力……助けにくる者もいない絶望。
既にアンナには振り絞る声も、流れ出る涙も共に枯れ果てていた。
その時、男達の背後から物音がした。

「ぐっ……!? いぎっ!?」

その時突如男達の動きが止まった。
それと同時にアンナの顔に生温かい液状のものが激しく吹きつける。
アンナの口に流れ込むそれは……血。
血の味が口内に広がる。

「な、なんだ!?こいつ……うっ!?」

アンナの上に倒れ伏した男。
だがその男には頭部がなかった。

−!?

大量の血が己の顔面に吹きかけられる。
とても目をあけられず、口も開くことはできない。
だが耳だけは聞こえていた。
肉を貪る生々しい音……隣の男の悲鳴。
そして彼女の鼓膜を切り裂かんばかりの母の絶叫。

−ママッ!?

何が起きているのかまったく理解できない。
だが直感的に母が死んだという事だけは分かる。
自身の上に乗っている男の死体を目にしたからには。
彼女はもう生きる望みを捨てた……すべてを諦め、ただ早く楽になりたいと望んだ。

−もう嫌……嫌……!

その時、彼女は腹部に強い衝撃を受け、それと同時に意識も失った――。


「そろそろ日が暮れるな……隊長、どうする?」

先導していた男が振り返る。
男の言う通り、日は沈みかけ、あたりは闇に包まれつつあった。

「そうだな……まぁ半分以上は来てるだろうし、いっちょここらで野宿しますか」

セーヤはそう男に返すと、街道から外れたところにあった岩の上に腰かけ、大剣を下ろす。
それに続いて男と女もそれぞれ武器を取り外し、レイも背負っていた革製のリュックを下ろした。
そのリュックには食料品といくつかの野外用品がしまってある。

「さてと……」

男はその中から火打石を取り出し、レイに周囲から草木を集めてくるように指示を出す。
今日はここで野宿……レイにとっては初めての体験であった。

手早くレイは周囲に散らばっていた草木を女と共に集めると、男はそれに要領よく火をおこした。
暖かな光が闇を明るく照らしだす……レイは疲れ果てた体を焚火の前に下ろし一息つく。
座った瞬間、ふうと口から息が漏れだす。
そんなレイを一人セーヤは見つめニタッと口元を歪めた。

「疲れたか、レイ?」

レイは頷き、リュックから取り出したパンをセーヤへと手渡す。
体を動かすだけで体中が痛い。

「今日はよく寝れそうだよ、セーヤ」

そうだろうともとセーヤはパンを頬張りながら答える。

「明日の昼頃にはセズナだろ。今日は早く休めよ、明日もはええぞ」

焚火にあたる4人の姿を暗闇の中から鋭い瞳が睨みつけているのにこの時誰も気がついていなかった――。

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.8 )
  • 日時: 2013/06/12 18:54
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)



狩人は獲物を見つめていた。
茂みの中から気配を消して。
獲物達が己の気配に気づいている様子はない。
だが慎重に機会を窺う、せっかくの獲物を逃すつもりはなかった。

つい先日味わった獲物の血肉の感触……忘れられない。
甘い蜜とはまた違う味。
小さな獲物よりも目の前の獲物達のほうが味が濃く、旨い。
……その獲物が4匹もいる。
獲物に気づかれないように近寄らねばならない……ゆっくり、ゆっくりと――。


「……ん?」

自身の武器の手入れをしていた男がふと顔を上げる。

「どうした?トール?」

トールと呼ばれた男は己の口に指をあて、声を出さないように指示を出す。
何事かとセーヤと女は顔を見合せ、レイは寝ぼけ眼でそれを見つめている。

「……何か物音がした」

トールは腰かけていた岩から立ち上がると、剣を鞘から引き抜き、足元に置いていた小さな盾を手に取る。
そのただならない様子にセーヤは大剣を、女は肩から背負っている弓を構え、矢筒から矢を抜き取り身構えた。
寝ぼけ気味であったレイもすぐさまリュックを抱え、セーヤの後ろへと身を隠す。

「……んだぁ?俺には何にも聞こえんかったぞ?」
「いや……確かに音がした。近いぞ、隊長」

3人が背を預け合う形で陣形を組み、その中心に無力のレイが守られる形で彼らは暗闇へと睨みをきかせる。
これなら奇襲を受ける事なく、戦力でない者も守ることができる。
瞬時にこの隊形を成す3人の傭兵に、レイは守られるだけしかできない己の無力を噛みしめるのだった――。


獲物はどうやらこちらに気がついたらしい。
小さな獲物を中心に大きな獲物が警戒している。
もう存在が知られたなら隠れる必要もない。

この爪で獲物を引き裂き、牙で噛み砕き、あの食感と味を噛みしめる。
それだけを獣は考えていた。
もう隠れる必要もない……目の前の獲物を殺す――。


「前方右斜め!茂みの中!」

トールの声に反応したセーヤと女は瞬時に彼の両脇へと振り向く。
トールが示した先には咆哮をあげた獣の姿があった。
その大きさは2m近くはあろうセーヤ以上の巨体である。

「ほぅ……なかなかでけぇ」

青黒く生えそろった毛がわずかに焚火の光に照らし出され、ところどころが赤黒く変色している。
固い甲羅に覆われた手に鈍く光る爪、荒々しい息が吐き出される口から見える牙……どちらも赤黒く染まっていた。
その容貌は熊に近いものであるが、明らかにその姿は尋常ではない。化け物だ。

「ありゃぁ……熊だなぁ。あの様子じゃ俺等が餌に見えてんのか?」
「あなたが美味しそうに見えるんじゃないの?隊長」

女の軽口にトールが同意したように頷く。

「ちっ、軽口叩く暇あんならさっさと殺れ!」

了解と答えた女はこちらに向けて咆哮を上げつつ突進してくる熊の頭部に狙いを定め矢を放つ。
風を切りつつ矢は熊の眉間に吸い込まれるように突き刺さった――かに見えた。
だが矢は鈍い音をたてて矢尻の根元から折れる。

「嘘ッ!?」

驚く女の横を颯爽とトールが駆け抜け、盾を前方に構えつつ、低い体勢で熊へと迎いうつ。
トールの盾と熊の頭部がぶつかり合い、盾の金属音が響く。
セーヤより小柄とはいえ、頭一つ分程しか違わない巨漢のトールが立ち合うと子供のように小さく見える。

「ちっ……この馬鹿熊!?」

額、そして髪を剃りあげた頭部に太い青筋をたて、歯を食いしばるトール。
トールの足が徐々に徐々に後ろへと押し出され、地面にブーツが食い込んでゆく。

「この……!」

トールが熊を抑えている間に後ろへと回りこんでいたセーヤが大剣を振りかざし、熊の背に一撃を放った。
刃が熊の首筋付近に食い込み、血が宙へと噴出される。
だが浅い――致命傷にはならない傷だとセーヤは今までの経験の中から感じる。
熊は背に痛みが走ったと瞬時に体を少し前に引いたのだ。
ゆえに熊には致命傷にならなかった。

(こいつ……)

声にもならない咆哮を熊は上げ、立ち合っていたトールの盾に力任せに腕を叩きつける。
トールは踏ん張りきれずに熊の前より弾きとばされた。

「トール!?」

トールの巨体が吹き飛ばされたことに驚きながらも女は冷静に肩に下げている矢筒から矢を抜き取り構える。
頭部が無理なら足……見たところ体毛にしか覆われていない足なら矢も通るはずだと女は考えた。
地面へと倒れ伏しているトールに今にも飛びかからんとする熊のその足めがけて矢を放つ。

「!!」

矢は見事に熊の右足を貫き、熊の行動を阻止する。
熊はあまりの激痛に後ろへと倒れこみ、尻もちをついた体勢となった。
その隙をセーヤは見逃がさない。
すかさず倒れた熊の頭部めがけて大剣を正面から振り下ろした。

「熊野郎!死ね!」

だがその時熊は予想外の行動に出た。
己の右前足部分を大剣へと差し出したのだ。
熊の腕を覆っていた甲羅が砕け、刃が肉へと食い込み、それ以上の侵入を拒む。

「んだとぉ!?」

咄嗟の熊の機転に虚をつかれたセーヤ。
その隙をついて熊は左前足を彼の脇腹へと叩きつけた。
これにはたまらずセーヤは大剣を手放し、地面へと叩きつけられた。

よろめきながら立ち上がる熊と、得物を手中から離した無防備なセーヤはまたも正面から対峙する。
漆黒の闇が辺りを包む中、彼らの死闘はまだ終わらない――。

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.9 )
  • 日時: 2013/06/12 18:57
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)



熊は困惑していた。
何故眼前の小さな獲物達に己が苦戦しているのか――理解できなかった。
つい前の闇の中で食いちぎった獲物達は弱かった。
なんの抵抗もない彼らの肉を抉り、血を飲み尽くし、堪能したのだ。
だがこの獲物達は違う……明らかに闘いを知っている。
しかし逃げることはできない。
ここで獲物を喰らうまでは――。


熊は怒りに打ち震えているが如く、咆哮をあげる。
その怒りの矛先は己の眼前に立つ獲物――セーヤ。
熊にはもう彼以外の獲物は見えていなかった。

「へへっ、そんなに見つめちゃってどうした……俺に惚れたか?」

セーヤは額から流れ出る汗を手で拭いながら軽口をたたく。
そんな余裕を見せるセーヤに向けて熊は血が滴り落ちる右前脚を打ち込もうと腕を振り上げる。

「隊長!どいてっ!」

女の声が耳にセーヤは反射的に後方へと背中から倒れこむ。
セーヤの頭の上を疾走する一矢――それは熊の右目を見事に打ち抜いていた。
その瞬間、凄まじい咆哮が夜の空へと響き渡る。

「……うしっ!」

体勢を崩した熊の隙をついて己の武器を手中に収めるセーヤ。
彼は刃が下になる状態で柄を握り、両足でふんばると一気に上空へと向けて切り上げる。
その刃の切っ先は熊の顎を切り裂き、熊の右頭部を抉りぬく一撃。
大量の血と肉片が飛び散る中、ふらふらと後ろへよろけた熊に一気に駆けよるのはトール。

「……ふっ!」

大地を蹴り熊の頭部へ向けて跳躍――。
彼の右手に持たれていた剣は熊の左目を切り裂いた。
そしてそのまま熊の背後へと着地すると熊へと振り返り、剣を胴へと突き刺す。
この時、頭部を破壊された熊に意識はなかった。

「……これで終いだなっと!」

熊が前のめりに倒れそうになった瞬間、セーヤの大剣が熊の頭部を切断していた――。


「こいつはでけぇなぁ!座り心地もいい!」

熊の背に腰かけているセーヤは上機嫌な様子で口笛を吹く。

「これだけの獲物ならそれなりに金になりそうだな」

剣の刃をぼろ布でふき取るトール。
男達の顔には熊の返り血が大量に付着している。
上機嫌な二人とは対照的に、レイは顔を歪めていた。
血……その真っ赤に染まる液体に彼は馴染めていない。
周囲に漂う血の臭いと血肉散らばる異様なその場に。

「大丈夫?」

「セナ……」

セナと呼ばれた女は気遣うように彼の顔を覗き込む。
長髪の銀髪から漂う穂のかな花の香り――血とは対照的な匂い。

「大丈夫。 ちょっと疲れてるだけさ」

レイは強がってそう答える。
本当は今にも胃の中のパンが逆流してきそうな程に気分を害していたが。

「そう、なら良かった」

少し肉つきのいい顔だが、誰もが文句の付けようもないほど顔の整っているセナ。
セーヤの話によると、その顔立ちからか男性から求愛される事も多々あるらしい。
彼女の可愛らしい頬笑みにレイは直視できず、サッと目をそらした。

「おう、セナ。わりィが今夜はここにその餓鬼と残ってくれねえか?」

そんな二人の合間に割り込むセーヤの声。
彼はトールと共に先にセズナへと向かうとの事だった。

「どうして先に行くの?」

不思議に思うレイにセーヤは説明する。
一つはギルドから依頼されていない化け物を討伐した際にはギルド支部に伝え、死体を引き渡すことで収入を得られるという事。
二つ目はギルドはその死体からハンターとは別のギルド直属の部隊に装備を支給している事。
ハンターに正式に依頼をしていない分、こちらの方がギルドにとっても安上がりになる。
そのことからギルドは商人等に引き渡さず、支部に引き渡すことを奨励し、商人達よりも高額で引き取ってくれるシステムだという。
ただこの様なことは滅多にないらしく、ほぼハンターが受けた依頼の補助を行う役周りで傭兵として食っているのだとセーヤは言った。

「という事で、お前達はここでこいつの見張りをしててくれ。他の奴らにとられねぇようにな」

他の奴らとは同業の傭兵達の事であろう。
頷くレイとセナ。

「早けりゃ朝までには戻る。それと……ほれ」

セーヤは腰にさしていた短剣をレイへと手渡す。
それは古くくたびれた皮の鞘に収められた子供でも扱えるほどの小さな剣。
抜いてみなっとセーヤはレイに促す。

レイは無言で鞘から刀身を引き抜いた。
鋭く研ぎ澄まされた小さな刃――月の光に鈍く光る。
ジッと刀身を見つめるレイの肩をセーヤは軽く叩き、口元に笑みを浮かべた。

「てめぇの身はてめぇで守れ。いいな」

レイはこくりと頷く。
自分の身は自分で守る……これがセーヤより言い渡された最初の任務だった――。

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.10 )
  • 日時: 2013/06/12 18:59
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)



セナが弓の手入れをしている傍らで、レイはセーヤから受け取った短剣を手に取り、セーヤが言った言葉を反復していた。

――てめぇの命はてめぇで守れ。

こんな短剣で何ができるというのか……熊の死骸を横目にレイは思う。
熊の前では自分など虫のようなもの。たかが短剣を持ったところでそれは変わらない。

「……てめぇで守れ、か」

セーヤの言葉に頷いたものの、それがいかに難しい事か……セナと二人だけになった今だからこそ、彼はそう感じていた。
もし今の状況でまた化け物、同業者たちに襲撃でもされたら……考えたくもない自体だ。

「どうしたの? 」

短剣を手に俯いてばかりいたレイにセナは声をかける。
その心地よい声にレイは僅かに心の陰りがなくなった気がした。セナに彼は弱々しい笑顔を向ける。

「……大丈夫」

不安は隠せていないだろう事は自分でも理解していた。
こんな時は自分の気持ちを押し殺してでも不安というものを伝えないもなのだろうが……今の彼にはそれはできない。
今はセナという女性に身を守ってもらうしかないのだ。
そんな彼の気持ちを察してか、セナは「そう」とだけ応え、再び弓の手入れを始めた。
彼女が手入れをしている弓、それはもう長年使用しているのか所々に傷が入っており、色も元々黒かったのか茶色だったのか分からない程に色褪せていた。

「その弓……凄いね」

何故新調しないのかだろうか、その興味心からレイは言葉を発した。
レイの言葉にピタッと手の動きを止めたセナ。彼女は弓を優しく擦りながら、レイに微笑む。

「形見……かな」

形見……彼女も大切な誰かを亡くしたのだろうか。
だとしたらまずい事を聞いてしまったかとレイはすぐに彼女に謝る。
セナは「いいの」とだけ返し、また弓の手入れを始めた。
気まずい沈黙が二人の間に漂う中、それを破るようにセナが口を開く。

「この弓ね、父の使ってた弓。父も傭兵だったから……」

「そうなんだ」

「うん、だからいつまで経っても捨てられないんだよね」

セナは笑う。
形見……大切な者のために遺すもの。レイは自分には何が残ったのだろうかと考える。
故郷は燃え尽き壊され、父も母も死んだ……だが、そんな両親が一つだけ確かに残してくれたものがある。

「自分……」

レイの呟きにセナは不思議そうに覗き見てきたが、彼はなんでもないと慌てたように首を横に振る。
両親に繋ぎ止めてもらった命を捨てる訳にはいかない。
無意識に柄を握る手に力がこもるレイを月明かりがあたたかく照らしていた――。


「これで、よしっと」

セズナへと向かう途中にある泉にてトールとセーヤの二人は己の身についた血を拭っていた。
流石にそのままの姿で街に入る訳にもいかないからだ。血の臭いや視覚の気分不良を市民が起こす恐れがあるからだ。
そのため狩猟を終えたハンターや傭兵達が帰還する際の暗黙の了解的なものとなっている。
赤く染まった布切れをその場で処分し、二人は再びセズナへと向けて出立する。

どちらも喋る事なく歩く。ただ黙々と歩く。

「……隊長」

そんな静寂を破るトールの静かな声。
なんだとセーヤは立ち止まり、怪訝そうにトールへと視線を向けた。

「なんであいつを俺達の仲間に? 」

トールがいうあいつとはレイの事だろう。
たいした説明もないままこれから仲間だと紹介されたのがトールには納得できなかった。
何故なら、戦う事ができない者などただの金食い虫でしかないからだ。
誰の身内でもない子供を養う必要などない……街にでも連れていき、孤児院にでも預ければいい話だ。
わざわざ面倒を見る必要はないはずだとトールは言う。

「それにわざわざ危険を犯して何故あの村を助けたのかも俺には理解しがたい」

村が飛竜に襲撃されていると部下からの報告があった際、武器を手に真っ先に駆け出したのがセーヤだった。
飛竜に敵う訳がないのは彼は重々理解してただろうに、何故戦ったのか?
その説明もろくにないのはどういう事か……トールはここぞとばかりにセーヤの非を責め立てる。
だが肝心のセーヤはその事については口を閉ざし、ただ一言「すまない」とトールに頭を下げた。
てっきり「うるせぇ! 」と反撃の余地もなく閉口されるだろうと考えていたトールは虚をつかれた思いで目を丸くする。
押し黙ったトールを見てセーヤ苦笑した。

「訳はちゃんと話す……。だからちょっとばかし今は待ってくれ」

 そう断られてはトールもこれ以上口を出すことはできなかった――。

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.11 )
  • 日時: 2013/06/12 19:00
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)



 体中が痛み、意識が朦朧としている。
もう助からないのだろうか……だがそれでもいいかとアンナは思う。
彼女の心は絶望、という闇に覆われていた。
最愛の母の死、自身の汚れ……帰る故郷も何もかもなくした彼女に生きる希望は既になかった。

「……もう疲れた」

 彼女が目を覚ました時には既に化け物の熊はいなかった。
残されていたのは無残にも食い散らかされた母と傭兵達の残骸。

「……」

 母と男達を惨殺したあの熊の化け物は何故自分を生かしたのだろう?
お腹が一杯だったから? 殺すのに飽きたから?
どうして……私を殺してくれなかったの?

「……どうして」

 ふらふらとした足取りで彼女は暗闇の森の中を歩く。
複数の鳥の鳴き声と風に揺れる木の葉の音。彼女の耳に聞こえる自然の音。
死に向かおうとしている彼女を止める者の声はどこにもない。

「……あっ」

 森が開けた先には小さな泉があった。
月の光が水面を淡く照らし、きらきらと輝いている。
何かに手招きされるかの様に彼女は泉へとゆっくり近づいてゆく。

「きれい……」

 まるで星のまたたきの様に輝く泉に彼女は深く息を漏らす。
もう生きる希望もない自分……ならば最期ぐらいこのような綺麗な場所で死ぬ事ぐらいは許されるのではないか……。
水を手のひらに少しだけ掬い、自分の口元へと持ってゆく。それは氷の様に冷たい。

「美味しい……」

 水面に映る自分の顔……それはもう以前の自分ではない。
もうあの頃の自分は死んだ。 一筋の涙が頬を伝い水面へと落ちる。
次から次にあふれ出る涙。 止めようのない感情。

「ママ……今そっちに逝くね」

 左足を泉の中へとゆっくりと下ろす。 肌が刃物で刺されるかのような冷たい痛み。
だが彼女は止めない。もう彼女に迷いはなかった。
足を下ろすと泉の底は滑っており、足の重みでゆっくりと沈んでいく。
左足が沈み終えると、次は右足を下ろした。両足を下ろしたことで彼女の腰まで水面で浸かっていた。

「……」

 あとは泉の中央まで歩くだけだ。中央は彼女が立っている浅瀬より深く、黒く淀んでいる。
ここ以上に深さがあるのは目に見えていた。あそこまで歩けば……死ねる。

 ゆっくりと足を動かし始めるアンナ。何度か転びそうになりながらもゆっくりと中心へと向かう。
胸の高さまで水面がきていた。 あと2、3歩進めば……。
意を決して足を動かそうとした時、彼女を呼び止める声がした。

「君はそれでいいのかい? 」
「……えっ? 」

 彼女はその声に驚く。まさか人がいるとは思っていなかった。
振り向いた彼女の視線の先には、彼女を微笑みながら見ている男の姿があった――。

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.12 )
  • 日時: 2013/06/12 19:04
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)



「ふむ……これはなかなかの獲物だな」

 熊の死骸がギルド支部より来た者達の手により、台車に乗せられていた。
化け物の死骸は大体はその場で解剖し、使用できそうな部分と使用不可能な部分に分けられる。
ハンターや傭兵達の手により破壊、傷ものとなった部分を使用不能部分、それ以外を使用可能部分としている。
ギルドの支部はその使用可能な部分のみを傭兵から買い取り、ギルドの直属の兵の装備としているのだ。

「そうだろ? いくらで買い取る? 」

 セズナより帰還したセーヤが得意げにギルド支部の男に聞く。
男は腰のポシェットから紙を取り出し、羽根筆にて何かを書き、セーヤへとそれを渡す。
その紙を覗いた瞬間、セーヤの瞳は輝いていた。

「おうっ!? いいのか!? こんなに!? 」
「構わん。いつもお前達には世話になってるからな」

 男はニヤッとセーヤに笑みを返し、台車に熊を乗せた部下達に手で合図をする。
台車はゆっくりと台車を引く馬により動き出し、台車に男は乗り込んだ。
その台車を護衛する形で部下達が両脇を闊歩している。

「ではまたよろしく頼むぞ」
「おうよ、任された! 」

 その場から去ってゆく馬車を見送るセーヤ。その後ろでレイは大きな欠伸をしていた。
そんな彼の横でセナは微笑む。

「疲れた? 」
「……ちょっと、ね」

 レイは肩を竦めながら一息つく。
結果的には襲撃はなかったものの、やはり闇の中での警戒は気を張るものだった。
日が明け、セーヤとトールがギルド支部の者達を連れて帰還してきた時には安堵感からか腰が抜けてしまった。
そんな彼の姿を見ていたセナは「頑張ったね」と彼を誉める。

「頑張った? 」
「うん、君は頑張ったよ」

 セナの頬笑みにレイは頬を赤く染める。
実際はセナに守られるしか術がなかった自分を褒めてくれる彼女の優しさに彼は嬉しくも情けなくもなった。
そんな二人のやり取りをニヤケ顔で眺めていたセーヤ。
その視線に気がついたレイは不快そうに顔を歪める。

「……なんだよ? 」
「別になーんにもございませんよ、坊ちゃん」
「……隊長 」

 睨みつけるセナにおどけた様子でセーヤは手にもっていた紙で自身の顔を隠す。
それはギルド支部から来た男から渡された紙であり、紙面には3000zの文字とセズナギルド支部のスタンプが大きく押されていた。
3000zといえばレイの両親が行っていた野菜の行商の2〜3か月分である。
驚くレイに、紙面の横からぬっと顔を出したセーヤ。その顔は笑顔に満ち溢れていた。

「これなら少しの間、食い扶持には困らんぞ……諸君」
「そうだな、隊長」

 セーヤの後ろで腕を組んだまま頷くトール。常に仏頂面である彼の顔にも笑みが浮かんでいた。
トールの笑顔なんて珍しいとセナの耳打ちにレイは苦笑する。
トールの笑顔ほど似合わないものもそうそうないだろうと彼は思った。

「なんだレイ? 人の顔をジロジロと……」

 トールの地鳴りの様な低い声にレイは慌ててなんでもないと首を振る。
訝しがるトールを尻目に、セーヤは出発する旨をメンバーへと伝える。
遅くとも今日の夕方にはセズナに到着するだろうとの事だった。

「レイ、お前セズナは初めてだよな? 」
「うん、今まで村から一度も出たことないから……」
「ほほーん。じゃあ腰を抜かすなよ、セズナに着いたら」

 セズナ……商業都市として栄え、狩猟稼業も繁栄している街。
話だけでしか知ることのなかった街へ向かい、これから新たに生活を送る事になる。
少年は高鳴る胸の鼓動を抑えることはできなかった――。

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.13 )
  • 日時: 2013/06/12 19:06
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)



「うわぁ……! 」

 レイは思わず息を呑んだ。
どこを見渡しても人、人、人……忙しく行き交う人々の姿に少年は圧倒された。
自慢の一品を売りさばこうと声を張る商人、商人と値段の交渉をして怒鳴る男達の怒声に世間話で盛り上がる女性の笑い声。
思わず耳を覆いたくなるような騒音の中、立ち竦んでいたレイの肩を後ろから叩くセーヤ。
その顔には得意げな笑みが浮かんでいた。

「商業と狩猟の街セズナにようこそ」
「ここがセズナ……」

 目の前に広がる無数の露店。レイが今まで目にしたことのない食べ物や生活用品、武具がズラッと並んでいる。
露店を数えようにもあまりのその多さに両手の指でも数えようにも足りないほどだ。
そんな露店を値踏みしながら歩く人々の群れにも彼は度肝を抜かれていた。

「ここがセズナの中心の商業広場だ。 ここで大体の欲しいもんは揃う」
「へぇ……」

 感嘆の思いで辺を見渡すレイの姿に、二人の後ろにいたセナは微笑んでいた。

「面白いか? 」

 セナの隣で退屈そうに伸びをしているトールが彼女に聞く。彼の問いにセナは小さく頷いた。

「ううん……昔の私みたいって」
「……あぁ。 そうだな、確かお前が初めてここに来たときも似たようなもんだった」

 懐かしげに目を細めるトールにセナは苦笑する。

「にしてもお前もでかくなったな」
「それはそうよ、人間だもん」

 まるで父親のように感慨深げに目を瞑っていたトールの頭をセーヤが思いっきり引っぱたいた。
パシンッと心地のいい音が広場の雑音の合間に響く。二人の隣を流れゆく人々の視線がトールへと注がれた。

「何辛気臭い顔してやがんだ。 ただでさえ仏頂面のくせに」
「……」

 見開いた目で睨みつけるトールの視線を避けるようにセーヤは口笛を吹きながらセナの後ろへと隠れた。

「隊長……これからどうするんです? 」

 呆れながら問うセナにセーヤは後ろから返答する。

「まずは……ギルド支部に行く。 金を受け取らなくちゃならん」

 ギルド支部に赴き、ギルド支部の男から受け取った小切手にあたる紙と金の交換。
狩猟報酬を受け取る際は必ずこの流れを行う必要があるのだ。

「それから俺達の住処に帰るぞ、いいな」

 セーヤ達の傭兵団の拠点もここにあるのだとレイはそのとき思い出した。
この商業地から少し離れた『狩猟居住地区』にあるとセーヤは言う。

「そこはな、ハンターや俺達傭兵団が主に住み着いている地区でな。 俺達の家もそこにある」
「ふーん……」

 狩猟居住地区……名前通り多くのハンター、傭兵たちが集まるのだろう。
これから自分はそこで寝起きする事になる……レイは新たな生活の始まりに胸を躍らさせるのだった――。

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.14 )
  • 日時: 2013/06/12 19:12
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)



「――君はそれでいいのかい? 」
「……えっ? 」

 男の声に呼び止められたアンナは後ろへと視線を向ける。
ひっそりと佇む男――その顔には優しげな笑みが浮かんでいる。
 女性のような美しい顔立ちに思わず息を飲むアンナ。
彼女に男は語りかけてきた。

「君には……素質がある」
「素質……? 」

 この男は突如何を言い出すのかとアンナは怪訝な表情を浮かべる。
男はそんな彼女の反応を楽しんでるかのように話を続ける。

「死ぬ覚悟というのはそうできるもんじゃないよ、特に子供のうちにはね」
「……」
「死ぬほどの『絶望』を味わったのかな、君は? 」

 男は泉へと歩を進める。その足取りは軽い。

「それほどの絶望を味わった君だからこそ、その素質はある」

 男の足は泉の中へと沈む。

「……素質って? 」
「……なんだと思う? 」

 徐々に己に近づいてくる男に合わせてアンナも泉の中央へと向けて足を動かす。
一気に沈み込む地底にアンナは足をとられそうになりながらもなんとか体制を保つ。

「……」
 
 黙ったまま男の顔を見つめるアンナに男は優しく答えた。

「『狩り』のだよ」
「……狩り? 」

 耳を疑うアンナに彼は話を続ける。

「そうだよ、狩り……僕と同じ『ハンター』だ』

 男とアンナの距離はいつの間にか互いの手が取りあえるほどの距離にまで近付いていた。
呆気にとられているアンナに男は語る。

「それほどの絶望を味わった者なら生に対する生着がない。並みの人間なら生への執着から平穏を歩む」

 生への執着……そんなものはないとアンナは自嘲気味に笑った。
故郷の消失、母の死、己の汚れ――自分をこの世界に縛るものなどある訳もない。

「だから君のような人はこの職種に向いてる、命を捨ててでも敵を殺すことに……ね」

 しかし本当にそうなのだろうか?何かが自分の中に引っかかっていた。
それは何か……その疑問だけが彼女を死の一歩手前に踏みとどめていた。

「どうだい?どうせ捨てる命なら……僕に預けてみないか? 」
「……預ける? 」
「そう、預けてほしい。僕なら君の命を無駄にはしない」

 そう言うと男はアンナに手を差し出す。白く綺麗な手だった。
この手を握る事はまだこの世界で生き続ける事を意味している。
その覚悟がアンナにはなかった。

「……私なんかハンターなんてなれる訳ないよ」
「……」
「もう疲れた……楽になりたいの」

 アンナの頬を一筋の涙が伝う。
男はその涙を優しく手で拭い、アンナの頭を撫でる。

「君は逃げるような子じゃないだろう? 闘えるはずだ、君自身と」
「……私自身と? 」
「そうだ、死んで楽になるなんて間違いだ。君の両親も君自身に命を絶ってもらうために君をこの世界に受け入れた訳じゃないだろう? 」

 両親。その言葉を聞いてアンナはふと両親の顔を思い浮かべた。
仕事で疲れていても笑顔で自分と接してくれた両親の顔がそこにはあった。
生きたくても生きることができなかった両親――それに比べ自分から命を捨てようとしている自分。
自分が情けなくなってしまった。弱い自分に。

「……どうだい? もう一度足掻いてみないか、この世界で」
「……」

 どうせ死ぬなら自分の故郷を滅ぼし、自身をここまで死の淵へと追い込んだ化け物を一匹でも多く殺してからでも遅くはないだろう。
アンナの意思は固まり、その目には正気が宿った。

「私に……私にやれるの? 」
「あぁ……僕が君を一流のハンターに仕立ててやる」

 アンナの手は無意識のうちに男の手を強く握っていた――。

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.15 )
  • 日時: 2013/06/12 19:19
  • 名前: アクロバッテック爺さん (ID: fvnYSd5W)

一人で書くのはいいんだけど、
3gの方はまだ100もいってないんだしまだこっちで書くのには速いのでは?

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.16 )
  • 日時: 2013/06/12 19:36
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)


>>15
ご指摘ありがとうございます。

3Gのスレにつきましてはロックは致しました。

4の掲示板が開放され次第こちらに移行する旨は前々から告知していましたし
今後はこちらで進行しても問題ないと判断した上での移行だったのですが…

移行した旨につきましては
3G板だけでなくそれ以外の方々にもご参照していただいたうえで
様々なご指導などを頂ければと思いこちらに移行した次第です。

他の方々からも>>15sの様なご指摘をいただいた場合は
こちらのスレを管理人様に削除してもらい、3G板にて進行していこうかと思います。



Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.17 )
  • 日時: 2013/06/12 20:20
  • 名前: 名無し ◆oa6k//3vOQ (ID: 5KGUFxpI)

移転してた、私怨

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.18 )
  • 日時: 2013/06/12 21:15
  • 名前: ジョンソン ◆ori1eiFI2s (ID: jDO.d4R6)

>>16
まあMH3G板は過疎ってたし
読者を増やすために移転は良いんじゃない?

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.19 )
  • 日時: 2013/06/12 21:25
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)


>>17
私怨…そんな恨まれることしました?(笑
今後頑張りますのでご容赦ください><

>>18
そうですね…
やっぱり書いている私からすると色々な人に読んでもらいたいんですよね。
アドバイスとかもらえたら今後一層楽しんでいただけるものも書けるだろうし…
それにモチベが(笑

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.20 )
  • 日時: 2013/06/12 21:30
  • 名前: 破壊神 (ID: .1yfzvhU)

とりあえず頑張ってください

Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.21 )
  • 日時: 2013/06/12 22:01
  • 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)

「よう、久しいな」
「……」

 セーヤの問いかけに応えない女性。
狐の様な目付きが特徴的なその顔はセーヤを見ても微動だにしない。
どこか怖そうな女性……それが彼女に対してのレイの第一印象だった。

 レイ達は今セズナの『セズナギルド支部』を訪れていた。
ギルドの者から受け取った換金用の券をここで換金するためだ。
ギルド支部……ギルドの総轄する施設なのだから大層立派な建物だとレイは思い込んでいたが……現実は違った。
外観を見た時の印象は故郷の村にでもあったような小さな家。それも外装は年季が入っているのか、薄汚れ、壁は所々にヒビ。
内装は座れば壊れそうな木造の古びた椅子がいくつか並んでおり、小さな受付窓があるだけのシンプルな内装。
その受付に座る狐目の女性以外、ギルドの者と思しき人もいない。
ギルド支部のあまりの小ささに意味もなく落胆するレイの姿を見てセナは笑った。

「ほら、これを換金してくれや」

 セーヤが差し出したギルドの換金券を女性は無言で受け取り、受付の後ろにある扉を開けて中へと消えていった。
セーヤは苦笑いをしながらレイへと視線を向ける。

「いつもあんな調子よ、あいつ。 声なんか聞いたこともねぇ」
「……確かにあの子の声聞いたことないかも」

 相槌をうつセナ。その横でトールも静かにコクりと頷いた。
それほど無口な人なのだろうかとレイは思いつつも、扉が開く音に視線を向けた。
レイの視線の先には小さな袋を持った女の姿があった。

「……」

 女は無言でその袋をセーヤへと差し出す。
金属が擦れる音がする……袋には金が入っているのだろう。
セーヤは女からそれを受け取ると、ニタニタ笑いながら女へと声をかけた。

「よぅ姉ちゃん。 こちとら客なんだからもちっと愛想良くできんのかい? 」
「……」
「ちょっと……隊長」

 セナがセーヤの腕を掴み、ぐいっと後ろへ引っ張った。
その調子に足がもつれ勢い良く後ろへと倒れ込むセーヤ。
ゴツッと鈍い音が室内に響きわたる。

「いてぇなぁ! 何すんだ!? 」
「隊長が余計なこと言うからでしょ! 」
「……んだとぉ? 俺は正論を言ったまでで……」
「今言う事じゃないでしょ! 本人がいる前で! 」

 言い争う二人をレイは宥めつようとしたが二人の言い争いは止まることなく加速してゆく。
よほど日頃の鬱憤が溜まっていたのか、日頃割と静かなセナがセーヤに負けず劣らずの罵りをセーヤへと浴びせる。

「だいたい隊長は人の気持ちを考えないでものを言い過ぎです!それでどれだけの人が傷ついてるか! 」
「あーんっ!? だーれが人を傷つけてるって!? 」
「あなたです! この前だって女の子泣かしてたでしょ!? 」
「ありゃぁ違うって! あれはあの女が……! 」
「またそうやって人のせいにする! だいたい隊長は……」

 これは止めようがないと判断したレイはトールへと助けを求めた……が彼は笑っていた。
この人は止める気がないとレイが絶望したその時、女が無言でセーヤとセナの合間に割って入った。
その顔には狐ではなく鬼の形相が浮かんでいる。

「……」
「あ、あぁ……ご、ごめんなさい」
「お、おう。 俺も悪かった……うん」

 無言の圧力おそるべし……といったところだろうか。
女はセーヤに一枚の紙と羽筆を手渡した。
どうやら金を受け取った事を証明する証明書への記入を求めているらしい。

「あぁ、これな。ほいほい」

 セーヤは自身の名前を記入し終えると、紙を女へと返した。
その紙をサッと目を通した女は受付の引き出しを開け、中から小さな判子を取り出す。
判子をセーヤの名前の横に押し、その名前より下の部分を切り取りセーヤへと返す。
書類の控えなのだろう。

「ありがとよ、また来るわ」
「……」
 
 すべての手続きを終えると、女は証明書を手に部屋から出ていった。
取り残された4人。無言で外へと出ていくトール。そのあとをセナとセーヤも続く。
最後に外へと出ようとしたレイの後ろからふと声がした。

「頑張って、新入さん」
「……えっ? 」

 後ろを振り返る。だが誰もいない。
レイは怪訝に思いながらもゆっくりと扉をくぐり外へと足を踏み出す。
彼の後ろ姿を受付の後ろの扉の隙間からジッと覗いている狐目があった――。
  

Re: 【2‐3更新】書き物的なもの【移行】 ( No.22 )
  • 日時: 2013/06/12 21:57
  • 名前: 破壊神 (ID: .1yfzvhU)

うぉー続きが早く見たい!

Re: 【2‐3更新】書き物的なもの【移行】 ( No.23 )
  • 日時: 2013/06/15 10:12
  • 名前: アクロバッテック爺さん (ID: HvZWRxZN)

>>22
これでも読んでろ。

http://nijieromangadoujin.blog.fc2.com/blog-entry-190.html

Re: 【2‐3更新】書き物的なもの【移行】 ( No.24 )
  • 日時: 2013/06/15 10:27
  • 名前: しろ (ID: gxY1UZSQ)



「見えるかい? あの獣だ」
「……ええなんとか」

 まだ夜の帳が落ちている中、アンナと男は泉から離れ、森の外れへと来ていた。
男からセズナへと向かう事を告げられたアンナは彼に付いてきたのだ。
だがその道中、男はアンナを呼び止め、森の茂みへと身を隠していた。
アンナの右手には小振りの刀剣が握られている。

「これは君を試すテストだ」
「テスト……? 」

 男は頷き、彼らが身を潜めている茂みから5m程の距離にいる獣を指さす。
目をこらして見たその獣は、よく村の近くでも見た草食獣だとアンナは確認した。
鹿によく似た生き物で、こちらから手をださなければ無害の生き物だ。
それもまだ村で見たときのものよりも一回り小さい……まだ子供なのだろう。

 男はニッコリと微笑むと、アンナの耳元で囁く。
あの獣を殺せ――と。

「……えっ? 」
「僕がその得物を渡したことから分かってたと思ったけど……君、案外鈍感? 」

 男の顔には笑みが浮かんでいたが、目は笑っていなかった。
なんと氷の様な冷たい目をしているのだろうかとアンナは他人事のように感じた。
男がアンナの右手に手を添えてくる――その手も冷たい。

「いいかい……あの獣を殺すんだ」
「あの子を……? 」
「そう、その剣で首を斬るも胴に突き刺すも君の自由……ただ殺せばいい」
「でもあの子……まだ子供じゃ……」

 地面に生えている草を一心不乱に食べている子供。
人間ではないにしろ、殺すことができるほど彼女は冷酷な人間ではない。
だが男は首を横に振り、アンナに諭すように囁く。
あれは小さくとも獣、人間に害を与える化け物の一種だと。

「子供大人なんて関係ない。彼らは人間に危害を加える生き物だ」
「でもあの種類の生物は敵意を示さなければ無害だって……」
「無害?あの獣の雄は角を持っていて、人間の子供を殺したという事もよくある話だ。君と同じく無害だと思って近づいた子供達がね」
「……でも」
「それにあの獣を楽に殺せるぐらいの気概がなくちゃ……ハンターにはなれない」
「まぁ……君がハンターを目指すのを断念するなら僕は君を置いて街に向かうけどね」

 男は意地悪そうにアンナへと微笑む。
この男はなんのためらいもなく自分をこの場所に放置していくだろうとアンナは思う。
なにせ男に自身の面倒をみる義務など本当はないのだから。

「ほら、どうするの? 」

 両親のために生き抜くことを決意した。それをみすみす自分から放棄する訳にはいかない。
アンナは無言で茂みから身を乗り出し、獣に気づかれないように暗闇に紛れ忍び足で近寄ってゆく。
それを男は楽しげに眺めていた。

(……ここで死ぬ訳にはいかない)

 獣との距離は約2m程に縮まっている。獲物が気がついている気配はない。
足元に注意しながらアンナは徐々に距離を詰めてゆく……悟られないようにゆっくりと……。
そして刀剣で斬りつけられる距離まで距離を縮めた刹那、彼女の背後から獣の甲高い耳を切り裂かんばかりの奇声が。
後ろを振り返るとそこには同じ種類の獣の姿があった。その獣がその奇声を発していた。

「……お母さん? 」

 その獣の奇声を聞いた小さな子供は弾け飛ぶようにアンナから距離を置き、母親だと思われる獣へと駆け寄ろうとする。
アンナは子供を追いかけることができず呆然と立ち尽くす。
やはり彼女に子供を殺すことはできなかった……子供の母親の姿を見てしまったからには。

「私には……殺せない」

 アンナがそう呟いた瞬間、獣の母親がよろめいた。
よろめいたかと思うと力なくふらふらと千鳥足でゆっくりとアンナの方へ向かってくる。

「……えっ? 」

 何が起きたか理解できないアンナであったが母親が自身の足元に崩れ落ちると同時に現状を把握した。
母親の頭部には一本の矢が突き刺さっていたからだ。
アンナが男に視線を向けると、男は弓を構えていた。男の表情は暗闇で窺う事はできなかったが……微笑んでいるのは彼女には容易に想像できた。
男の放った矢が母親の頭部を貫いたのだろう。

「……」
 
 アンナは何も言葉がでなかった。
子供の獣は倒れた母親の元へと駆け寄り鼻を母親の体にこすりつけ、必死に起こそうとしている。
蚊のなくような小さな鳴き声で母親を呼ぶ子供の姿にアンナは手にしていた刀剣をその場へと落とす。
落とすものは刀剣だけではなく、涙も同じだった。

「何を泣く必要があるの? 」

 いつの間にか男がアンナの傍に来ていた。
思った通り、微笑んでいる悪魔の顔がそこにはあった。

「やっぱり殺す必要なんてないじゃない……この子達を殺す必要はない! 」
「あぁ、ないよ。 ある訳ないじゃない」

 男はそう言うと、アンナの足元に落ちていた刀剣を拾い、その刀身を子供へと向けて一閃。

「あっ……」

 地面に転がる小さな頭部、崩れ落ちる獣の子供の体。
呆然とするアンナの横で落胆したように男は長いため息をつく。

「僕の勘違い……かな。 じゃあね」
「えっ? 」
「君はテスト失敗。君には用がないから。 あっ、これはあげるよ好きに使って」

 男は血に濡れた刀剣を地面へと突き刺す。

「僕は用無しの君のお守りをするほど暇じゃないから。自分の身は自分で守ってね」
「ちょ、ちょっと……! 」
「まぁ運が良ければ街まで辿り着けるよ。じゃあ頑張って」

 男はそう言い終えると、アンナから背を向けて一人で歩き始めた。
慌てて男の後を追いかけようとしたアンナ。
だがそんな彼女を後ろから突き飛ばしたものがいた――。

Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.25 )
  • 日時: 2013/06/15 11:00
  • 名前: 只 ◆9sSjKSOhi2 (ID: kN1c5yxn)

>>23
いけません

それにしても現役JKしろちゃんの作品は凄いと思うぞ
こんなとこに載せないで他の所に載せれば名小説家になってたのに

Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.26 )
  • 日時: 2013/06/15 17:53
  • 名前: しろ (ID: gxY1UZSQ)


>>25

ありがとうございます(^^ゞ
正直嬉しいです!そこまで評価していただけたら!

ほかの小説サイトとかも覗いてみたんですけど…
なかなかしっくりこなくて(笑)

女性のかたって私以外にいないのかなぁ…
ちょっと疑問w

Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.27 )
  • 日時: 2013/06/16 01:02
  • 名前: 「」 (ID: J6k94RVr)

突き飛ばしたものの正体の予想はできた
ので早く続きを書こう

Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.28 )
  • 日時: 2013/06/16 14:02
  • 名前: 名無し ◆oa6k//3vOQ (ID: GZeS1eD9)

>>26
ttp://elephant.2chblog.jp/archives/51855856.html

書き方からして女性だと言われてる
でもモンスター視点だけど


追記
>>29
えっ?

Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.29 )
  • 日時: 2013/06/16 12:51
  • 名前: ツクヨミ ◆eQ79qieAow (ID: 1hnxksjN)

このスレ面白すぎワロタwww

早く書いてww

Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.30 )
  • 日時: 2013/06/16 18:24
  • 名前: しろ (ID: T.AL2Qcp)


>>27
流れ的に予想できますよね(笑)

>>28
書き手の方が女性だということですねー
この板にはいないのかなぁ…と。

えっ…って(´;ω;`)

>>29
応援ありがとうございます!
読んでくださる方がいるのが励みです(^^ゞ

Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.31 )
  • 日時: 2013/06/16 19:05
  • 名前: ちょむすけさん  ◆39JCODjUas (ID: jFT42PCG)

>>28
凄いですね・・・。

>>30
私も面白いと思いますよ^^
是非続きを書いて下さい♪

Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.32 )
  • 日時: 2013/06/16 20:39
  • 名前: 名無し ◆oa6k//3vOQ (ID: GZeS1eD9)

>>30
ワロタの方の面白さって何か可笑しいような気がして
この板の女性はてきとちゃんぐらいっしょ
続きはよ

Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.33 )
  • 日時: 2013/06/16 22:58
  • 名前: しろ (ID: T.AL2Qcp)


>>31
応援ありがとうございます!
遅筆ですが、これからもお付き合いくださいませ(^^ゞ

>>32
あぁ〜なるほど…確かに私の書き物はシリアス過ぎて(笑)
あのギャル語が得意と紹介されてる方ですよね?
女性の方だったとは(;゚Д゚)!

明日に続きを更新しますー
ご容赦ください(-_-;)

Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.34 )
  • 日時: 2013/06/17 22:29
  • 名前: しろ (ID: tjxWpYOk)

 血だらけで倒れている妻と子……見ただけで分かる死骸。
己の留守の間に何があったのかは分からない。
だが……己の大切なものを奪った者の正体は分かる。
己の眼前に倒れ伏しているこの生き物が殺したのだ。己の大切な者達を。
許すわけにはいかない。この生物を。


 「……!? 」

 背中に激痛が走る。
アンナは前方に吹き飛ばされ、地面に倒れ伏す。
自分の身に何が起きたのか理解できない。

「あらら……大丈夫? 」

 男の声に顔を上げるアンナ。
だが男は助ける訳でもなく、悠然と彼女の事を眺めているだけであった。
男の問いかけに答える間もなく、再度アンナの右足に激痛が走る。

「……あぁっ!? 」

 右足に目を向けるとそこには何か尖ったものが突き刺さっていた。
その尖ったものの先に目を向けると――そこには先ほどの獣とよく似た動物。
尖ったものはその獣の角。それが深く右足に突き刺さっていた。

「……くぁあぁ!? 」

 声にもならない悲鳴が口から漏れ出る。
痛い、痛い、痛い――今までに味わったこともない痛み。
痛みと共に右足が燃えるように熱い。

 痛みに悶えるアンナをその獣は容赦なく角を指したまま引きずりだした。
地面に全身を擦りつけながらアンナは必死に男へと助けを求める。

「……た、助けてっ……! 」
「あらぁ……早くなんとかしないと、君死ぬよ? 」

 アンナは絶望した。この男は自分を助ける気がさらさらない。
顔が地面に擦れ、皮膚が裂け、血が流れ出す。男との距離が徐々に開いてゆく。

「……うぁあぁ……」
「僕が何のために刀剣を君に貸したか……まだ分からないのかい? 」

 引きずられてゆくアンナの視界に映る地面に突き立てられた刀剣。

「生きる為には相手を殺さなくちゃ自分が死ぬ。戦争も狩りも一緒だよ」
「理由なんて必要ない。自分が生き残る為に相手を殺す……それができない人は死ぬだけだ」

 その言葉を聞いた時、アンナは一気に右足を横へと動かした。
引き裂かれる皮と肉――痛みに気を失いそうになりつつも、彼女は必死に左足で地面を蹴り、刀剣が突き刺さっている場所へと転げまわる。
もう彼女には迷いはなかった。


 憎き相手が己の角を無理やり外し、地面を転がりまわっている。
普段は温厚な彼だが、この時ばかりは怒りで我を忘れていた。
その生物が手にしたものを彼は見落とし、その生物の命を奪う事だけに執着した。
それは天敵の生物がよく手にしていたもので、何度も同胞たちの命を奪ってきていたものだったというのに。


 呼吸荒々しく刀剣の柄を掴み、刀剣を引き抜く。
立ち上がることはもうできない。仰向けになったアンナは刀剣を両手で握り構える。
こちらに角を下ろし突進してくる獣に向けて――突く。

「……! 」

 凄まじい衝撃が両腕を伝わる。歯を食いしばり、必死に体重を前へと落とす。
後ろへと押し出されつつも、生々しい音と共に深々と獲物の角の間の眉間に突き刺さってゆく刀身。
刀身から山の噴火の如く血が湧き出てくる。

「うぅ……! 」

 獣は甲高い声を上げながらもその突進を止めることはない。
徐々にアンナの顔へと角が迫ってくる。

「うわぁあぁぁ! 」

 最後の力を振り絞り、アンナは目を瞑り、一気に刀剣を前へと押し出す。
勢いよく眉間へと突き刺さってゆく刀身――その瞬間、獣の前両足がガクッと崩れた。
獣の角がアンナの左頬を掠り、頬の肉を削り落とす。

「ッ……! 」

 ふと自身を後ろへと押しやっていた力がなくなった。刀剣が軽くなる。
ゆっくりと目を開けると、絶命した血だらけの獣の顔があった。

「ひぃ!? 」

 左足で獣を蹴りあげると、獣は力なくアンナの横へと倒れた。
刀剣の刀身は獣の頭部を貫通している。
呆けたように口をあけているアンナの耳にパチパチと手を叩く音が聞こえた。
それは男がアンナに向けて拍手をしている音だった。

「いやぁ……お見事!咄嗟の機転でこんな戦い方をするなんて……感動した! 」
「……」
「正直君死んじゃうかなって一瞬思ったけど……」

 男は懐から布切れを取り出すと、しゃがみ込み、アンナの顔に飛び散った血を拭おうとした。
アンナはそれを手で払い除けると、男を睨みつける。

「最低な人ね」
「言われ慣れてます」

 男は微笑みながらアンナに布切れを差し出した。
アンナは無言でそれを受け取ると顔に付着した血を拭う。白かった布切れはみるみるうちに赤く染まってゆく。
顔を拭っている間、男は話を続ける。

「その調子じゃ僕と行きたくないよね? 」
「当り前でしょ。 あなたと行きたがるイカレタ人なんて何処にもいない」
「いやはや手厳しい。だけど……その怪我でどうするの? 」

 右足はあまりの激痛で動かす事もできそうにない。
返答に窮するアンナに男は言う。もう一度、一緒に行くかと。

「君をここで見捨てるのは簡単だが……正直、君の命がなくなるのは惜しい」
「……」
「どうする? 」

 どうするもなにも答えは一つしかない。アンナは無言で頷く。
それを見た男はニッコリと笑い、腰に下げている水筒と取り、中の水をアンナの怪我をしている個所へと振りかける。

「……ッ」
「これはちょっと特別な水でね。滲みるけど我慢して」

 あらかた洗い流すとやや痛みが緩和されたように感じた。
男が言うにはこの水には傷口によく効くと言われている薬草と治癒力を増すと言われているキノコを混ぜたものらしかった。
男は傷口の周囲を綺麗に布切れでふき取り、腰に取り付けているポーチから薬草をとりだすとそれを傷口に直接当てて、長い布で保護した。
手慣れた動作に感心するアンナに男は微笑む。

「応急処置は終わり。後は街に帰ってから診療所へ行こう」
「ありがとう……」
「光栄なお言葉です」

 男はアンナを背負うとゆっくりと街へと向けて歩きだした。
森を抜けたこの場所は街からそんなに遠い場所ではないらしい。
夜が明けつつある中、背負われたアンナは男の背中から男へと問う。

「そういえば……あなたの名前聞いてない」
「そういえばそうだね」
「名前は? 」
「……ロキ。君は? 」
「アンナ。よろしくね、ロキ」

 ロキの暖かな背中に揺られ、疲れはてた少女は眠るのだった――。

Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.35 )
  • 日時: 2013/06/17 19:22
  • 名前: 光間 ◆kyhK3sg0tE (ID: BXSKqf.P)

>>しろs
このスレ3g板の時から読んでますよ♪
面白いですね。これからも頑張ってください(*^^*)

Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.36 )
  • 日時: 2013/06/17 19:29
  • 名前: ちょむすけさん  ◆39JCODjUas (ID: ch1iXOv.)

>>34
おおおっ!良いですねー!良いですねー!!
続きも楽しみにしてます♪

Re: 【2‐5更新】書き物的なもの【移行】 ( No.37 )
  • 日時: 2013/06/17 22:20
  • 名前: 「」 (ID: l1kDWUwJ)


やっぱり獣家族の親父さんだったか
ちょっと可哀想だけどこういう世界で生き延びるにはやっぱり自分を殺そうとする敵を殺さないといけないから仕方ないな
ところでロキって名前はどうやって思いついたん?
北欧神?
イメージ的にはあってるような気がにするけど

Re: 【2‐5更新】書き物的なもの【移行】 ( No.38 )
  • 日時: 2013/06/17 23:20
  • 名前: しろ (ID: tjxWpYOk)


>>35
応援ありがとうございます!
3Gから読んでいただいているとは感激です(´;ω;`)
これからもお付き合いくださいませ。

>>36
応援ありがとうございます!
いい感じに仕上がっていたなら満足ですf^^*)
ただ所々間違い多い(笑)
何度か読み返しているうちに気がつきます(-_-;)

>>37
そうですね…
偽善だけでは生き残れるはずがないですからねMHの世界って。
まさに狩るか狩られるかですねー

トールからヒントを得てロキにしましたw
イメージ的にも私も近いかなぁと思って!


Re: 【2‐5更新】書き物的なもの【移行】 ( No.39 )
  • 日時: 2013/06/18 07:03
  • 名前: それだけの話 (ID: BJb5EyHc)

こうして見ると、もう随分な量を書いていらっしゃいますね。
今までの小説スレで、お一人でお書きになっているものとしては最長なのではないでしょうか。

気になる点はいくつかございますが、全体として普通に読めるレベルの文章ですし、なかなか大したものだと思いますよ。

継続は力なり、と申します。
これからも頑張って続けてください。応援しておりますよ。

ところで一つ質問なのですが。
このスレは今のところスレ主さんお一人でお書きになっていますが、他の方が小説を投稿することは出来ないのでしょうか?
やはり別の話を途中で入れると、話が混ざってしまいますし、やめた方がよろしいでしょうかね?

Re: 【2‐5更新】書き物的なもの【移行】 ( No.40 )
  • 日時: 2013/06/18 13:18
  • 名前: しろ (ID: R1vr5kJ8)

>>39
確かにだいぶ話が進んできましたー
だけど、まだゲームでいうチュートリアル的な箇所なので
どれぐらい長くなるか(-_-;)

気になる点は正直多々あると思います(笑)
なかなか気がつかないんですよね…
後から何度か読み返した時に気付いたり…
地道に修正してまいります!

後、他の方の小説投稿について。

正直、無制限にすると話がごちゃごちゃになるうえ
途中で放棄される方や、関係のない話があがる可能性もあり
荒れる確率も上がるかと思われます。

長編ものなら自スレを建てたほうが管理も楽なうえ
読者の方々も読みやすいのではと思います。

短編なら短編用のスレを建て、そこを短編小説スレとして
皆様に解放なさってはどうでしょう?

私個人の意見ですけども参考になれば…
応援、ありがとうございます!


Re: 【2‐5更新】書き物的なもの【移行】 ( No.41 )
  • 日時: 2013/06/18 18:10
  • 名前: それだけの話 (ID: aTSLAltT)

>>40
やはり自分で個別に作った方が良い、ですね。

いや、このスレを見ていると自分も書いてみたくなるのですよ(笑)

でも基本的に私はスマートフォンをメインで使っておりまして、文字入力が地味にやりにくいという……。
メモアプリに書いてみて、ある程度形になりそうであればスレを作ってみましょうか。

Re: 【2‐5更新】書き物的なもの【移行】 ( No.42 )
  • 日時: 2013/06/18 18:22
  • 名前: ちょむすけさん  ◆39JCODjUas (ID: QJaHKge2)

>>41
自分も書きたくなるの、分かりますww

Re: 【2‐5更新】書き物的なもの【移行】 ( No.43 )
  • 日時: 2013/06/18 20:52
  • 名前: しろ (ID: mGGuaph9)


>>41
ということは長編ですね(´∀`*)

スマホ主体だと確かにやりにくいですよね。
私も2話ほどスマホで打ちましたけど…なかなか(-_-;)
もし建てるなら大変でしょうけども頑張ってください!

>>42
私の書き物で触発されるのならば本望です(笑)

Re: 【2‐5更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.44 )
  • 日時: 2013/06/21 18:14
  • 名前: 理俺尉亜 (ID: 1nNDBZG3)

+Λ_Λ
(0・∀・)ワクワクテカテカ
(o UU)
と__)_)+

Re: 【2‐5更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.45 )
  • 日時: 2013/06/21 18:48
  • 名前: ちょむすけさん  ◆39JCODjUas (ID: rC2Isv4m)

>>44
超かわいいww

Re: 【2‐5更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.46 )
  • 日時: 2013/07/07 19:26
  • 名前: しろ (ID: .hhFuArg)

日が沈みつつあるセズナの街中は、家路につく人々の姿で溢れかえっている。
得物を屠り、多額の賞金を得たと喜ぶハンター達。
2本の巨大な角を持ち、全身を毛で覆われた草食獣の背に大量の荷物を載せ引き連れる商人。
手を繋ぎ、笑顔で語り合う母と娘……皆が皆、各々の帰る場所へと帰ってゆく。
その人混みの中で一人心が沈んでいるものがいた。

「……」
「どうしたの?レイ? 」

 ふと立ち止まった少年をセナは見つめる。
まだ幼い少年の瞳は、彼らの横を通り過ぎていった母子を追っていた。

「いや……ちょっと思い出しちゃって」
「……レイ」

 海の様に蒼く澄んだ瞳がセナを見つめる。
その海にはどれほどの悲しみが沈んでいるのか……彼女にも理解できる。
ぎこちなく微笑むレイにセナが声をかけようとした時。

「おいテメェら!何してんだ!?置いてくぞ!? 」

 セーヤの呼びかけに少年は慌てて歩を進めようとした。
言葉をだしかけていたセナは、反射的に駆け出そうとしていたレイの手を掴む。

「えっ? 」

 驚いた顔で自分を見つめている少年。
過去の自分と今の少年の姿がどうしても被って見えた。
だから止めずにはいられなかった。
この少年、いや過去の自分に対して言いたかった事を言うために。

「……あのね、レイ」
「何? 」
「一人で全てを抱え込まないで」

 その言葉だけを彼女は少年に伝えたかった。
自分の思いを語る人がいない事の辛さを彼女は痛いほど分かっている。
恩人のセーヤにもトールにも語る事ができなかった、自分の思いを。
その思いはここまで生きてきた自分の足枷になっているのを彼女は感じていた。
彼を自分の二の舞にしたくない……その想いだけが彼女の口を動かしていた。

「私はあなたを支えたい」
「……セナ」
「だから……話がしたい時は聞くからね」

 彼と同じ道を辿った事のある自分だからこそ、少年の苦しみを少しでも背負えたら。
その想いからでた彼女の言葉にレイは頷く。
少年の顔には笑顔があった。
それは作られた笑顔ではない、本当の笑顔。

「ありがとう、セナ」
「うん、行こう。隊長達が待ってるから」

 これから先、この少年を守っていこう。例えどんな事が起きようと。
セナの心の奥でその想いが実った、セズナの夕暮れの一角であった――。



「あいつら……何やってんだ? 」

 立ち尽くしたまま動かない二人の部下に対し、軽く舌打ちをする。
早く飯を喰いたい――セーヤの怒りは、腹の虫が鳴るのが原因のようだった。

「何か話をしているようだが、隊長」
「んなの見りゃ分かるんだよ、ハゲ」

 その時、セーヤの肩に、彼の横を通り過ぎようとした男の肩がぶつかった。
爆発寸前の火山を噴火させるには十分な火種であった。

「こらぁ!どこ見てんだっ!? 」
「あぁ、これは失敬。ちょっと急ぎなもんでね」

 男の言い草が妙に勘に触ったセーヤが男に掴みかかろうと前に踏み出したとき、セーヤは男が何かを背負っているのに気がついた。
男の肩からはみだしている細い腕、男の抱えている白い足。
そのどちらも擦り傷があり、所々赤く腫れ上がっている。
特に右足は酷いもので、右足に巻いている布切れは赤黒く変色している。
顔はフードを深く被っているために判別することはできなかった。

「おい……そいつ、怪我してるじゃねぇか」
「……そうだよ、だから診療所に急いでるんじゃないか」

 喧嘩腰であったセーヤもそうと聞けば流石に男を留め置く事はできない。
無言で男の進路から身を外したセーヤに男は微笑む。

「ありがとう」
「ちっ……早く行けよ」

 女か男か分からない中性的な顔立ちに、更にセーヤの怒りは削がれてしまった。
ゆっくりと歩いて去っていく男の背中をセーヤが見送っていると、レイとセナの声が彼の耳に入ってきた。

「ごめん、セーヤ」
「ごめんね、隊長……ってどうしたの? 」
「……なんでもねぇよ」

 レイとセナは不機嫌なセーヤを怒らせてしまったかと恐縮するのだった。 
不機嫌な隊長とその三人の部下も、家路に着く人々の流れの中へと消えていった――。

Re: 【2‐6更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.47 )
  • 日時: 2013/06/25 06:57
  • 名前: 名無し (ID: 2q/wJS..)

来てた、支援

Re: 【2‐6更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.48 )
  • 日時: 2013/06/25 11:29
  • 名前: ゴースト (ID: sxR1yKrE)

この先を勝手に予想してみると。

主人公の少年と、あの女の子、最終的には敵同士で再会しそうな気がします。

「どうして! どうしてなんだアンナ!」
「ごめんなさい……。でも、しかたなかったの!」

さあ、どうなる?

Re: 【2‐6更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.49 )
  • 日時: 2013/06/25 12:11
  • 名前: それだけの話 (ID: mKllxhO9)

>>48
では、ちょっと続けてみましょうか。

レイは、アンナの隣で不気味な微笑みを浮かべている男に厳しい視線を叩きつける。
「お前がッ!! お前のせいで!!」
しかし男の微笑みは変わらない。
「違うよ。これは彼女が選んだことさ。僕は少し手を貸してあげただけ」
「ふざけるな!! お前だけは絶対に許さない!!」
「へぇ、許さなければどうするんだい?」
レイは武器を抜き放ち、全力でロキに向かって打ちかかる。
「貴様を……倒すッ!!」
ロキもすかさず自らの武器を抜き、激しい金属音を響かせながら真正面からレイの攻撃を受け止める。
「やってみなよ、できるならね!!」


あれ?
どうしてこうなったんでしょう?(笑)

なんだかスピンオフが一本出来てしまいそうな気がします(笑)

Re: 【2‐6更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.50 )
  • 日時: 2013/06/25 14:54
  • 名前: 「」 (ID: JapK50tg)

>>49
某司令官の言う通り人間同士の殺し合いで人類滅亡とかなったら洒落にならんな

Re: 【2‐6更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.51 )
  • 日時: 2013/06/26 15:50
  • 名前: しろ (ID: M9be2r.G)


>>47
支援ありがとうございます('∀'*)

>>48->>50
和解できず敵対するという構造ができあがってるw
まだまだ序章ですので、どのような運命へとたどり着くのか…
遅筆ですけども、お付き合いくださいませ(*・ω・)*_ _))

げーむみたいに
マルチエンドにしても面白そうですねw

スピンオフまで作ってもらえるような作品にしたいなぁー

Re: 【2‐6更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.52 )
  • 日時: 2013/07/01 20:24
  • 名前: しろ (ID: zrBnjmGg)

 夜の帳が下り、セズナは闇の淵へと沈む。
次々と闇に飲みこまれてゆく中、ポツリポツリと小さな明かりが灯る。
街に住まう住人達の家に点く、暖かな淡い光だった。
そして狩猟居住地区にあるとある小さな一軒の建物にも暖かな光が灯った。
その建物の壁は独創的であった。
周囲の建物は普通に木造や石造りの壁であり、小奇麗である。
それに対しこの建物は木造の作りであるのには変わりはないのだが、所々に獣の皮を装飾として飾ってあった。
まるでそこに住まう者達の力を誇示しているようだ。
だが、その毛皮が飾られていない箇所には、ところどころに板で補修した跡が嫌でも目につく。
そこまで新しい建物ではないことが一目でわかる程に古い。
そして一番の注目すべきところは建物の入口と思われる扉の上に掲げられた木の看板に書かれた文字。
そこにはデカデカと『白銀の空』と汚い文字で書きなぐられており、その下には小さく『傭兵団』の文字。

「おらぁ!新入り!元気がねぇぞぉ!? 」

 そこに住まう傭兵達の荒々しい声が補修された壁から外へと漏れ出ている。
その建物では新たな団員を祝うための『祝賀会』が催されているのだった――。


 狭い室内では、何十人もの団員達が乱雑に置かれているテーブルに各々陣取り、酒を酌み交わしていた。
飲み散らかされた酒瓶が床にいくつも転がり、歩くのに苦労するほどである。
壁には『新入り歓迎』と乱雑に書かれた木の板が飾られ、その板の下に置かれた特別席に本日の主役がいた。

「セーヤ!酒臭いって!」
「酒臭くて結構!おらぁ!お前も飲まねえか! 」
「ちょ……臭いって!顔近いから! 」

 そう、この宴はレイの入団を祝っての祝賀会であった。
右手に銀色の金属製のジョッキを掲げ、左手にブドウ酒の酒瓶を持ったセーヤが林檎のように頬を赤く染め、その主役のレイに絡んでいた。
顔を必要以上に自分へと接近させてくるセーヤの顔を両手で必死にレイは押さえ、顔を反対側へと向けぶはっと息を吐く。
セーヤが呼吸をするたびに、酒の臭いがレイの鼻腔を刺激していた。

「セーヤ!ちょっと離れて……」
「おぉう!恥ずかしがんなって! 」
「隊長!レイはまだ子供なんですよ! 止めてください! 」

 あまりのセーヤの暴走にみかねたセナがセーヤをレイから引きはがした。

「なんだぁ……そんな固いこと言わないでもいいじゃねぇか。せっかくの飲みの場だってのに」
「だからといってしていい事と悪い事の区別はつけてください! 」

 セーヤはセナの叱責に白けてしまったのか、口笛を吹きながらレイのテーブルから立つ。
半分ほど残っていたブドウ酒をそのままグビグビと飲み干し、ぷはぁっと大きく息をついた。

「おう、酒切れたな。新しいの誰か持ってこい! 」

 セーヤは空になった酒瓶を宙へと放る。
それは綺麗な円を描きながら、飲みつぶれている団員達の頭上を越え、なだらかに重力に従い落ちてゆく。
その酒瓶をゆっくりと目で追うレイ。

「あっ」

 何かに気がついたレイは椅子が倒れる程の勢いで立ち上がったが、時すでに遅し。
その酒瓶は、酒に酔い潰れて床に寝転がっていたトールの顔面へと吸い込まれるように落ちてゆく。
ゴツッと鈍い音が室内に響いたかと思うと、その数秒後には怒声が室内に響き渡ったのは言うまでもない――。


※本来はこれ以後も物語は続いているのですが、文字数の関係上分割せざるをえないため分割しています。




Re: 【2‐7更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.53 )
  • 日時: 2013/06/30 18:27
  • 名前: 「」 (ID: K7OljR24)

更新来てた
>>52
1レスで全部書かなくても分けて書いても構わないよ

Re: 【2‐7更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.54 )
  • 日時: 2013/06/30 21:33
  • 名前: ウェン(3ds) (ID: YfDuVutE)


これは俺の予想だと…

最初にでてたキャラが実はロキ

その数年後レイとアンナの故郷が滅ぼされる

実はロキは自分の家族を殺した飛竜を殺すためハンターになった
そんで簡単にケルビ(?)とかも殺せる様になった

と思う…

Re: 【2‐7更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.55 )
  • 日時: 2013/07/01 12:13
  • 名前: それだけの話 (ID: kdMYyDvf)

>>52
何十人も入るような建物は、もはや「小屋」ではないのでは……。
実は地上の小屋の部分はただの入り口で、地下に広大な空間が広がっているとか!?(笑)
あと、銀色の陶器のジョッキとありますが、金属の間違いでしょうか?


関係ない話なのですが。
最近ネット上の小説投稿サイトで発表された作品が書籍化して発売されるということが増えてきていますよね。
それらを全てチェックしているわけではございませんが、書店などで軽くながめると、「ネットゲームをしていたらそのままログアウトできなくなってゲームに取り込まれてしまった」「平凡な主人公が突然異世界に飛ばされてしまった」というような話が驚くほどたくさんあります。
しかも大抵の場合、その世界ではなぜか最強クラスの力を持っている、というのがパターンです。
流行り、なんでしょうかねえ……?
これも一種の変身願望なのでしょうか?

別にそれが悪いということではないですし、面白い作品は面白いのでしょうが、書店でなんとも微妙な気分になる今日この頃です。

異世界に飛ばされて、という話では、「十二国記」シリーズが個人的にお勧めです。
最初の話では主人公は文字通り死ぬような苦労をしますが、それだけに最後が素晴らしく思えますよ。

Re: 【2‐7更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.56 )
  • 日時: 2013/07/01 20:33
  • 名前: しろ (ID: zrBnjmGg)


>>53
ご意見ありがとうございます!
今後もこの形式で続けていこうと思います('∀'*)

>>54
うーん…説明すると
@序盤からでている少年はレイ。
Aケルビを殺したのはアンナ。
ロキについての過去はおいおい(;^ω^)

>>55
ご指摘ありがとうございます!修正致しました!
書籍化されたものを拝見したことはないのですが
確かに現実の世界から架空の世界に入り込むという設定はよくあるような気が…
主人公は大体チート能力&強運だったりしますねw
すごく共感できます(笑)

十二国記は以前アニメで見てましたー
確かに主人公は苦労してましたね!
私のこの物語も似た感じになるかもしれないです(笑)

Re: 【2‐7更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.57 )
  • 日時: 2013/07/03 21:18
  • 名前: しろ (ID: LwfsTE9J)

2-7A

 足元を照らす僅かな淡い光を頼りに、彼女は道を進んでいた。
その道には茨の棘の様に小さい無数の棘があり、足を前へと進ませるごとに足裏を傷つける。
何も履くものもない彼女――なら進まなければいいではないか。
ふと足を止め、後ろを彼女は振り返る。
自分が歩んできた道は音もなく消失していた――変わりにそこにあったのは無数の屍。
飛び散る血、漂う死臭――悲鳴をあげつつ彼女は一目散に前へと駆けだす。
足の痛みなど気にしている暇はない、奴が近くまできていた。もう、彼女のすぐ後ろまで。

「あぁ……ああぁ……! 」

 息切れ切れにただ前へ前へと駆ける。
何度も足がもつれそうになりながらも、必死に彼女は走った。
足元の痛みに唇を噛みながらも必死に耐え、光のない道をただただ走っていく。
だが……もう限界であった。

「あぁ!? 」

 疲れとあまりの痛みに耐えきれず前へと倒れこむ彼女の後ろから響く咆哮。
それはこの世のものとは思えない、化け物の咆哮であった。
耳を切り裂かんばかりの咆哮の後、ズシッズシッと道を踏みしめる音。
もう逃げられない――目を瞑ったと同時に、彼女の胴体は化け物によって噛みちぎられた。

「あぁあああぁぁッ!……あっ……? 」
「……あ、目が覚めた? 」

 目の前には、こちらを見下ろしている男の顔があった。
女性か男性か分からない中世的な顔に、陰湿な雰囲気の漂う細長い目。
あまり生気の感じられない白い顔には彼女は見覚えがあった。
確か名前は……。

「ロキ……? 」
「おはよう、アンナ。よく眠れた? 」

 ロキは優しく微笑んでくる。
そうだ、確かこの人に背負われて眠ってしまったんだ。

「ここは……」
「あぁ、ここ診療所。綺麗なところでしょ」

 アンナの横たわるベッドと、ロキの座る椅子のみが置いてあるだけの狭い部屋であった。

「大丈夫かい?だいぶうなされてたけど……」
「あっ……うん、大丈夫」

 ゆっくりとアンナは体を起こそうとすると、全身に鈍い痛みが走る。

「痛ッ! 」
「あぁ、まだ起きない方がいいよ。医者が言うには3週間は安静にしてろって言ってたからね」

 誰がこのような目に合わせたのか、この男は分かっているのだろうか。
アンナは痛みをこらえつつも、ゆっくりと上半身を起こし、額から流れ出ていた汗を手で拭う。
己の肢体には無数の擦り傷と赤い腫れがあり、所々に包帯が巻かれていた。
特に痛みの酷い右足には緑色に染まった布が巻かれており、何か花の蜜の様な甘い匂いがしている。

「これは……? 」
「それは特別な薬品に長い時間漬けた特別なものだってさ。傷の完治が早まるらしいよ」
「そう……私、どのくらい寝てたの? 」
「うーん……まぁ朝から晩まで、かな」

 ロキはそう言いながら笑った。
この人は私を背負ってどのぐらいの長い距離を歩いてきたのだろう。
自分だって疲れているのにずっと傍にいてくれたのだろうか。
そう思うと自然と言葉が口からでていた。

「ありがとう、ロキ」
「いえいえ、当然の事をしたまでです」

 ロキはアンナに微笑むと、傍らに置いていた弓を肩に背負い立ち上がった。

「行くの? 」
「うん、君も目が覚めたようだし。僕も休ませてもらうよ」

 部屋の扉を開けたロキの背中に、アンナはもう一度感謝の言葉を述べた。「ありがとう」――と。
ロキは振り向くことなく、右手だけを上げて彼女への返答とした。
ロキが姿を消すと、アンナはゆっくりと体をベッドへと戻し、目を瞑る。
それから急激に襲ってきた眠気に、彼女は身を委ねるのだった――。

Re: 【2‐7A更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.58 )
  • 日時: 2013/07/02 17:27
  • 名前: ランランル〜〜〜♪ (ID: 3T/5Dccp)

はじめまして〜

この作品は3g板から見させてもらってます
早く続きがみたいな〜(*^_^*)ワクワク

Re: 【2‐7A更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.59 )
  • 日時: 2013/07/02 17:40
  • 名前: ちょむすけさん  ◆39JCODjUas (ID: 0shUcUzp)

¨/\_/\
( *^ω^)ワクテカワクテカ

とても面白いです!ロキさん良いねww

Re: 【2‐7A更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.60 )
  • 日時: 2013/07/02 21:55
  • 名前: しろ (ID: Eu/N000Z)


>>58
はじめましてー!前板から読んでいただけているとは…
感謝感激です。・゚・(ノД`)・゚・。
これからもお付き合いくださいませ!

>>59
ありがとうございます!楽しんでいただけているようでなによりです!
ロキはたぶん一番好かれやすい性格してるかもしれませんねw
今後もこんな感じでマイペースな人だとおもいます(笑)

Re: 【2‐7A更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.61 )
  • 日時: 2013/07/03 16:58
  • 名前: 「」 (ID: VFYy45xF)

>>57は予知夢かなんかかもな
冒頭の襲撃のトラウマによる悪夢とかであってほしいが

Re: 【2‐7A更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.62 )
  • 日時: 2013/07/03 17:08
  • 名前: 只 ◆9sSjKSOhi2 (ID: moQYRIby)

>>55
SAOは第二幕がチートだった希ガス
因みにモンハンノベル見てるが大抵不利→逆転のパターン
ネタバレだが蒼天の証アマツ編はとどめをさそうとしたアマツがどっかいったという強運
まあ設定的にはアマツは害は起こさないけどついてくる嵐が害起こしてるだけなんだが。

まだ全部見てないんだが追々見ます^p^
書籍化したら買いたい所だがなぁw


塚ロキ・・・うなされてるの分かっててよく眠れたかい?ってw

Re: 【2‐7A更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.63 )
  • 日時: 2013/07/04 17:47
  • 名前: しろ (ID: XYnQXnNU)


>>61
彼女の見た夢がトラウマによるものか、それとも予知夢なのか?
どちらにしても良くないことに変わりありませんね(´-∀-`;)
今後少しでも事態が改善されるのか…

>>62
主人公サイドが勝たないと盛り上がりにくいかもですねー
ですけども私の小説ではそのようなことは関係なし!w

ロキについてはこの台詞の方が彼らしさが出るかなあと思いましてー
彼の今後にも注目してください!

Re: 【2‐7A更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.64 )
  • 日時: 2013/07/05 18:04
  • 名前: しろ (ID: mdvoBE0A)



 己のテリトリーに侵入するものは殺す。
それが彼の信条ゆえに、彼は侵入者を排除した。
体を潰し、噛み砕き、血を飲み干す。彼にとって実に侵入者は弱かった。
そんな獲物も残り一匹――。


「ひぃぃい! 」
 
 男の足元に転がる無残な死体。
それは胴体を潰された者、首から上を噛み切られた者、泥の塊で窒息死した者の亡骸だった。

「あぁぁ!くそッたれ!来るならきやがれ! 」

 震える手で刀を握る男。
今までに感じたことのない恐怖が、男の心の奥底から沸き上がってくる。
男の眼前に化け物の姿はない。一体どこに消えたのか――。

「はぁー……はぁー……ちくしょう!どうして俺が……! 」

 いつもと変わらない仕事となるはずだった。
商人達の荷物の護衛を終え、今頃は酒場で仲間達と酒を酌み交わしているはずであった。
だが……現実は非情である。
信頼する仲間は無残に殺され、一人の商人と荷を運んでいた草食獣も同じ骸となり、生き残ったのは自分といつの間にか逃げていたもう一人の商人だけであった。

「くそッ、こいつが近道なんてしようとするから……こんな目に」

 男は足元に転がる顔のない商人の死体を蹴りながら悪態をつく。
この男がいる沼地からセズナの街までは約2時間、街道を往くよりも4時間以上早く着くことができた。
だが多くの者が沼地を越えず、わざわざ遠回りである街道を往く。それは何故か――。

「くそぉおぉ!どこだッ、姿を見せやがれ!この化け物がッ! 」

 男の周囲に広がるどす黒い色をした沼地――ここに住まう化け物がその原因であった。
その化け物の被害が後を絶たないゆえに皆が皆、遠回りの街道を往くのだ。
それを商人も、この傭兵達も知っていた。
だが、急ぐ商談があるとの事で、倍の金額を出すことを条件として彼らはこの沼地を訪れてしまった。

「はぁー……はぁー……ちくしょう、ちくしょう! 」

 男の背後で、沼の池がボコッと音をたてて息をする。
男はそれに気がついていない。徐々にそれは男へと近づいてゆく。

「くそッ……まだ死にたくない……死にたく……」

 男は己の背後に何者かの気配を感じた。
ゆっくりと顔を後ろへ向ける――そこには先ほどまではなかった、岩の様な突起物があった。
男はそれを見た瞬間、顔を恐怖へと歪め、握りしめていた刀をそれに目がけて振り下ろす。

 男の耳に響き渡る鈍い金属音と、頬を掠り宙へと舞った刀の刃。
男の刀は半分に折れていた。

「うわぁあぁああぁッ!? 」

 男は刀を捨てて逃げ出そうとした。だがもう遅い。
突起物は勢いよく沼の中から飛び出すと、逃げ出そうとしていた男の背へと向けて突き出された。
それが直撃し、たまらず前方へと吹き飛ばされる男。

「あぁぁ……!? 」

 激痛に顔を歪めながらも、男は必死に立ち上がろうとした。
だが男の体は、男の背後から伸びる陰に全身が覆われる。既に彼の後ろにはこの沼の主の姿があった――。


 最後の侵入者を踏みつぶした彼は満足した。
もう己のテリトリーを荒らす者はいない、誰も己の安眠を脅かすものはいない。
安眠……そうだ、少し体を動かしたせいか、酷く疲れた。
少し眠りにつこう、少しだけ。

 そうして沼の主は再び沼池の中へと身を潜め、己の寝床へと向かう。
沼の主が去ったその場には、無残な死体が残されるばかりであった――。



「おい、聞いたか? 」
「何を? お前がカードでぼろ負けした話か? 」
「ちげぇよ、馬鹿。……またあの沼地で死人がでたらしい」
「あーまたか。最近多いなぁ、あの沼地」

 セズナギルド支部――狐目の受付嬢の前で、二人の傭兵が話をしていた。
一人は腰に刀剣を佩き、もう一人は肩に弓を担いでいる。
男達の会話の内容はセズナの街から数十キロ離れたところにある広大な沼地群での話らしい。
その沼地に入った行商団の一員の生き残りが命からがらセズナの街の門まで逃げてきたところからこの話は広まっていた。

「けどまだ死んだかなんてわかってないんだろ? 」
「いやーもう死んでるだろ、三日以上街に戻ってないらしいしな」

 狐目が準備した金が入った袋を受け取りながら、弓の男は肩をすくませる。

「さすがにこれ以上ギルドも野放しにできないんじゃないか」
「そうだな……今回で3件目だし、動くかもな」
「募集されたら……行くか? 」
 
 刀剣を佩いた男は笑いながら首を横に振った。

「いくら金積まれても行く気にならんね」
「そうだな、命なくしちゃ……これの意味ないからな」

 弓の男は金のはいった袋を揺らしてみせる。

「……」

 狐目は刀剣を佩いた男に受け取りの証明書に記入してもらうと、ぺこりと頭を下げた。
男達はそんな彼女にわき目も振らず、受け取った金で何をするかを相談しながら外へと出て行った。

「……」

 一人取り残された彼女は、机から一枚の紙を取り出し、依頼掲示板と書かれている板の前に歩いてゆく。
板に取り出した紙に掲示し、彼女はゆっくりと受付の席へと戻った。
彼女が張り出した紙には、一匹の化け物の絵と大きな文字でその化け物の種別が書かれていた。『獣竜種』と――。

Re: 【2‐8更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.65 )
  • 日時: 2013/07/05 18:16
  • 名前: ちょむすけさん  ◆39JCODjUas (ID: fJ.JAqp7)

>>64
ままままままさかボルv・・・。
ガクガクブルブル(((((´д`;)))))

アイツ・・・怖ww

Re: 【2‐8更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.66 )
  • 日時: 2013/07/05 21:09
  • 名前: 名無し (ID: jNkJq1Ro)

{速報}とうとう愛読者が500人を突破{速報}

Re: 【2‐8更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.67 )
  • 日時: 2013/07/06 12:15
  • 名前: それだけの話 (ID: Q9YCNKEj)

>>64
ただのボルボロスだとしたら、ちょっと強すぎる気がしますね(笑)
いや、護衛についていたハンター達だって、それなりに経験を積んでるはずじゃないですか。
それがなすすべもなく、となると、G級とか特異個体なんでしょうか?

あ、もしかすると……。
ボルボロスだと見せかけて、ブラキディオスだったとか……?
ありませんね、はい(笑)

Re: 【2‐8更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.68 )
  • 日時: 2013/07/06 12:28
  • 名前: ちょむすけさん  ◆39JCODjUas (ID: yE8ELPTj)

>>67

護衛ハンターの装備はまさかの
アロイ一式とかww

Re: 【2‐8更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.69 )
  • 日時: 2013/07/06 13:55
  • 名前: 「」 (ID: jZXkzwYx)

>>64
ボルボロスってこんなに凶暴かね
獣竜種でここまで凶暴なのはイビルジョーくらいしか思いつかんが

Re: 【2‐8更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.70 )
  • 日時: 2013/07/06 14:08
  • 名前: アクロバッテック爺さん (ID: Ti6.QSGf)

>>69大型モンスターは皆狂暴だろ

Re: 【2‐8更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.71 )
  • 日時: 2013/07/06 16:44
  • 名前: 双剣 ◆HUQd0j4o36 (ID: /IhWXpO4)

・・・面白い!
はじめまして 双剣といいます。
これからよろしくお願いします!
しろさんは凄い!
&皆さんはもし自分の話が書けたら書きますか?
もし書けたら私が管理する小説スレをたてるのできてください。

Re: 【2‐8更新】書き物的なもの【0‐2修正】 ( No.72 )
  • 日時: 2013/07/06 19:05
  • 名前: しろ (ID: wajcZ6V7)

>>65
トライ登場時は挫折されるほどの強さだったという事で
いい感じに怖くなってますでしょうか?w

>>66
コツコツと更新してきたかいがありました!
やはり見ていただけるとやる気上がりますゆえ(笑)

>>67->>70
強さに関してだいぶ論議されているみたいで嬉しいですw
私の物語では、あくまでゲーム上の設定を拝借しているだけで
ゲーム本体の強さの設定に忠実な訳ではないのです(;´・ω・)

なので人それぞれの捉え方によって
この敵は0分針で倒せたし、こんな強くないだろという方もいますし
私はこの的に2死、なんとか時間ぎりぎりで討伐!という方もいると思います。

なのでゲーム上での強さは本来物語に関係する事はないと思います。
ちなみに縄張りに対する考え方はムービーを参考にしています(笑)

ちなみに傭兵はハンターとは違い、正式な対化け物戦用の訓練は受けていなおらず、能力、装備している武具もだいぶ劣っているとお考えください。

最後にこれからの進展についてのお話ですが…

私の物語では主人公サイドの圧倒的勝利や
起死回生の逆転勝利などの展開は少ないですw
余裕で死人でまくりのダークストーリーです!
苦手な方はこれから先辛いかもですね(笑)

>>71
はじめましてー応援ありがとうございます!
小説スレを建てられるのですね!
管理も大変でしょうが、頑張ってください('∀'*)
私も完結目指して頑張ります!

Re: 【2‐8更新】書き物的なもの【コメ返あり】 ( No.73 )
  • 日時: 2013/07/06 19:10
  • 名前: ちょむすけさん  ◆39JCODjUas (ID: yE8ELPTj)

>>72
ええがなええがな!!
ダークストーリー好きやでぇー!!

ボルボロス初見は倒すことも無理だったww

>>71
書きたいです!でもしろさんみたいに
凄くはありませんがww

Re: 【2‐8更新】書き物的なもの【コメ返あり】 ( No.74 )
  • 日時: 2013/07/07 16:14
  • 名前: 名無し ◆oa6k//3vOQ (ID: zfrYaQ16)

5話ぐらい一気読みしたら眼がぁぁぁ

>>72
今更なんですけど>>46の「皆が皆各々の〜」の部分で
「皆が皆」と二回言ってるんじゃ•••

文系は苦手なんで正しかったらスルーしてもらって結構です

>>71
創作意欲湧いてきた
「はぁっ…うぅっ、糞がッ…」
砂漠の暑さに朦朧としながら男は悪態をつく
だが男は足を止めない、否、止められないのだ、その理由は−
「グゥオオォォォォォ!!」
凄まじい咆哮を唸りながら追ってくる一本角の竜「モノブロス」がいたから
「ぐっ!」突然足元が揺れだす、地震か、違う−奴が地中に潜ったんだ
俺は何でもない荷物運びだ、何故こんな事に−そう思い唇を噛み締める
だが疲労は限界に達していた、砂漠に足を取られ、膝から倒れる
しまった!そう思った刹那、男の体は宙に舞っていた
あぁ、俺はまだ死にたくなかった−悲鳴と共に生暖かい血が飛び散る
…ただし、男のではなく、いままで追っていた竜、ディアブロスの物だった
「破ァ!」Tさんの声と同時に

うん、勿論飽きた

Re: 【2‐8更新】書き物的なもの【コメ返あり】 ( No.75 )
  • 日時: 2013/07/07 19:37
  • 名前: しろ (ID: .hhFuArg)


>>73
 ダーク系統の話となると苦手な方もいると思いますからね(;´・ω・)
好きな方には楽しんでいただけるかなと思います(笑)

>>74
 ご指摘ありがとうございます!確認したところ

【皆が皆】…連語、残らず全部。すべて。

という意味での使用が可能なので、この文で大丈夫なようです。
ご指摘いただけるとこちらも助かりますので、今後ともよろしくお願いしますw

5話一気読みは私も疲れると思います(笑)
Tさんネタは好きです('∀'*)


Re: 【2‐8更新】書き物的なもの【コメA返あり】 ( No.76 )
  • 日時: 2013/07/07 19:44
  • 名前: ちょむすけさん  ◆39JCODjUas (ID: pwv520ry)

しろさんって本当に書くのが上手ですね♪

どうしたらそんなに読みやすくて面白いのが
できるのですか?

Re: 【2‐8更新】書き物的なもの【コメA返あり】 ( No.77 )
  • 日時: 2013/07/08 16:19
  • 名前: しろ (ID: IFsmZYSR)


 青く澄み渡る空、その空を見ている時だけが唯一自分の心が安らぐ時であった。
幼い頃から続けている習慣。大人になった今でもそれは続いている。
空という青いキャンバス――そう、彼は幼い頃から自分の未来の姿を空に描いてきた。
大金持ちで信望のある大行商人、街の政治を司る役人など彼は年相応の夢を空に描いてきたのだ。
だが、今の現実はそのどれでもない。まさにそれとは正反対の道に今は進んでいる。
あの化け物に襲われてからというもの、彼の運命は変わった。
安寧の子供の頃の夢から、あの化け物を自身の手で葬るという死線の夢へと――。



「またここですか、隊長」

 女の声。セーヤは視線を空から落とし、後ろへと向ける。
そこには登ってきた梯子から屋根の上へとひょっこりと顔を出しているセナの顔があった。
セナは屋根の上へと登り、セーヤが腰かけている後ろへと立つ。

「……なんだ」
「なんだとはないでしょ、なんだとは」

 白銀の空の屋根の上――セーヤの姿が建物内にない時は、必ずここにいるという程、彼はこの場所を好いていた。
いつもは豪快な彼が、この場所にいるときだけは別人かと思う程に心穏やかになる。
そのため団員達は彼がここにいるときに何か仕事でミスを犯したときは謝りにくる程だ。

「次の仕事どうするんです?他の団員達は仕事に出てるけど……」
「そうだなぁ……熊の金もこの前の飲みで大半消えたからなぁ」

 この前の飲みとは、レイの祝賀会の事である。
高額なワイン酒とその肴として購入した食事により2000z程を消費し、残った1000zをレイを除いたセーヤ、セナ、トールの3人で折半したのだ。
そのため、今後の食い扶持を稼ぐためには仕事――狩り、もしくは警護をしなくてはならない。
基本的に傭兵団は常に何人かのグループで活動をしており、他の団員達は彼らと同じく狩りや行商人の警護などをして生計を立てている。
本来は傭兵団の長がギルドから仕事を斡旋し、団員の力量に合わせた仕事を回し、その成功報酬の何割かを団長へと収めるのが基本であるが……。
白銀の空ではそうではない。
傭兵団として存在こそはしているものの、仕事の依頼は基本的にギルドより依頼されることなく、ギルド支部にある依頼板より団員達は仕事を請け負う。
そのため、本来は斡旋料として月ごとにギルドに傭兵団からいくらか収める事となっているのだが、この傭兵団にはそれがない。
その利点として、成功報酬は純粋に自分達のものになるうえ、長であるセーヤにも金を渡す必要がない。
純粋に利益だけを求める者達がこの白銀の空へと所属しているのだ。
だが利点があるからには、その反対もある。それは仕事が限定されるということ。
個人の依頼を引き受けるにはそこらの酒場にでもいけばいくらでも安い仕事はあるが、ギルドの依頼については少々違う。
依頼板に回る仕事はギルドが各々の傭兵団に斡旋した仕事を断られた場合にのみ貼り出される。
つまり危険度が高いゆえに各々の傭兵団から断られた仕事であり、その分報酬が高いのがギルドの依頼なのだ。

「この前の飲みは仕方ないでしょ。隊長の我がままであの村を助けたんだから」
「あぁ、そうだな……あいつらもあれで納得して良かったよ」
「まあ皆が皆本当に納得した訳じゃないですけどね、現に3人死んじゃってるし。あ、それと2人行方不明か」
「……」
「けど日頃滅多に飲めない高級なお酒と食べ物出されたら怒るに怒れないんですよ、みんな」

 セナが笑いながら懐から一枚の紙を取り出し、セーヤに手渡した。

「……あん? 」
「それ、ギルドの依頼所から引っぺがしてきたヤツです」
「『獣竜種』……あの沼か? 」

 セナは頷く。

「またあの沼で行方不明者が出たみたいで……さすがにギルドもこれ以上野放しにできないと踏んだみたいです」
「そりゃぁそうだわな、それでこれが貼られたって事は……」
「どの傭兵団も請け負わなかったみたいですね」

 獣竜種と書かれた文字の下には1万zの数字が書かれていた。
彼らが討伐した熊の3倍以上の破格の賞金である。

「今もまだ請け負うギルドは見つかってないみたいですけど……どうします? 」
「どうするもこうするもないだろ、やるぞ」

 セーヤはニッと口元を緩ませ、紙を懐へとしまった。

「それにこれだけの大事なら、俺達はハンター様の補佐役だろうよ」
「そうですね、その紙に書かれていましたけど、数人のハンターの補佐役としての依頼みたいです」
「そうだろ?ならやりようはいくらでもある」

 セーヤは大きく伸びをしながら、立ち上がる。
そこにはもう穏やかな彼の顔はなかった。

「俺は今から支部に行って、こいつを請け負ってくる」
「了解です、隊長」

 セーヤが梯子を下りてゆくのを見送った後、セナは屋根の上に座り込み、そこから見える景色を眺める。
ここからの眺めは商業区までも見渡せる。それほどの高所に狩猟地区は存在しているのだ。
商業都市で小さくうごめく人の群れを目を細めながら見つめるセナ。その顔にはどこか暗い影がさす。

「……」

 もしあの時、あの様な事が起きなければ今では自分もあの平和な商業地区の様な場所に住んでいたのではないか――。
彼女は頭の隅に沸き上がるその思いに苦笑いをしながら、ゆっくりと立ち上がる。

「……過去には戻れない。もう二度と」

 そう呟き、彼女はその場を後にするのだった――。

Re: 【3‐1更新】書き物的なもの【コメA返あり】 ( No.78 )
  • 日時: 2013/07/08 18:47
  • 名前: ランランル〜〜〜♪ (ID: cHAtVHou)

セーヤの態度のかわり方、個人的に好きだなぁw

続きが楽しみ(*^^)ワクワク

Re: 【3‐1更新】書き物的なもの【コメA返あり】 ( No.79 )
  • 日時: 2013/07/09 11:01
  • 名前: しろ (ID: fAJ3Pr9y)


>>76
褒めていただけるとは恐縮です(;^ω^)
とりあえず今まで結構小説とかは読んできたので
それが大きいのかも…最近はまったく読んでないけどw

>>78
意外な2面性ってやつですかねー
セーヤは粗暴ながらも、実は誰よりも仲間想いの一面とかもあるかも…
今後も彼の変化をお楽しみに('∀'*)

Re: 【3‐1更新】書き物的なもの【コメB返あり】 ( No.80 )
  • 日時: 2013/07/10 21:42
  • 名前: しろ (ID: oKBzY9wW)


「おっちゃん!これいくらぁ!? 」
「あぁ!? そりゃぁ5zだぞッ! 」

 商業区は多くの行商人達とその客で賑わっていた。
様々な食材や日用品、果ては武具防具まで揃えている店も露天商として商売をしている。
人々が売買を行う中、団の食料の買い出しに出されたレイも客の中の一人としてその場にいた。

「このパン一斤でぇ!? 」
「あぁあっ!? 当たり前だろぉ! こっちも商売なんだよ、商売ッ! 」

 売買を行う人々の声が飛び交うこの商業区では怒鳴るように言わないと、とてもじゃないが声が相手に届かない。
それほど人の数も多く、値切り合戦も多いという事だ。

「このパン一斤のやつ3つ買うからぁ! 12zぐらいにまけてくんないッ!? 」
「あぁ!?馬鹿言ってんじゃねぇぞ、クソガキッ!嫌なら買うなッ! 」

 さすがに簡単に値引きに応じるほど甘くはないらしい。
それでもレイは諦めずに、食料を取り扱う商人に交渉する。

「じゃあ13zッ! 13zならどうよッ! 」
「あぁんッ!? 15zは15zで変わんないだよ、計算もできねぇのかッ!? 」

 諦めずに交渉するレイとそれに反論する露天商。
熱い日差しが商業地区を包み込む中、二人の討論も白熱してゆく。

「あぁーじゃあ14zッ! こんぐらいならいいだろッ!? 」
「うっとおしい餓鬼だなッ! そろそろ消えねぇと痛い目みるぞッ!? 」

 さすがに露天商の顔が赤く紅潮してきていたため、レイは諦めた。

「分かったよッ! じゃあ15zでいいからッ! 」
「最初から素直に払えばいいんだよッ、クソガキッ! 」

 レイは軽く舌打ちをし、不本意ながらも露天商に15zと背負っていた籠を手渡した。
露天商はそれを受け取ると、パン一斤を3つ籠の中へと放り投げ、レイへと手渡す。

「まいどありッ! 」
「……糞親父」

 レイはそうボソッと呟くと、次の食材を買うために他の露天へと移動しようと身を翻した際、後ろにいた男にぶつかった。

「うわッ!? 」
「おっと」

 男は後ろへと倒れそうになったレイの腕を瞬間的に引っ張り、前へと引きもどす。
体勢を崩しつつも、なんとか転ばないで済んだレイは男に頭を下げる。

「ごめんなさい。気がつかなくて……」
「あぁ、いいよ。気にしないで」

 男は頬笑みながらレイの肩を叩く。
女性の様な中性的な顔立ちに、レイは相手が男ながらも美しいと感じてしまった。
男がレイの横を通り過ぎようと、彼の横に足を踏み出した時、レイは男のベルトにぶらさがった人形に目が惹かれた。

「あっ」
「うんっ? 」

 赤いドレスを身にまとった、ブロンド髪の長い髪をした女の子の人形。
ニッコリとした笑みを浮かべているその人形に、レイはどこかで見たような覚えがあったのだ。

「それ……」
「んっ? あぁ、これ? 知り合いの女の子が落としてたものでね、今からこれを返しに行こうと思ってたんだよ」

 男は微笑みながらその人形を優しく撫でる。

「女の子? 」
「そう、女の子。酷い怪我をしてしまってね、それで見舞いも兼ねて返しに行こうかなって」

 男はまぁ僕のせいだけどねと笑いながら頭をかく。
男の話を聞きながらもレイは必死にその人形をどこで見かけたのかを思い出していたが……どうしてもどこで見たのか思い出せない。
ジッと固まってしまったレイに、男は不思議そうに首をまげて尋ねる。

「どうかしたの? この人形が? 」
「あっ、いえなんでも」

 レイは慌てて首を横に振り、男から目を逸らした。
男はじゃあねとレイに向けて声をかけると、人混みの中へと姿を消してしまった。
一人その場に取り残されたレイは、それから一時の間考え込んでいたが、答えが出ることはなかった。

「思いすごし……かな」

 レイは頭の白い靄を振り払うと、買い出しのために外へと出されたのを思い出し、急いで次の露天へと駆けだすのだった――。

Re: 【3‐2更新】書き物的なもの【コメB返あり】 ( No.81 )
  • 日時: 2013/07/10 23:43
  • 名前: ちょむすけさん  ◆39JCODjUas (ID: q.DuTA6p)

>>80
男がどうしてもロキかと思ってしまう・・・。

Re: 【3‐2更新】書き物的なもの【コメB返あり】 ( No.82 )
  • 日時: 2013/07/11 20:50
  • 名前: 「」 (ID: QDrkJuGQ)

普段おとなしい感じのレイがキャラ崩壊してたな
大声で怒鳴ったり軽く舌打ちしたり
挙げ句の果てには糞親父って…
お前そんなキャラだったか?ってなった

Re: 【3‐2更新】書き物的なもの【コメB返あり】 ( No.83 )
  • 日時: 2013/07/11 21:02
  • 名前: しろ (ID: YTScTlPs)


>>81
それは次の話でお分かりになるかと思いますw
今回でも誰かは分かると思いますが…

>>82
普段共にしてる人物たちが濃いせいで、大人しめに思えてるかもですねw
レイの過去についての話や、彼の普段の生活(今までが非日常)をどのように過ごしているのかを今後書いてゆくつもりですのでそこまで話が進むと彼の性格が分かるかもー
今はまだ彼の性格は2割ほどしか出てないとお思いくださいませ(;^ω^)

Re: 【3‐2更新】書き物的なもの【コメC返あり】 ( No.84 )
  • 日時: 2013/07/13 18:20
  • 名前: しろ (ID: I2Ema2Sn)


あの鳥は何処まで飛んでゆくのだろう――ふとアンナの頭に疑問が浮かぶ。
彼女の入院している院内には小さな中庭があった。
そこはまだ6m程の小さな木が一本だけ植えられただけの質素な中庭。
中庭には天井はなく、ポッカリと空いた天井から空より来客が訪れるのだ。
木の枝に止まり、綺麗な歌声を発する来客を彼女はジッと立ちながら見つめていた。

「……」
「どうしたんだい?そんなところでたそがれて」

 アンナは声のする方へ顔を向けることなく、ただジッと木を眺めている。
そんな彼女に苦笑いで応じるロキ。その手には小さな花束が握られていた。

「はい、どうぞ」
「……何、これ」
「何って……プレゼントだよ、プレゼントッ! 」

 ロキが半ば強引にアンナへと花束を手渡す。
色とりどりの花で造られた花束。花の甘い匂いがアンナの鼻腔に漂う。

「いい匂い……」
「そうだろ?それは僕お手製の花束だからね、いい感じでしょ? 」

 ロキが子供っぽく笑う。それを見て微笑む自分。
この人といるとどうしてこうも心が穏やかになるのだろう。
どうしても今の自分では理解できない感情に嫌になる。

「傷の具合はどうだい? 」
「んー……だいぶ良くなったかな? まだ痛むけどね」

 アンナがこの診療所に運びこまれてから1週間、傷の治癒もだいぶ進んでいた。
体中の擦り傷も後は少々残っているもののほぼ完治し、一番重症であった右足も、医師特製の包帯のお陰で傷口がだいぶ塞がっている。
歩行はやや不安定なものの、十分に日常生活を送れるほどにアンナの体の傷は治癒していた。

「そうかぁ、良かった。僕も責任感じてるからね」
「……責任感じてるんだね、一応」

 アンナは小さくため息をつく。

「そうだよ、責任感じてなきゃ君をここに連れてきたりしないよ」
「はいはい、分かりました」

 枝に止まっていた鳥が空へと羽ばたいてゆく。
まるで太陽のように赤いその鳥は、小さな鳴き声を上げながらアンナの頭上を飛び去って行った。
後に残ったのはアンナの頭上にヒラヒラと舞い落ちてきたその鳥の羽根。
アンナは足元に落ちてきたその羽根を拾い、後ろにいるロキへと手渡す。

「ん、なんだい……それ? 」
「羽根、花のお礼に」

 アンナから受け取ったロキは優しく頬笑み、一言ありがとうと返答し、腰につけているベルトに刺した。
その言葉にどこか心が火照るのを感じながらも、アンナはそれを顔に出すことはなく、頷いた。

「あっ、それとあと一つ、君に渡したいものがある」
「えっ? 」
「これ……君のだよね? 」

 ロキが差し出した右手には小さな人形。赤いドレスを身にまとった、ブロンド髪の長い髪をした女の子。

「あっ……」
「君が僕の背中で眠ってた時に落ちてきたんだ。寝てる君を起こすのも可哀想だったから、僕が預かってたんだけど……」

 アンナの手に渡された小さな人形。ニッコリと笑ったその顔を見た途端、アンナの視界がぼやけてゆく。
それは涙であり、抑えきれない感情があふれ出た結果であった。

「えっ!? どうしたのッ!? 僕何かしたッ!? 」
「……ち、違うの。そ、それお母さんが作ってくれた……や、やつで……な、失くしたかと思って……て」

 その小さな人形は、アンナの母親が彼女がまだ幼い赤ん坊の頃に作ってくれたもの。
赤いドレスも、ニッコリとした顔も所々が破れかけてており、ボロボロであったが間違いなく彼女の人形だった。
ロキは慌ててアンナの背中を摩りながら、懐から一枚の布を取り出しアンナへと渡した。

「ごめんね、そんな事とは知らなかったから……早く返しにくればよかった」
「ううん……いいの。わざわざありがとう」

 母親がどんな思いをしながらこの人形を作ってくれたのか、どんな思いでこれを幼き頃の自分に託したのか。
それをいずれ自分にとっていい日が来たときに聞こうと思っていたのに――母がいる前で自分の子供にこの人形を渡してあげたかったのに。
したくてもできない、聞きたくても聞けない――その想いから溢れ出てくる涙であった。
そんなアンナをロキはそっと自分の方へと抱き寄せる。

「泣きたいときはうんと泣けばいい。それが君の生きる力に変わるから」
「……ありがとう」

 この人の暖かさに初めて触れられた。
いつまでもこの人の暖かさを傍で感じていたい。何故そう思うのかは分からないけど――。
その為にも私は今を生き抜く――。
 

Re: 【3‐3更新】書き物的なもの【コメC返あり】 ( No.85 )
  • 日時: 2013/07/16 21:51
  • 名前: ランランル〜〜〜♪ (ID: .cCt8hYg)

んー、、、話の流れ的にアンナとレイはさいかいするのかな?するならどんなかたちでで再会するのか楽しみだぁ〜

もしかしてアンナはロキのことが、、、(*/□\*)

Re: 【3‐3更新】書き物的なもの【コメC返あり】 ( No.86 )
  • 日時: 2013/07/17 03:33
  • 名前: ゴースト (ID: d5dZqUDu)

以前「敵同士で再会する気がする」と書いたが、意表を突いてすれ違うばかりで結局最後まで再会しない、とかどうだろうか。

読者「レイ、後ろ後ろ〜〜!!」

Re: 【3‐3更新】書き物的なもの【コメC返あり】 ( No.87 )
  • 日時: 2013/07/17 17:35
  • 名前: しろ (ID: JBEM13iC)


>>85->>86
コメありがとうございます!
アンナとレイはいずれ再開します、近いうちに
ただその時に二人の立場は違うかもしれませんが…

アンナにとってのロキの反応が今後どのように変化してゆくのか…
そこもお楽しみに('∀'*)

Re: 【3‐3更新】書き物的なもの【コメD返あり】 ( No.88 )
  • 日時: 2013/07/21 12:08
  • 名前: 只 ◆9sSjKSOhi2 (ID: ke4bDj/Y)

支援上げ
大変かと思いますが頑張ってくだされ。

Re: 【3‐3更新】書き物的なもの【コメD返あり】 ( No.89 )
  • 日時: 2013/07/25 21:36
  • 名前: しろ (ID: eAtfVeS3)


 セーヤが例のギルドの依頼を受託してから数日後。
まだ日も上がりきらない早朝に、白銀の空の扉を叩く者がいた。
その男は右肩にゆうに2m近くはあろうかという巨大な「ランス」を担ぎ、左肩にはそれに見合う程の大きさのある「盾」を担いでいる。
武器は重装であるが、身につけている防具はそれとは対照的に胸に付けている胸当てのみと軽装であった。

「……」

 男は無言で扉を叩く。あまりの力の強さに扉がギシギシと悲鳴を上げている。
それから間もなく、ドタドタと建物の中より扉に駆け寄ってくる足音。それに合わせて怒声も響く。

「……誰だぁッ!? こんな朝早くからッ!? 」

 男はその怒声に扉を叩く手を止め、一歩後ろへと下がった。

「申し訳ありません、このような早朝に。……ギルドよりあなた方を紹介された者なのですが……」
「あんッ? ちょっと待ちな」

 扉がゆっくりと開かれ、中からトールが顔を覗かせた。
そんなトールに男は一枚の紙を手渡し、これをセーヤへと渡してほしいと告げた。
その紙はまさしくあの獣竜種と化け物の絵が描かれた紙である。
セーヤはそれを受け取り、中身を確認すると、男をその場で待たし中へと消えていった。
それからすぐに引き返してきたトールに男は中へと誘われる。

「うちの隊長が中で話を聞くとよ、入れ」
「……ありがとうございます」
「あとすまんがその担いでる武器は俺が預からしてもらう。悪いが、これもうちの規則なんでな」
「あぁ、構いませんよ」

 男は肩から下ろしたランスと盾をトールへと預け、トールは外で待機し、男は中へと足を進める。
男が中へと入ると、すぐ目の前には不敵な笑みを浮かべたセーヤが腕を組みながら男を待ち構えていた。

「……おぉ、あなたがここの隊長様ですか? 」
「あぁ、そうだ。俺がここの一応頭首のセーヤ・ロハンドだ。あんたは? 」
「私はナイゼ・シルバーナ。セズナのハンターの一人としてギルドより派遣された者の一人です」

 「ハンター」、ギルドよりその地域専属の対化け物用の人材として派遣される者達。
幼い頃よりハンターギルド内に存在する訓練所で様々な武具の取り扱いについての訓練、対化け物用の道具の取り扱いを学び、戦闘訓練を行ってきて者達である。
並大抵の者ではなることのできない特別な存在であり、使い捨て同然の傭兵達とは立場が違うのだ。
そんなハンターの顔をまじまじと見つめるセーヤに、ナイゼと名乗った男は言った。――「獣竜種」の討伐を開始すると。

「……また急な話だな。ギルドから事前になんらかの連絡がくるかと思ったが」

 ナイゼはため息をつきながら、懐から討伐依頼とは別の紙を取り出し、セーヤへと渡す。
その紙には、女の子の似顔絵と、セズナ周辺の地図が記載され、その地図の下には大きく「誘拐」との文字が書かれていた。

「……なんだ、こりゃ? 」
「その子はこのセズナで一番の行商人である男の娘です。その娘が身代金目当てで誘拐されたのです」
「身代金目当てで……誘拐か、穏やかじゃねぇな」
「えぇ……そしてなんとか依頼を受けた傭兵達がその誘拐犯達のアジトを殲滅したのはいいのですが……一人だけ取り逃しました、その娘を連れて」
「ははぁん……さては逃げた場所がその例の沼地……ね」

 ナイゼは頷き、深いため息をつく。

「そのため、ギルドにその商人の男が多額の金を提供する代わりに早急に探索隊を出してほしいとの事で、こうして私がここに来ました」
「なるほどね、了解した。すぐに出発するのか? 」

 頷くナイゼにセーヤは苦笑いで返す。

「そちらの戦力は? こちらはすぐに動けるのは俺を含めて3人しかいないが……」
「こちらも私を含めて3人です。そうなると6人……戦力的には大丈夫でしょう」
「相手が噂に聞くほど凶暴じゃなければね」

 笑うセーヤとナイゼ。
この男達の合間に何故それほどの余裕があるのかと、柱の陰から二人の様子を覗いていたトールは怪訝に思うのだった――。


---------------------------------------

>>88
支援ありがとうございます('∀'*)
なかなか暑さのせいでモチベが上がらず、遅くなりました(;´・ω・)
遅筆ながらも、頑張っていきます!



Re: 【3‐4更新】書き物的なもの【コメD返あり】 ( No.90 )
  • 日時: 2013/07/25 19:40
  • 名前: KYハンター (ID: 0j/8t5wE)

初コメです。
凄く完成度高いですね。ビックリしました。
更新頑張ってください。
短文失礼しました。

Re: 【3‐4更新】書き物的なもの【コメD返あり】 ( No.91 )
  • 日時: 2013/07/29 22:23
  • 名前: ダックスフンド ◆S8Pf1exELk (ID: wdtYRNW9)

♪ チャッチャッチャッ ♪
       ∧_∧      ∧_∧     ∧_∧
       (・∀・ )     .(・∀・ )    (.・∀・ )
   ((( ;;"~;;;"~゛;;)  ((( ;;"~;;;"~゛;;)  ((( ;;"~;;;"~゛;;)
    . ミ;,,_,ミ;,,_,,;ミ      ミ;,,_,ミ;,,_,,;ミ      ミ;,,_,ミ;,,_,,;ミ

            ♪ チャッチャッチャッ  ♪
       ∧_∧      ∧_∧     ∧_∧
      ( ・∀・)     (. ・∀・)    ( ・∀・.)
     (;;"~゛;;;~゛;; )))  (;;"~゛;;;~゛;; )))  (;;"~゛;;;~゛;; )))
     . ミ;,,_,,;ミ,_,,;ミ    .ミ;,,_,,;ミ,_,,;ミ    .ミ;,,_,,;ミ,_,,;ミ

              ♪  うーっ  ♪
       ∧_∧       ∧_∧       ∧_∧
      (. ・∀・ )      (. ・∀・ )      (. ・∀・ )
      ;;"~゛;;;"~゛;;      ;;"~゛;;;"~゛;;     ;;"~゛;;;"~゛;;
      ミ;,,_,,;ミ,,,_,,;ミ     ミ;,,_,,;ミ,,,_,,;ミ     ミ;,,_,,;ミ,,,_,,;ミ


              ♪  ガンバレ  ♪
  ;;"~'゙;; .∧_∧ ;;"~'゙;; ;;"~'゙;;. ∧_∧ ;;"~'゙;;;;"'~'゙;;. ∧_∧ ;;"~'゙;;
  ミ,,,_,,,ミ( ・∀・ )ミ,,,_,,,ミミ,,,_,,,ミ( ・∀・ )ミ,,,_,,,ミミ,,,_,,,ミ( ・∀・ )ミ,,,_,,,ミ
     \    /      \    /      \    /
      |⌒I、│        |⌒I、│       |⌒I、│
     (_) ノ          (_) ノ       (_) ノ
        ∪           ∪              ∪



フレーフレー!!しーろーさん!
  ヽ\                   //
   ∧_∧  ∧_∧  ∧_∧ ∧_∧
  (__・∀・) (__・∀・) (__・∀・)( ・∀・)
  (  :  ) (   : ) (   : )(  :  )
   |_人__|   |_人__|  |__人_| |_人__|
  (__)_) (__)_) (__)_)(__)_)
           ∩∧_∧ ∩
         〃 (`___) ヾ
         ((⊂[_~     ]つ))
               |____|
             (__)_)

読んでます。暑さに負けずに頑張ってください

Re: 【3‐4更新】書き物的なもの【コメD返あり】 ( No.92 )
  • 日時: 2013/08/03 09:29
  • 名前: しろ (ID: BF9thtsX)


>>90
はじめまして!
褒めて頂け嬉しいかぎりです!
HYハンターsも執筆お互いに頑張りましょう!

>>91
可愛いw
遅筆で本当に申し訳ないです…(汗
明日には更新できればと思いますー

Re: 【3‐4更新】書き物的なもの【コメ@返あり】 ( No.93 )
  • 日時: 2013/08/09 20:03
  • 名前: KYハンター (ID: fjOe93ti)

支援上げします。
遅筆でも構いませんよーその分ゆっくり読み返す時間がありますし。
それに1話1話丁寧に仕上げている証拠だと思いますよ(それでも速い人もいますが)
それにある料理人はこう言っています。
人は人、自分は自分、それぞれのペースを大事にすればいいんですよbyクッキングパパ

Re: 【3‐4更新】書き物的なもの【コメ@返あり】 ( No.94 )
  • 日時: 2013/08/09 20:08
  • 名前: 普通の人 (ID: GaewCPeb)

>>93
「その分【ゆっくり】読み返す」
「1話1話丁寧に仕上げている」
「ある料理人」



まさか・・・

Re: 【3‐4更新】書き物的なもの【コメ@返あり】 ( No.95 )
  • 日時: 2013/08/10 21:03
  • 名前: しろ (ID: YTScTlPs)



「くそ……どうしてこんなことに……ッ! 」

 男の鋭い目つきが自分に向けられている事に少女は恐怖した。
いつ殺されてもおかしくない状況で、男がいつ自分に手を出すのかという恐怖――。
まだ幼い少女の心は今にも壊れそうな程に疲労しきっていた。

「お前の糞親父が要求通りに金だけを渡せば良かったのになぁ……そしたら今頃お互いに天国だったろうに」

 男が手に持ったナイフで少女の頬を軽く叩きながら、にんまりと笑う。

「……」
「仲間は全員殺されて、残ったのは俺だけ……あーぁ」


 両手は縄で縛られ、口元には猿轡、足のみが動かせるように少女は制限されていた。
常に男の目線の元に置かれているゆえ、逃げ出すこともままならない絶望――それにここがどこだかも分からない。
裕福な家庭の元で生まれ育った少女には、今自分がいる自分の背丈より高い草に覆われ、ぬかるんだ水の腐敗した臭いが漂うこの場所がまるで夢のようだった。
悪夢という名の夢だと――。


 彼は深い眠りから目を覚ましていた。
新たな侵入者が自身の安眠の地へと踏み込んできたからだ。
それは何度も殺した事のある生物、一匹は大きく、もう一匹は小さい。
ゆっくりと泥の中から視認できたのでそれに間違いはない。
彼はゆっくりと新たな侵入者との距離を縮めてゆく。
姿を現さないのは臆病だからではない、確実に獲物を仕留めるため。
ゆっくり、ゆっくり――獲物の捕らえられる範囲へと近づいてゆく――。


 少女はこちらを見ている男の背後に目を向けた。何かが動いたような気がしたからだ。
何が動いたのかは理解できない、だが確かに何かが動いたような気配がした。

「おい、どこに目を向けてんだ? 」

 男がにやにやとした笑みを浮かべながら少女の顔を覗きこんでくる。
その不快な目に少女はふと目を逸らした。
男はそんな彼女の反応を楽しむかのように鼻で笑うと、再び手にしていたナイフを少女の顔先へと近づける。

「おい、お前の命は俺の気分次第でどうにでもなるんだ。あんまり俺の気分を害する様な態度をするな」

 ナイフの切っ先が日の光で鈍く光る。
少女は恐怖に顔を蒼白にさせ、ただ水飲み鳥のように首を動かすしかなかった。
そんな彼女の様子を男は満足そうに眺め、ナイフを己の腰に付けている鞘へと収めた。

「さてさて……お前を取引にもう使うわけにもいかねえし、やっぱりどこかの親父にでも売り飛ばすのが正解か? 」

 男の顔に卑しい笑みが浮かぶ。

「まぁまずはここを抜けるのが先か……ここにはとんでもない化けもんがいるらしいしな」

 男は地面に座り込んでいる少女に「立て」と声をかける。
少女はただ男の指示をただ黙って受け入れるしかなかった。
彼女がゆっくりと腰をあげようとした時、彼女のメガふと男の後ろにあった岩に目を奪われた。

(……動いた? )

 男の背後に広がる沼にひっそりと突き出ている岩が少し動いた気がしたのだ。
不審がる彼女の様子に男も気がつく。

「……どうした? 」

 また動いた。今度ははっきりと動いたのを彼女は見た。
徐々にこちらに向けて動いてきている。ゆっくりと。
男は彼女の目線に気がつき、後ろを振り返った――その時、男の背後に広がる沼の水が爆音を上げて宙へと舞った。

「な……!? 」

 薄汚れた水と共に飛び出してきたのはこの沼地の主。
その巨体はまたたくまに男の体を押しつぶし、少女の真横へと勢い良く転げでた。
突然の事に呆気にとられる少女であったが、男のいた場所に広がる肉塊と血だまりに彼女は現実へと引き戻された。

――化け物ッ!?

 ゴロゴロと地面に転がり続けている化け物を尻目に、彼女はパッと弾かれたように動き出す。
体は恐怖で動かないかとも思われたが、そんな場合ではない。
無理にでも動かない体を動かさなければ死んでしまう状況――それが幼い彼女の体を無意識のうちに動かしたのだ。
駆け出したと同時に、なんとか動く両手で地面に転がるナイフを掴み、一気に駆け出す。
幸いに化け物はまだ動き出す気配がない、地面の上――いや沼の泥を体につけているのに夢中のようだ。
だが数m程離れたところで化け物の目線は少女を捉える。

――逃がさない。

 動き出した化け物の巨体を尻目に、彼女は必死に駆ける。

――逃げないとッ……!

 こうして幼き少女と、泥に塗れた化け物の鬼ごっこが始まった――。


---------------------------------------

>>93
そう言ってくださると助かります(-_-;)
自分のペースで無理なく完結をできるように頑張りたい(笑)
クッキングパパはあの顎のイメージしかないw
言いこと言いますね、さすがパパ(#^.^#)

>>94
まさかの続きが気になる(笑)

Re: 【3‐5更新】書き物的なもの【コメA返あり】 ( No.96 )
  • 日時: 2013/08/10 21:14
  • 名前: ちょむすけさん  ◆39JCODjUas (ID: L.4Xtcva)

>>95
死んでもやりたくない鬼ごっこですねww

ボルボ怖すぎwwww

Re: 【3‐5更新】書き物的なもの【コメA返あり】 ( No.97 )
  • 日時: 2013/08/12 01:28
  • 名前: 普通の人 ◆QNVb9TuO3Q (ID: FrbD0cgG)

支援age
しろさん続きを楽しみにしています

ロレックスコピー ( No.98 )
  • 日時: 2013/08/12 14:36
  • 名前: ロレックスコピー (ID: WVY6yISK)

ロレックスコピ1節(つ)1號新しい電池と小さい電池をつないで、30時間後に2電池のニュースBi自然は平衡がとれていて、それから小さい電池をとって静かになって24時間置いた後にすぐ使うことができます。ロレックスコピ小さい電池は充電することに成功するかどうか、電池の内在する品質と関係がありますロレックスコピ。

Re: 【3‐5更新】書き物的なもの【コメA返あり】 ( No.99 )
  • 日時: 2013/08/12 15:23
  • 名前: 普通の人 ◆QNVb9TuO3Q (ID: FrbD0cgG)

>>98 支援ageありがとーございまーす

Re: 【3‐5更新】書き物的なもの【コメA返あり】 ( No.100 )
  • 日時: 2013/08/13 16:15
  • 名前: しろ (ID: qHIzvO13)


>>96
確かにこんな化け物と鬼ごっこは断固拒否w
だけども少女ちゃんには頑張ってもらいます(`・ω・´)

>>97>>99
ご支援ありでがとうございます!
ロレックスすごい(笑)

Re: 【3‐5更新】書き物的なもの【コメB返あり】 ( No.101 )
  • 日時: 2013/08/13 18:18
  • 名前: 紅魔  ◆epPn8q6vs6 (ID: hNR80WoL)

ボルボを倒せる奴は現れるのだろうか・・・ww

う〜、楽しみ!

Re: 【3‐5更新】書き物的なもの【コメB返あり】 ( No.102 )
  • 日時: 2013/08/14 04:01
  • 名前: ゴースト (ID: 02ihJDag)

>>101
え、普通に考えて最後は主人公達が倒すでしょ。

……はっ!
しまった、空気を読まずに面白みのないマジレスしてしまった!!

い、一体誰があんな強敵を倒せるんだろうな!
す、すごい戦いになりそうだ!

Re: 【3‐5更新】書き物的なもの【コメB返あり】 ( No.103 )
  • 日時: 2013/08/14 10:12
  • 名前: バキュラ ◆pwSTe1GvSo (ID: sN3.oGYp)

>>102
ゴーストの普通レスってあんまないよね。

Re: 【3‐5更新】書き物的なもの【コメB返あり】 ( No.104 )
  • 日時: 2013/08/14 14:19
  • 名前: 紅魔  ◆epPn8q6vs6 (ID: 2cRvjlu0)

>>102
あっ・・・。Z(°д°)

い、いや、ホント誰が倒すんだろうな!
アハハ・・・。

>>103
確かにww

Re: 【3‐5更新】書き物的なもの【コメB返あり】 ( No.105 )
  • 日時: 2013/08/14 14:52
  • 名前: しろ (ID: qu/DrH2x)


>>101>>102
そうですね、普通に考えたらまぁ主人公側の誰かが倒すでしょうw
しかし普通に勝たせることはしません(`・ω・´)
それなりの犠牲も戦いにはつきものですー

>>103
喜ばしい事なのかな?(笑)

Re: 【3‐5更新】書き物的なもの【コメC返あり】 ( No.106 )
  • 日時: 2013/08/15 10:17
  • 名前: 紅魔  ◆epPn8q6vs6 (ID: ch1iXOv.)

>>105
wktk
×2

楽しみや〜ww

Re: 【3‐5更新】書き物的なもの【コメC返あり】 ( No.107 )
  • 日時: 2013/08/17 21:00
  • 名前: しろ (ID: bYDysqEC)

「ちッ……臭ぇな」

 悪態をつくセーヤの横で頷くセナ。その後ろには無言で腕を組むトール。
彼らはセズナの街を離れ、例の沼地へと足を踏み入れていた。
水の腐敗する臭いだけでなく、何か肉が腐った様な臭いが入り交じり、彼らの気分を害するものだった。

「それにここは草木が伸び過ぎだ……いざ戦闘になった時、視界が遮られますな」
「そうですね、それにここは地盤が緩い。戦闘時に足を捕られる可能性も否定できませんね」

 トールの言葉に同意しつつ、冷静に戦場となりうる場所を読み取るナイゼ。
その顔には街を出立する前の余裕はなかった。
そんな彼らの言葉を遮るように、ナイゼの横に立つ女が口を開いた。

「大丈夫、私達なら勝てるよッ! 絶対ッ! 」

 そう言いながら笑みを浮かべる彼女の名はレジーナ・シルバーナ。ナイゼの妹である。
彼女も兄と同じようにハンターとして得物を振るう狩人、その肩には巨大な弩を担いでいた。
眼光が鋭く、どこか人を寄せ付けない風貌をしたナイゼとは違い、人形の様な大きな目とほのかに紅いふっくらとした唇は、どこかしら人形を連想させる容姿である。
だがその顔には至るところに傷が残っており、それは彼女の身に付けている装具から出ている肢体にも多く見える。
それほど激戦をくぐり抜けてきた猛者であるという証拠であろう、体は小さいが、弩を引く腕は男顔負けの太さであった。
ニコニコと微笑むジーナの頭をナイゼは優しく撫でながら微笑み返す。

「そうだな、私達なら大丈夫だろうが……いかなる時も油断はできないからな」
「そうだぜ、ジーナ。ナイゼの言うとおり、油断は禁物だぜ。今回の相手は凶暴らしいからな」

 そう語るのはケイト・レグ。ナイゼの友であり、彼は腰に2m近くはあろうかと思われる程の長刀を佩いていた。
彼は幼い頃からのナイゼの親友らしく、これまで彼と共にハンター稼業を続けてきた。
短髪のナイゼとは違い、肩を超えるほどの黒い長髪に太く繋がった眉毛が特徴的な男である。
顔もゴリラの様に厳つい顔立ちの彼は、背丈もトールと同じほどに高いため、一番三人の中で存在感を放つ存在であった。
そんな彼にジーナは「大丈夫、大丈夫ッ!」と声をかけ、自身の隣にいたセナに笑顔で「ねッ! 」と同意を求めてきた。

「え、ええ。大丈夫ですよ、私達なら」
「ほらねッ!セナちゃんもそう言ってるんだから大丈夫だよ、絶対ッ! 」

 苦笑いで応えるセナと、ニコニコと笑顔のレジーナ。
そんな緩い空気に、セーヤは呆れたように肩を竦めた。

「お前のその暢気さは俺様でも羨ましいかぎりだよ」
「隊長も普段は彼女と似たようなもんだろうが」

 すかさずセーヤの言葉に鋭いツッコミを入れてきたトールの光る頭を、セーヤは無言でどついた。
勢いよく前の沼地へと倒れ込むトール。頭から沼地へとダイブしていた。

「ちょっと!隊長ッ!? 」
「あっ、すまん。やりすぎた」

 その後、彼らが喧嘩になったのは言うまでもない――。



――侵入者を見失った。

 彼は小さな得物を見失っていた。
小さな獲物は草の合間を巧みにすり抜け、上手く彼の足を避け、姿を隠した。
元来、あまり視力も嗅覚も良くない彼にとって、小さな得物を探すことは困難な事であり、また疲労するものである。
ゆっくりと歩を進めつつ、周囲を見渡す……が、そうそう見つからない。
彼は小さな目を更に小さく細める。

――疲れた。

 体に泥を付着させる重みからか、彼は少々疲れていた。
この泥は己の身を守ってくれる物になり、敵を仕留める為の武器にもなるが……やや重みがある。
そのために彼ら一族は少々疲労しやすい。
その疲労を癒すために彼らはよく眠るのだが、その眠りを取るためには安全な場所でなくてはならない。
それゆえ彼らは異様に自身のテリトリーに侵入者が入ってきたのを拒むのだ。

彼はこれ以上己の疲労を増やすのは得策ではないと考えた。
こうしてあの獲物を探している間にも、また新たな侵入者が己の縄張りに入り込まないという保証はない。
彼はゆっくりと旋回すると、元の来た道へと歩を進め始めた。

――眠りにつこう。

 彼の頭にはもはやあの小さな獲物の姿はなく、己の睡眠欲しかなかった――。

---------------------------------------

>>106
お待たせしました(笑)
今ちょっとこれからどのような形式で話を続けていくか考えてます(-_-;)

@今までどおり、1話1話完全に仕上がってから上げるか。
Aとりあえず途中でも出来ている部分のみ徐々に上げて、
 最終的に@の完成系へと持っていくか。

よければ皆様のご意見をいただければ幸いですm(_ _)m
あとキャラの紹介表みたいなのもあったほうがいいかな?
需要ありそうなら作りたいけど(笑)




Re: 【3‐6更新】書き物的なもの【ご意見をいただければ】 ( No.108 )
  • 日時: 2013/08/16 21:11
  • 名前: ランランル〜〜〜♪ (ID: bFSfa1g1)

〉〉107

個人的に1話まとめての方が読みやすいとおもいますw
それとキャラの紹介表はそろそろあってもいいかなと、たくさん出てきて誰が誰か分かりづらい気がします

セーヤたちは喧嘩するたびに絆が深まっていく仲なんだろうなぁ、いいね!w

Re: 【3‐6更新】書き物的なもの【ご意見をいただければ】 ( No.109 )
  • 日時: 2013/08/16 23:20
  • 名前: 紅魔  ◆39JCODjUas (ID: QJaHKge2)

>>107
やっぱり素晴らしいですね!
お疲れ様です!

私も個人的に一話ずつが良いと思うのですが、
しろさんがやり易い方法で良いんじゃないですか?
完璧に書いてから載せるのは相当
お疲れになるでしょうし。

Re: 【3‐6更新】書き物的なもの【ご意見をいただければ】 ( No.110 )
  • 日時: 2013/08/17 15:59
  • 名前: それだけの話 (ID: hvuCn8Cu)

>>107
暑いなかお疲れさまです。

例によって細かい突っ込みをば……。

太刀は「履く」ではなく、「佩く」ですね。

因みに豆知識として、「佩く」だと刃を下向きにして携帯することで、「差す」だと刃を上向きにして携帯する事だそうです。
太刀の場合、戦国時代までは佩いていたようですが、江戸時代からは差していたそうです。

しかし、モンハン世界ですので日本における時代考証は関係ないと思いますが、どちらにせよ2メートルの長さだと腕の長さより長いので、腰に装備していたら抜けないと思うのですが……。
ゲームのように背中に担いで、抜くときには肩に乗せて鞘を落とす、とか?

Re: 【3‐6更新】書き物的なもの【ご意見をいただければ】 ( No.111 )
  • 日時: 2013/08/17 21:16
  • 名前: しろ (ID: bYDysqEC)


>>108
ご意見ありがとうございますm(_ _)m
そうですねー今後もキャラは増えるでしょうし
キャラ紹介作成する流れで考えようと思います。

セーヤ達一行は喧嘩が絆の元みたいなものですw


>>109
ご意見ありがとうございますm(_ _)m
お褒めいただけると嬉しい限りです(#^.^#)

そうですねーでは完成してから上げるようにします。
ランランルーsともご意見が同じようですしw
ではこれからもよろしくお付き合いください!


>>110
いつもご指摘ありがとうございます!
本当に助かります(^^ゞ

刀を抜く際の動作はもう大体ケイトというキャラについては決まってまして
一応腰に佩いている設定で続けるつもりです。
ちょっと独特な抜き方になると思いますw

では今後もよろしくお願い致しますm(_ _)m

Re: 【3‐6更新】書き物的なもの【※返@】 ( No.112 )
  • 日時: 2013/08/19 17:10
  • 名前: KYハンター ◆CgKhXBtWT2 (ID: P1ET2rqZ)

良い曲でも聴いて書く気力出して下さい(無理にとは言いませんが)
執筆頑張ってください
執筆なんですがword使うと良いのでは?(もうやってれば御免なさい)
保存すれば日を跨げますし・・・・・・
書き終わったらそれをコピペすれば完成するので楽ですよ

Re: 【3‐6更新】書き物的なもの【※返@】 ( No.113 )
  • 日時: 2013/08/19 21:01
  • 名前: しろ (ID: .2iOXHH/)


――どうしてこんな事に……。

 少女は震える手でなんとか手にしていたナイフを地面に突き立て、手首を固定していた縄を切る。
両手首はきつく縛られていたからか、縄の跡が赤く残っている。
痛む手首に少女の涙腺が脆くなるが、今はそれでころではない。
口に巻かれている猿轡を外し、とりあえず自由になれた事に少女はまずは安心した。

「どこに……行ったのかしら」

 あの巨大な化け物から身を隠す為に、必死に草木をくぐり抜け走ってきた。
なんとか逃げ切り、偶然に見つけた小さな天然の洞窟に身を潜めたが――死にもの狂いで走り抜けた結果、セズナの街への方角を完全に見失ってしまった。
この沼地にはあの化け物だけではなく、他の化け物もいるかもしれない。
早くこの沼地を脱出しなければ、自身の命がない事は明白であった。

「どうしよう……」

 ここでじっとしていても助けがくるかは分からず、いずれはあの化け物に見つかるかもしれない。
とはいえこの手持ちのナイフ一本でこの沼地を脱げ出すことができるとは思えない。
どちらにせよ、自身の命の危険が身に迫っているのは変わりはない。

「お父様……」

 もうお父様は私を助けるために搜索隊を結成してくれているだろうか?
その搜索隊が搜索している箇所はこの沼地なのか……それとも未だに他の場所を探しているのだろうか?
それとも……見つからずに探索を……?

 少女の頭に巡る考えはどれも絶望的状況のものでしかなかった。
自分の居場所を探索隊が把握しているかも分からないのに、ここで救助を待っても……意味はない。
そうなると必然的に答えは一つになる。

「ここを……抜け出さなくちゃ」

 あの化け物や他の化け物に見つからずに、沼地外へと抜け出る。
生存できる可能性は極めて低いが……少女は意を決した。
少女は「よし」と一息つくと、ナイフをギュッと握り締め、草木生い茂る沼地の中へと姿を消した――。



 その頃、白銀の空へと居残る事となったレイは厨房にいた。
レイの右手には包丁、左手にはセズナの街海域で捕れる魚類。
レイは手際良く、魚の頭を包丁で落とし、腹を裂き、内蔵を取り出し、丁寧に塩水で洗い流す。
そして身を三枚へとおろしてゆく――その手馴れた捌き方を見て、レイの隣にいた女性の老人が驚嘆の声をあげた。

「レイッ……あんた、手際いいよッ」

 この老人、普段は白銀の空にて食事を団員たちの食事を作っている白銀の空の一員である。
もう齢80をゆうに越しているだろうと噂であるが、その真意は定かではない。
その老人の顔にニンマリとした笑顔を返すレイ。実に得意げに鼻を摩る。

「料理とか小さい頃から母さんから教えてもらってたから」

 両親とも出稼ぎにでるレイの家では、よくレイが家の炊事をしていた。
それゆえに彼は魚の捌き方も、調理の仕方も良く理解しているのだ。
捌いた魚に適度に塩を塗し、火が煌々と燃えている釜戸の中へと耐熱皿に魚を添えて入れ込む。

「そうかい、あんたが料理得意なら来た当初から手伝わせればよかったね」
「ごめん、なかなか言い出す機会なくてさ」
「いいさね……まぁそれにしても急に料理がしたいって言い出した時はわたしゃぁ驚いたよ」

 老人はレイの肩を叩きながら笑う。

「いや……僕にできる事をしたいんだ、ちょっとでも役に立ちたいから」
「そうかい、それは感心なことだね」
「……あの人たちに僕の料理を食べてほしいしね」

 セーヤ、トール……そしてセナ。自分には彼らのようにまだ戦う力はない。
今も彼らは化け物との戦いに出向いている。自分と同じ頃の子供を救うために。
自分も戦いたい。一匹でも多くの化け物をこの手で殺したいけど……ついて行った所で足でまといになるのは目に見えている。
なら今は彼らを少しでもサポートして、今は自分の代わりに多くの化け物を殺してもらうんだ。

 腰に佩いている短剣にそっとレイは手を添え、目を瞑る。
その目には、今もなお鮮明に映るあの飛竜の姿が写っていた――。


---------------------------------------

>>112
応援ありがとうございます!
執筆には基本的にメモ帳で行なっております。
わたしにはちょっとwordは見づらくて(;´Д`)
アドバイス、ありがとうございますm(_ _)m


Re: 【3‐7更新】書き物的なもの【※返A】 ( No.114 )
  • 日時: 2013/08/21 09:20
  • 名前: KYハンター ◆CgKhXBtWT2 (ID: wQpbzEgL)

>>113
wordは見ずらいんですか・・・・・・
最近更新ペース速いですね
では又ですが良い曲持ってきました(オイッ
また良い曲持ってきますよ
短文失礼しました

Re: 【3‐7更新】書き物的なもの【※返A】 ( No.115 )
  • 日時: 2013/08/25 21:47
  • 名前: しろ (ID: RJ3fTJWY)


>>114
うーん…なんというか
シンプルゆえに見やすいのかな?(笑)

最近はちょくちょく暇ができるので
なんとか続きを書く事ができています(^^ゞ
それでも遅筆なんですが(;´Д`)

いつも曲、ありがとうございます♪

Re: 【3‐7更新】書き物的なもの【※返B】 ( No.116 )
  • 日時: 2013/09/05 20:19
  • 名前: しろ (ID: 06p9sCFB)

「ねぇねぇ、セナちゃんってさ……彼氏いるの? 」

 この娘は何を言っているんだろうか?

「いませんよ」
「へぇー意外ッ! 美人さんだからてっきりモテモテなのかと思ったッ! 」

 ジーナは大袈裟に驚く仕草をしながら、前を歩くセナの背中を叩く。
そんなジーナに兄のナイゼが呆れたように「静かにしろ」と声を潜めながらジーナを睨む。

「化け物がどこに潜んでいてもいい場所なんだぞ、少しは静かにしろ」
「はーい」

 ジーナはニヤニヤと薄ら笑いをしながら、セナにそっと小声で語りかけた。

「お兄ちゃんね……セナちゃんの事狙ってるよ」
「ぶっ……、そ、そんな」

 つい吹き出してしまったセナの様子を楽しげにからかう姿はまるで子供。
セナはもうジーナの声に耳を傾けないと心に誓った時、前を先導するトールが足をピタッとを止めた。

「んっ、どうしました? トールさん? 」
「待て……」

 トールはそっと前方を指さす。
トールの指さすその先には深く抉られた地面と、そこに無残に飛び散る血肉であった。
それはまさしく、少女と化け物が遭遇した場所である。

「……何? 」

 トールはゆっくりとその場所へ近寄り、そっとその血肉を指で触る。

「まだ生暖かい……それにこの布、服の切れ端か……」
「という事は……人間ですね」

 サッと六人は円陣を組み、周囲を警戒する。
この死体がこうなるきっかけとなった何かが近くに潜んでいる可能性があるからだ。
弓を構えながらセナは軽く舌打ちをする。伸びきった草木で視界が悪い。

「隊長、ここで襲撃されたらちょっと……」
「そうだな……ここじゃ目も効かねぇし、沼に囲まれてるから動きづらい」
「すぐに移動をしたほうがいいですね」

 ナイゼの提案に皆が頷き、陣形を組みつつゆっくりとその場を離脱してゆく。
とにかく自分たちの戦いやすい位置までの移動を最優先しなくてはならない。
戦士達の顔には、先程までの余裕の表情はなかった――。



 彼は疲れていた。
いくら住み慣れた沼地とはいえ、小さな獲物を追い回したのだ。
その巨体にはいくらかの疲労が溜まっていた。
ゆっくりと沼の中を潜伏しつつ、己の住処へと向かう彼。
だが……。

――?

 何かが動いた。
彼は沼の中から覗かせている小さな目を更に細める。
生い茂る草木、沼地に頭を覗かせている岩、途中から腐れ果て折れている木々――全てに意識を集中する。

――!

 あの生物の姿を彼は草木ごしに確認した。
しかし数を把握することはできない。
ゆっくり、ゆっくりとその獲物の姿が見えた付近へと近づいてゆく。

――。
――!

 数は6匹。この程度の数ならつい近頃に殺した。
彼は音をたてないように沼の中へと身を潜める。
眼前の獲物を狩る為に。そして己のテリトリーを守るために――。

Re: 【3‐8更新】書き物的なもの【※返B】 ( No.117 )
  • 日時: 2013/08/29 22:29
  • 名前: 、 (ID: I6qWVKoj)

ついにセーヤ一団vs超巨悪ドラゴンか
期待

Re: 【3‐8更新】書き物的なもの【※返B】 ( No.118 )
  • 日時: 2013/08/29 23:16
  • 名前: 紅魔  ◆39JCODjUas (ID: a3GvlIWs)

もう本として売ってもおかしくないんじゃないですか?ww本当に良いですねー。

Re: 【3‐8更新】書き物的なもの【※返B】 ( No.119 )
  • 日時: 2013/08/30 12:17
  • 名前: それだけの話 (ID: j5FlEY3C)

お疲れさまです。

少し気になったんですが。

>だが戦士達は知らない。この無残な遺体は化け物のテリトリーへと侵入したせいで殺されたということを。
そしてまた、自分たちも同じ状況下にいる事を彼らは誰一人、気がついていなかった――。

この部分なんですが。
事前に危険なモンスターがいるという情報は出ていますし、そもそもモンスター退治のためにここまで来ている訳ですから、状況から見て気づかないということはあり得ないような。
というか、もう戦闘体勢に入ってますよね?(笑)


恒例の(?)この先の斜め上予想。
ポイントはあの誘拐された女の子。そう、あの子が最後にボルボロスを仕留める!!
いかがでしょうか?(笑)

Re: 【3‐8更新】書き物的なもの【※返B】 ( No.120 )
  • 日時: 2013/08/30 12:27
  • 名前: 紅魔  ◆39JCODjUas (ID: 1Mypg.i0)

>>119
女の子強いなww
あ、トドメって意味?

Re: 【3‐8更新】書き物的なもの【※返B】 ( No.121 )
  • 日時: 2013/08/30 12:33
  • 名前: しろ (ID: lTvQqujp)


>>117
長らくお待たせしました!
そろそろ戦わなくてはグダグダになりそうですし(笑)

>>118
そこまでのレベルではまだまだ(;´Д`)
だけでもそこまで過大評価してくださるのは
本当に嬉しいです!

>>119
いつもありがとうございます!修正しました!
確かにちょっとおかしかったですね(笑)
読み返して自分も納得(-_-;)

おーすごい斜め予想の展開!
はたまたその通りになるのでしょうか?w

Re: 【3‐8更新】書き物的なもの【※返C】 ( No.122 )
  • 日時: 2013/08/31 23:01
  • 名前: ランランル〜〜〜♪ (ID: beowvEcf)

しろs

えっと、ひとつ修正を細かいことなのですが
>セナはもうジーナを声に耳を傾けないと心に誓った時、前を先導するトールが足をピタッとを止めた。

この部分、 セナはもうジーナの声に耳を傾けない ではないのかと、、、細かいことですが、気になったので報告をさせてもらいました。

ついに、戦いの時が来ましたか!逃げ延びた少女のその後も気になりますが、ボルボロスを倒せるのか、逆に倒されてしまう人が出てくるのか楽しみです!
長文失礼しました。

Re: 【3‐8更新】書き物的なもの【※返C】 ( No.123 )
  • 日時: 2013/09/05 20:22
  • 名前: しろ (ID: 06p9sCFB)


>>122 

ご指摘ありがとうございます!
遅れながらも修正致しましたm(_ _)m

ようやく戦いに踏み切れました(笑)
無事に皆が揃って勝利できるほど甘い敵なのか…?
そこはお楽しみに!

Re: 【3‐8更新】書き物的なもの【※返D】 ( No.124 )
  • 日時: 2013/09/06 21:25
  • 名前: しろ (ID: H5iPU0I/)



「……ッ!? 」
「ん、どうした? ケイト? 」
「いや……今何か動いたような気が……」

 ケイトは腰に佩いた刀を、腰のベルトに括り止めていた紐ごと取り外し刀を鞘ごと地面に突き刺す。
ゆっくりと鞘から刀身を引き抜き、刀を斜め下へと構え、自身の前方に広がる沼地を睨みつける。
彼の眼前に広がるどす黒い沼地には、沼の中から鬱蒼と生い茂った草木と……岩。

「おい、さっきあんな岩なかったぞ」
「岩……? それは確かか? 」
「あぁ……確かにあんな岩はなかっ……」

 ケイトの言葉は、彼らに降り注いだ突然の泥の雨によって遮られた。
大量の泥水が降り注ぐと共に泥の中から飛び出してきたのは巨大な岩……それは彼らの頭上を軽く飛び越え、地面へと転がり出た。
泥の雨と転がり出た岩が地面を転がった勢いで撒き散らされた砂のカーテンにハンター達は驚愕を隠しきれない。

「なッ、なんなんだッ!? 」
「ちっ、化け物に決まってんだろうがッ! 」
「仕方ありません、舞台はこちらに不利ですが……皆さん迎撃をッ! 」

 ナイゼの言葉が終わらないうちに、セナの弓から放たれた一筋の矢。
それは宙に渦巻く砂の煙を打ち切り、真っ直ぐに岩が転げ落ちた箇所へと疾走する。
そしてすぐさま砂煙の中から鳴り響く矢尻が弾かれた金属音――矢の疾走は、強固な岩の前には無意味であった。

「弾かれたッ!? 」
「だったら……これはどう!? 」

 続きざまにジーナの弩が爆音を鳴らし、一筋の弾道を描きながら獲物へと放たれる弾。
それはターゲットへの進路を突き進みながら、放たれた衝撃により自身の殻を打ち破り、内部より無数の鉄の破片を放出する。
無数の金属音が噴煙の中から鳴り響き、砂煙の中から何かのうめき声が漏れ出てきた。

「よし、奴に行動する機会を与えるなッ! 一気に殺せッ! 」

 砂煙が徐々に薄まる中、一気に目標へと駆け寄ってゆくセーヤ。
それに続くように盾を眼前に掲げながら突撃するトールとナイゼ、そして刀を構えつつ躙り寄るケイト。

「隊長ッ! 」

 セナの声が響くと同時に、先頭を駆けるセーヤに向けて、砂煙を切り裂くようにして降り下ろされる小さな岩。

「うおッ!? 」

 瞬時に大剣を自身の頭の上にかざし、その一撃を弾く――が、その一撃でセーヤは勢い良く後ろへと弾き飛ばされた。
セーヤの体をなんなく弾き飛ばす力に目標に攻勢をかける構えを三人の男達は解き、一時後方へと下がり、体制を崩しているセーヤを庇うように前面に立つ。
すぐに立ち上がり大剣を構え直すセーヤ、その顔には怒りで額に青筋が浮だっていた。

「ちッ……あんにゃろぉ……流石に馬鹿力だな」
「怪我はありませんか? 」
「あぁ……大丈夫だ」

 消え去った砂煙の中から姿を表したのは、ハンター達が手配書で見た化け物の姿と酷似していた。
その化け物は巨大な尻尾を悠々と己の頭の上で揺らし、不敵にハンター達を見下ろす。先ほどセーヤを弾き飛ばしたのも、あの尻尾であろう。
巨体にはジーナの放った攻撃による負傷の後は見て取れない――代わりに化け物の足元に無数の泥の塊が転がっていた。

「あの泥……あれでこちらの攻撃を防いだ……? 」
「そうだろうな、じゃなきゃ無傷で済むはずないからな」

 再び各々の武器を構え体制を整えるハンター達に、化け物は鼓膜を切り裂かんばかりの咆哮をあげる。
「貴様らを生かして返さない」とでも言うかのごとく荒々しいその咆哮は、空気を振動し、セナが構えていた矢を弾き飛ばすほどである。

「くぅ!? うるせぇ! 」
「……セーヤさん、来ますよッ! 」

 化け物の咆哮に怯むことなく動き出したナイゼに続き、トールも化け物の側面を取るべく右側へと駆け出した。
出遅れたセーヤとケイトもそれぞれ正面と左に別れ、化け物を包囲するように位置取りを行う。
それを後方からサポートする形となるセナとジーナ――だが、それらを迎え撃つ竜の顔にはどこかしら余裕の面影があった――。

Re: 【3‐9更新】書き物的なもの【※返D】 ( No.125 )
  • 日時: 2013/09/08 19:08
  • 名前: ちょむすけさん  ◆39JCODjUas (ID: q.DuTA6p)

MH4に続きこちらの小説もついにボルボ戦!!
ボルボの恐ろしさが尋常じゃないww

続き頑張って下さい♪

Re: 【3‐9更新】書き物的なもの【※返D】 ( No.126 )
  • 日時: 2013/09/14 17:09
  • 名前: ランランル〜〜〜♪ (ID: .cCt8hYg)

支援age

しろs
ゆっくりでも全然いいので、いい作品にしてくださいね!

Re: 【3‐9更新】書き物的なもの【※返D】 ( No.127 )
  • 日時: 2013/09/19 20:30
  • 名前: ランランル〜〜〜♪ (ID: a03ZYMpF)

支援age  ごゆっくりどうぞ!

Re: 【3‐9更新】書き物的なもの【※返D】 ( No.128 )
  • 日時: 2013/09/23 16:00
  • 名前: KYハンター ◆CgKhXBtWT2 (ID: 0j/8t5wE)

支援上げ
中々まとまった時間が無かったので支援遅れました
今日は2曲持ってきました
これ位しか出来ないですが、出来る範囲でこれからも支援しようと思います
完成するのを楽しみにしています♪

Re: 【3‐9更新】書き物的なもの【※返D】 ( No.129 )
  • 日時: 2013/09/25 17:28
  • 名前: しろ (ID: RbY9nfFt)



 己を踏みつけようと降りおろされた化け物の右足をすり抜け、トールは左足へと狙いを定める。
狩りの基本はまず敵の動きを止める事――トールは飛び散る土を盾で払いのけながら、宙を舞う。

「ッせいッ!! 」

 勢い良く振り下ろした剣は金属音を響かせながら、火花を散らせる――弾かれた。
刀剣での攻撃は案の定この化け物には通らない――トールは苦々しげに舌打ちをしつつ、化け物の足元より離脱する。

「せぇりゃぁあぁ! 」

 トールの攻撃に続くようにナイゼも盾を構えつつ、一気に化け物との距離を詰める。
それを迎え撃つように化け物はナイゼを噛み砕こうと巨大な口を開け、彼に噛み付こうとするが……。

「ふんッ! 」

 それを待っていたとばかりにナイゼは左手に持った構えていた盾を思いっきり化け物の頭部へと打ち付け、攻撃を逸らした。
不意をつかれた化け物が動きを止めてしまう。ナイゼがその一瞬の隙を逃すわけはない。

「もらったぁ! 」

 よろけている化け物の頭部――ジーナの攻撃により剥がされた泥によって保護されていない眼下を槍で突く。
それはゆっくりと化け物の皮膚を貫き、肉を抉ってゆく――化け物は咆哮をあげながら、頭部を槍とは反対側へと振り槍を引き抜きつつ尻尾をナイゼへと叩きつける。
盾でその攻撃を受けつつ、冷静に化け物との距離を再度取り、反撃の様子を伺う。

「兄ちゃんやるじゃんッ! 」
「無駄口を叩いてないで援護しろッ! 」

 「はいはい」と舌舐めずりをしつつ、ジーナは弩の狙いを対象の足に定める。
先程も述べたとおり、狩りの基本は獲物の足を止める事――ジーナは周囲を囲まれ動きのとれない化け物の右足に向け、弩を放つ。
沼地に轟く爆音と空気の振動――弩から発射された弾丸は、真っ直ぐに対象の右足へと直進する。
それは爆発の衝撃で空が破れ、対象に当たる前にもう一度内部の火薬が着火――その結果、獲物の足を貫通するという代物であった。
ジーナの放った弾は狙い通りに化け物の右足に直撃、それは対象の泥を打ち砕き、化け物の肉を抉るには十分な破壊力だった。

「あったりー! 」

 流石の巨体もその攻撃には耐え切れず、体制を崩し、地面へと倒れ伏す。
その隙をハンター達が逃すはずもない――始めに動いたのはケイト。
彼はすかさず化け物の負傷している右足の前へと駆け、手にしている太刀を切りつけるのではなく、突き刺す。
化け物の泥が刀剣類の武器から身を保護しているのなら、それがない箇所を重心的に突けばいい――そうすれば殻などないも等しい。
右足より吹き出す血――化け物は身を悶えさせつつ、尻尾をケイトへと向けて叩きつけるが……。

「遅い、遅いッ! 」

 既に敵の攻撃範囲より身を引いていたケイト――これが軽装備者の優れるところだろう。
攻めるときは攻め、引くときはすぐさま引く。これができない者は狩りでは『死』しかない。
ゴロゴロと地面を転がる化け物に休ませることなく自慢の得物を叩きつけるのはセーヤ。
彼は一気に化け物の頭部へと距離を縮め、大剣を振りかぶり、一気に振り下ろす。

「なろおぉぉおッ! 」

 当然攻撃は化け物の付着させている泥と岩により阻まれるが――それで構わない。
セーヤの馬鹿力と、大剣の重さによる叩きつける攻撃には斬る必要はない。叩けばいいのだ。
思いっきり頭部を大剣で殴られた化け物は、一瞬意識を失いそうになりながらも、沼の中へと転がり落ちた。

「あッ! 兄ちゃん、あいつ逃げるよッ! 」
「ここで逃がすわけにはいかないが……これでは手が出せない」

 沼の中に身を隠してから姿を表さない化け物――そこに身を隠されればハンター達は追撃する事はできない。
ハンター達は周囲を警戒しつつ、敵の姿を探すが――化け物はいっこうに姿を見せる気配がない。
セーヤは大剣を地面に突き刺し、額の汗を拭いながら苛立たしげに舌打ちをする。

「とりあえず……行方不明の嬢ちゃんを探すか? ここにいつまでもいるのも考えもんだしな」
「そうですね、セーヤさんの言うとおりです。今は保護対象者を見つけましょう。 奴を狩るより、そちらが優先する事項ですしね」

 ハンター達はひとまず化け物が姿を消した沼地より距離をとり、周囲を警戒しつつ、辺りを探索することとした――。



 彼は暗い闇の中で考えていた。

――なぜ、殺せない?
――なぜ、自分がこれだけやられている?

 確かに先ほどの獲物は、以前に何匹と殺した獲物と同じ。
なのに何故……これほど自分が痛めつけられている?
何故? 何故? 何故?

――数が多いからか? それとも、今までとは違う獲物なのか?

 彼はゆっくりと闇の中を潜水しつつ、考える。
奴らを侮っていた。 侮れる相手などではない事を認識した。
ならばどうする? 答えは一つしかない。
自分の狩りのペースに相手を誘い出す――。

---------------------------------------------------------------

>>125
ようやく戦いの場面へと移れましたw
長かったなぁ(;´Д`)

>>126
いつもご支援ありがとうございます!
なかなか暇がなく…(´;ω;`)
申し訳なさで胸いっぱいです…

>>128
いつもご支援ありがとうございます!
音楽を聴いてると集中して作業できますw
完結まで長い道のりになりそうですが…
これからもよろしくお願いします!




Re: 【3‐10更新】書き物的なもの【※返@】 ( No.130 )
  • 日時: 2013/09/30 12:05
  • 名前: それだけの話 (ID: dcPInM6m)

久しぶりにこの掲示板を訪れてみたら、やはりモンハン4が発売されたからでしょうね、色々と活気づいていますね。

でも私はゲームそっちのけで小説投稿サイトにはまってしまっておりまして(笑)
素人さんゆえに荒い部分も多々あるのですが、面白い作品が沢山あって、ついつい時間があれば覗いてしまってます。
で、未だにハンターランクは2で止まってしまっております(笑)

そのサイトはオリジナル作品が原則なので、こちらのお話をそのまま持っていくことはできないのですが、しろさんも修行がてら参戦してみてはいかがでしょうか?
応援いたしますよ(笑)

いよいよボルボロスと戦闘開始ですね。
思ったより戦えていますね。もう少し苦戦するかと思ってたのですが。
まあ、そのまま終わるとは思えませんが……(笑)

Re: 【3‐10更新】書き物的なもの【※返@】 ( No.131 )
  • 日時: 2013/10/10 21:41
  • 名前: ランランル〜〜〜♪ (ID: n.uLYqQo)

支援上げ

うん、まってますっ

Re: 【3‐10更新】書き物的なもの【※返@】 ( No.132 )
  • 日時: 2013/10/14 09:36
  • 名前: KYハンター ◆CgKhXBtWT2 (ID: C1uXVBs7)

支援上げ
>>129
ハンター達のフルボッコタイム、と言う事は次はボルボロスのターンですね。解ります
どういう風にハンターを追い詰めていくのか楽しみにしてます。

Re: 【3‐10更新】書き物的なもの【※返@】 ( No.133 )
  • 日時: 2013/10/14 21:28
  • 名前: しろ (ID: uBJmf/6O)



「今の音……なに……」

 少女は、沼地に反響する騒音に怯えながらも、必死に沼地の中を進んでいた。
手には頼りない一本のナイフ……化け物に襲われたら、助かる見込みはない。

「お父様……お母様……」

父と母の笑顔と温もりを生きてまた味わえるのだろうか?
少女の胸は不安で押しつぶされそうであったが――今は立ち止まるわけにはいかない。
前に……前に進まなくては。



「おい、これ……」

 セイヤが手にしていたものは、赤い布の切れ端であった。
腐れて折れた木の端に引っかかっていたものを彼は見つけた。
泥で所々汚れてはいるが……まだ破れてから間もない程新しい布地であった。
それが何を意味するか?

「恐らく、人間の衣類、もしくは何かポーチのようなものが引っかかって破けたのでしょう」
「じゃあその女の子の衣類、もしくは持ち物の可能性も? 」

 セナの問いにナイゼは頷く。

「彼女もまた化け物に追われている可能性もあります。急ぎましょう」
「そうだな、死なれたら金もどうなるか分からん、急ごう」

 セーヤは金の事にしか頭にないのだろうか?
セナは呆れつつも、一人で逃げ惑っているかもしれない少女の事を想う。
どうか無事でいて――と。


 
 見つけた――。
彼は草木に紛れ、沼の中から見ていた。
彼らがまずどう動くかを見極めるため、彼はジッと獲物たちを見つめていた。
まずは獲物同士が距離をとるまでは動かない。
一人ずつ、一人ずつ殺して行くしかない。
今はまだ動くときではない――。



「――? 」

 何か嫌な感じがする。
誰かに見つめられている様な……。

「どうした? ジーナ? 」

 兄が怪訝そうにこちらを見ている。

「ううん、何か見つめられてる感じがして……」
「そうか? お前の勘違いじゃないか? 」

 微笑むケイトに私は頬を膨らませた。

「ううん、確かに視線が……」
「まぁ嬢ちゃんがそうゆうなら、警戒を怠ることはないんじゃないか? 」

 このオジさん、口は悪いけど、悪い人じゃない。
ちょっと小太りだけど、もう少し若ければこうゆう人を好きになっていたかもしれない。
セーヤさんの口添えで、「それもそうですね」と同調した兄に、ケイトはやれやれと肩をすくまていた。
ケイトは兄さんが狩りに誘った友人だからこそ付き合いはあるけど……正直、あまり好みじゃない。
何をしても、何を言っても否定的に返されるから――兄さんは気に入ってるみたいだけど。


「どうしたの、ジーナちゃん? 」
「えッ……」

 もう私以外は前に進んでいた。セナちゃんが早くおいでと手招きしてる。
あの子……顔立ち整いすぎだよなぁ、正直羨ましい。

「んッ、なんでもないよ」
「そう? じゃあ早く行きましょ、置いていかれますし」

 なんで年下に敬語なんだろ――?あっ、もう皆あんな前に行ってる。
私も行かな――。

「ッ! ジーナちゃんッ! 」
「えッ……? 」

 セナの叫び声を最後、水を弾く凄まじい轟音。
二つの音を最後に、ジーナの視界は暗闇に包まれた――。



---------------------------------------------------------------


>>130
お久しぶりです!確かに掲示板、一気に活気づきましたね!

小説サイトですかぁーオリジナル作品も書いてみたいですねw
まずはこっちの完結が先かな?(笑)

MH、まだ買ってないんですよね(-_-;)
まだやるのは先になりそうですw

今からボルボちゃんのターンかな?w

>>131
いつもご支援ありがとうございます!

>>132
やっぱりやられてるだけじゃ盛り上がりませんからねw
ボルボちゃんの活躍をご期待下さい(笑)

Re: 【3‐11更新】書き物的なもの【※返@】 ( No.134 )
  • 日時: 2013/10/17 16:54
  • 名前: ランランル〜〜〜♪ (ID: 7Czh89DX)

支援上げ

前にもどなたかが予想していましたが、なんだか少女がボルボちゃんに最後のトドメを刺しそうですね(笑)


完結まで頑張ってくださいっ

Re: 【3‐11更新】書き物的なもの【※返@】 ( No.135 )
  • 日時: 2013/10/25 19:47
  • 名前: KYハンター ◆CgKhXBtWT2 (ID: 7ZtCvTiS)

支援上げ
ついにボルボロスの反撃タイムですね。
凄く楽しみです♪
短文失礼しました

Re: 【3‐11更新】書き物的なもの【※返@】 ( No.136 )
  • 日時: 2013/11/08 16:50
  • 名前: 双剣 ◆HUQd0j4o36 (ID: VvwRu/Cw)

やっとみつけたので支援上げ
短文失礼

Re: 【3‐11更新】書き物的なもの【※返@】 ( No.137 )
  • 日時: 2013/11/08 17:01
  • 名前: 真・無無無 ◆TpifAK1n8E (ID: TWQhZe0N)

>>136
しろsはもう居ないのでは?
短文失礼

Re: 【3‐11更新】書き物的なもの【※返@】 ( No.138 )
  • 日時: 2013/11/21 20:44
  • 名前: KYハンター ◆CgKhXBtWT2 (ID: 0j/8t5wE)

>>137
白さんはペース遅いので仕方ないと思いますよ。
それともどこかで修行中とか・・・・・・
短文、失礼しました

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