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Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.14 ) |
- 日時: 2013/06/12 19:12
- 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)
「――君はそれでいいのかい? 」 「……えっ? 」
男の声に呼び止められたアンナは後ろへと視線を向ける。 ひっそりと佇む男――その顔には優しげな笑みが浮かんでいる。 女性のような美しい顔立ちに思わず息を飲むアンナ。 彼女に男は語りかけてきた。
「君には……素質がある」 「素質……? 」
この男は突如何を言い出すのかとアンナは怪訝な表情を浮かべる。 男はそんな彼女の反応を楽しんでるかのように話を続ける。
「死ぬ覚悟というのはそうできるもんじゃないよ、特に子供のうちにはね」 「……」 「死ぬほどの『絶望』を味わったのかな、君は? 」
男は泉へと歩を進める。その足取りは軽い。
「それほどの絶望を味わった君だからこそ、その素質はある」
男の足は泉の中へと沈む。
「……素質って? 」 「……なんだと思う? 」
徐々に己に近づいてくる男に合わせてアンナも泉の中央へと向けて足を動かす。 一気に沈み込む地底にアンナは足をとられそうになりながらもなんとか体制を保つ。
「……」 黙ったまま男の顔を見つめるアンナに男は優しく答えた。
「『狩り』のだよ」 「……狩り? 」
耳を疑うアンナに彼は話を続ける。
「そうだよ、狩り……僕と同じ『ハンター』だ』
男とアンナの距離はいつの間にか互いの手が取りあえるほどの距離にまで近付いていた。 呆気にとられているアンナに男は語る。
「それほどの絶望を味わった者なら生に対する生着がない。並みの人間なら生への執着から平穏を歩む」
生への執着……そんなものはないとアンナは自嘲気味に笑った。 故郷の消失、母の死、己の汚れ――自分をこの世界に縛るものなどある訳もない。
「だから君のような人はこの職種に向いてる、命を捨ててでも敵を殺すことに……ね」
しかし本当にそうなのだろうか?何かが自分の中に引っかかっていた。 それは何か……その疑問だけが彼女を死の一歩手前に踏みとどめていた。
「どうだい?どうせ捨てる命なら……僕に預けてみないか? 」 「……預ける? 」 「そう、預けてほしい。僕なら君の命を無駄にはしない」
そう言うと男はアンナに手を差し出す。白く綺麗な手だった。 この手を握る事はまだこの世界で生き続ける事を意味している。 その覚悟がアンナにはなかった。
「……私なんかハンターなんてなれる訳ないよ」 「……」 「もう疲れた……楽になりたいの」
アンナの頬を一筋の涙が伝う。 男はその涙を優しく手で拭い、アンナの頭を撫でる。
「君は逃げるような子じゃないだろう? 闘えるはずだ、君自身と」 「……私自身と? 」 「そうだ、死んで楽になるなんて間違いだ。君の両親も君自身に命を絶ってもらうために君をこの世界に受け入れた訳じゃないだろう? 」
両親。その言葉を聞いてアンナはふと両親の顔を思い浮かべた。 仕事で疲れていても笑顔で自分と接してくれた両親の顔がそこにはあった。 生きたくても生きることができなかった両親――それに比べ自分から命を捨てようとしている自分。 自分が情けなくなってしまった。弱い自分に。
「……どうだい? もう一度足掻いてみないか、この世界で」 「……」
どうせ死ぬなら自分の故郷を滅ぼし、自身をここまで死の淵へと追い込んだ化け物を一匹でも多く殺してからでも遅くはないだろう。 アンナの意思は固まり、その目には正気が宿った。
「私に……私にやれるの? 」 「あぁ……僕が君を一流のハンターに仕立ててやる」
アンナの手は無意識のうちに男の手を強く握っていた――。
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Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.15 ) |
- 日時: 2013/06/12 19:19
- 名前: アクロバッテック爺さん (ID: fvnYSd5W)
一人で書くのはいいんだけど、 3gの方はまだ100もいってないんだしまだこっちで書くのには速いのでは?
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Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.16 ) |
- 日時: 2013/06/12 19:36
- 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)
>>15 ご指摘ありがとうございます。
3Gのスレにつきましてはロックは致しました。
4の掲示板が開放され次第こちらに移行する旨は前々から告知していましたし 今後はこちらで進行しても問題ないと判断した上での移行だったのですが…
移行した旨につきましては 3G板だけでなくそれ以外の方々にもご参照していただいたうえで 様々なご指導などを頂ければと思いこちらに移行した次第です。
他の方々からも>>15sの様なご指摘をいただいた場合は こちらのスレを管理人様に削除してもらい、3G板にて進行していこうかと思います。
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Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.17 ) |
- 日時: 2013/06/12 20:20
- 名前: 名無し ◆oa6k//3vOQ (ID: 5KGUFxpI)
移転してた、私怨
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Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.18 ) |
- 日時: 2013/06/12 21:15
- 名前: ジョンソン ◆ori1eiFI2s (ID: jDO.d4R6)
>>16 まあMH3G板は過疎ってたし 読者を増やすために移転は良いんじゃない?
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Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.19 ) |
- 日時: 2013/06/12 21:25
- 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)
>>17 私怨…そんな恨まれることしました?(笑 今後頑張りますのでご容赦ください><
>>18 そうですね… やっぱり書いている私からすると色々な人に読んでもらいたいんですよね。 アドバイスとかもらえたら今後一層楽しんでいただけるものも書けるだろうし… それにモチベが(笑
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Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.20 ) |
- 日時: 2013/06/12 21:30
- 名前: 破壊神 (ID: .1yfzvhU)
とりあえず頑張ってください
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Re: 【3G雑談】書き物的なもの【移行】 ( No.21 ) |
- 日時: 2013/06/12 22:01
- 名前: しろ (ID: qiXQzgoO)
「よう、久しいな」 「……」
セーヤの問いかけに応えない女性。 狐の様な目付きが特徴的なその顔はセーヤを見ても微動だにしない。 どこか怖そうな女性……それが彼女に対してのレイの第一印象だった。
レイ達は今セズナの『セズナギルド支部』を訪れていた。 ギルドの者から受け取った換金用の券をここで換金するためだ。 ギルド支部……ギルドの総轄する施設なのだから大層立派な建物だとレイは思い込んでいたが……現実は違った。 外観を見た時の印象は故郷の村にでもあったような小さな家。それも外装は年季が入っているのか、薄汚れ、壁は所々にヒビ。 内装は座れば壊れそうな木造の古びた椅子がいくつか並んでおり、小さな受付窓があるだけのシンプルな内装。 その受付に座る狐目の女性以外、ギルドの者と思しき人もいない。 ギルド支部のあまりの小ささに意味もなく落胆するレイの姿を見てセナは笑った。
「ほら、これを換金してくれや」
セーヤが差し出したギルドの換金券を女性は無言で受け取り、受付の後ろにある扉を開けて中へと消えていった。 セーヤは苦笑いをしながらレイへと視線を向ける。
「いつもあんな調子よ、あいつ。 声なんか聞いたこともねぇ」 「……確かにあの子の声聞いたことないかも」
相槌をうつセナ。その横でトールも静かにコクりと頷いた。 それほど無口な人なのだろうかとレイは思いつつも、扉が開く音に視線を向けた。 レイの視線の先には小さな袋を持った女の姿があった。
「……」
女は無言でその袋をセーヤへと差し出す。 金属が擦れる音がする……袋には金が入っているのだろう。 セーヤは女からそれを受け取ると、ニタニタ笑いながら女へと声をかけた。
「よぅ姉ちゃん。 こちとら客なんだからもちっと愛想良くできんのかい? 」 「……」 「ちょっと……隊長」
セナがセーヤの腕を掴み、ぐいっと後ろへ引っ張った。 その調子に足がもつれ勢い良く後ろへと倒れ込むセーヤ。 ゴツッと鈍い音が室内に響きわたる。
「いてぇなぁ! 何すんだ!? 」 「隊長が余計なこと言うからでしょ! 」 「……んだとぉ? 俺は正論を言ったまでで……」 「今言う事じゃないでしょ! 本人がいる前で! 」
言い争う二人をレイは宥めつようとしたが二人の言い争いは止まることなく加速してゆく。 よほど日頃の鬱憤が溜まっていたのか、日頃割と静かなセナがセーヤに負けず劣らずの罵りをセーヤへと浴びせる。
「だいたい隊長は人の気持ちを考えないでものを言い過ぎです!それでどれだけの人が傷ついてるか! 」 「あーんっ!? だーれが人を傷つけてるって!? 」 「あなたです! この前だって女の子泣かしてたでしょ!? 」 「ありゃぁ違うって! あれはあの女が……! 」 「またそうやって人のせいにする! だいたい隊長は……」
これは止めようがないと判断したレイはトールへと助けを求めた……が彼は笑っていた。 この人は止める気がないとレイが絶望したその時、女が無言でセーヤとセナの合間に割って入った。 その顔には狐ではなく鬼の形相が浮かんでいる。
「……」 「あ、あぁ……ご、ごめんなさい」 「お、おう。 俺も悪かった……うん」
無言の圧力おそるべし……といったところだろうか。 女はセーヤに一枚の紙と羽筆を手渡した。 どうやら金を受け取った事を証明する証明書への記入を求めているらしい。
「あぁ、これな。ほいほい」
セーヤは自身の名前を記入し終えると、紙を女へと返した。 その紙をサッと目を通した女は受付の引き出しを開け、中から小さな判子を取り出す。 判子をセーヤの名前の横に押し、その名前より下の部分を切り取りセーヤへと返す。 書類の控えなのだろう。
「ありがとよ、また来るわ」 「……」 すべての手続きを終えると、女は証明書を手に部屋から出ていった。 取り残された4人。無言で外へと出ていくトール。そのあとをセナとセーヤも続く。 最後に外へと出ようとしたレイの後ろからふと声がした。
「頑張って、新入さん」 「……えっ? 」
後ろを振り返る。だが誰もいない。 レイは怪訝に思いながらもゆっくりと扉をくぐり外へと足を踏み出す。 彼の後ろ姿を受付の後ろの扉の隙間からジッと覗いている狐目があった――。
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Re: 【2‐3更新】書き物的なもの【移行】 ( No.22 ) |
- 日時: 2013/06/12 21:57
- 名前: 破壊神 (ID: .1yfzvhU)
うぉー続きが早く見たい!
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Re: 【2‐3更新】書き物的なもの【移行】 ( No.23 ) |
- 日時: 2013/06/15 10:12
- 名前: アクロバッテック爺さん (ID: HvZWRxZN)
>>22 これでも読んでろ。
http://nijieromangadoujin.blog.fc2.com/blog-entry-190.html
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Re: 【2‐3更新】書き物的なもの【移行】 ( No.24 ) |
- 日時: 2013/06/15 10:27
- 名前: しろ (ID: gxY1UZSQ)
「見えるかい? あの獣だ」 「……ええなんとか」
まだ夜の帳が落ちている中、アンナと男は泉から離れ、森の外れへと来ていた。 男からセズナへと向かう事を告げられたアンナは彼に付いてきたのだ。 だがその道中、男はアンナを呼び止め、森の茂みへと身を隠していた。 アンナの右手には小振りの刀剣が握られている。
「これは君を試すテストだ」 「テスト……? 」
男は頷き、彼らが身を潜めている茂みから5m程の距離にいる獣を指さす。 目をこらして見たその獣は、よく村の近くでも見た草食獣だとアンナは確認した。 鹿によく似た生き物で、こちらから手をださなければ無害の生き物だ。 それもまだ村で見たときのものよりも一回り小さい……まだ子供なのだろう。
男はニッコリと微笑むと、アンナの耳元で囁く。 あの獣を殺せ――と。
「……えっ? 」 「僕がその得物を渡したことから分かってたと思ったけど……君、案外鈍感? 」
男の顔には笑みが浮かんでいたが、目は笑っていなかった。 なんと氷の様な冷たい目をしているのだろうかとアンナは他人事のように感じた。 男がアンナの右手に手を添えてくる――その手も冷たい。
「いいかい……あの獣を殺すんだ」 「あの子を……? 」 「そう、その剣で首を斬るも胴に突き刺すも君の自由……ただ殺せばいい」 「でもあの子……まだ子供じゃ……」
地面に生えている草を一心不乱に食べている子供。 人間ではないにしろ、殺すことができるほど彼女は冷酷な人間ではない。 だが男は首を横に振り、アンナに諭すように囁く。 あれは小さくとも獣、人間に害を与える化け物の一種だと。
「子供大人なんて関係ない。彼らは人間に危害を加える生き物だ」 「でもあの種類の生物は敵意を示さなければ無害だって……」 「無害?あの獣の雄は角を持っていて、人間の子供を殺したという事もよくある話だ。君と同じく無害だと思って近づいた子供達がね」 「……でも」 「それにあの獣を楽に殺せるぐらいの気概がなくちゃ……ハンターにはなれない」 「まぁ……君がハンターを目指すのを断念するなら僕は君を置いて街に向かうけどね」
男は意地悪そうにアンナへと微笑む。 この男はなんのためらいもなく自分をこの場所に放置していくだろうとアンナは思う。 なにせ男に自身の面倒をみる義務など本当はないのだから。
「ほら、どうするの? 」
両親のために生き抜くことを決意した。それをみすみす自分から放棄する訳にはいかない。 アンナは無言で茂みから身を乗り出し、獣に気づかれないように暗闇に紛れ忍び足で近寄ってゆく。 それを男は楽しげに眺めていた。
(……ここで死ぬ訳にはいかない)
獣との距離は約2m程に縮まっている。獲物が気がついている気配はない。 足元に注意しながらアンナは徐々に距離を詰めてゆく……悟られないようにゆっくりと……。 そして刀剣で斬りつけられる距離まで距離を縮めた刹那、彼女の背後から獣の甲高い耳を切り裂かんばかりの奇声が。 後ろを振り返るとそこには同じ種類の獣の姿があった。その獣がその奇声を発していた。
「……お母さん? 」
その獣の奇声を聞いた小さな子供は弾け飛ぶようにアンナから距離を置き、母親だと思われる獣へと駆け寄ろうとする。 アンナは子供を追いかけることができず呆然と立ち尽くす。 やはり彼女に子供を殺すことはできなかった……子供の母親の姿を見てしまったからには。
「私には……殺せない」
アンナがそう呟いた瞬間、獣の母親がよろめいた。 よろめいたかと思うと力なくふらふらと千鳥足でゆっくりとアンナの方へ向かってくる。
「……えっ? 」
何が起きたか理解できないアンナであったが母親が自身の足元に崩れ落ちると同時に現状を把握した。 母親の頭部には一本の矢が突き刺さっていたからだ。 アンナが男に視線を向けると、男は弓を構えていた。男の表情は暗闇で窺う事はできなかったが……微笑んでいるのは彼女には容易に想像できた。 男の放った矢が母親の頭部を貫いたのだろう。
「……」 アンナは何も言葉がでなかった。 子供の獣は倒れた母親の元へと駆け寄り鼻を母親の体にこすりつけ、必死に起こそうとしている。 蚊のなくような小さな鳴き声で母親を呼ぶ子供の姿にアンナは手にしていた刀剣をその場へと落とす。 落とすものは刀剣だけではなく、涙も同じだった。
「何を泣く必要があるの? 」
いつの間にか男がアンナの傍に来ていた。 思った通り、微笑んでいる悪魔の顔がそこにはあった。
「やっぱり殺す必要なんてないじゃない……この子達を殺す必要はない! 」 「あぁ、ないよ。 ある訳ないじゃない」
男はそう言うと、アンナの足元に落ちていた刀剣を拾い、その刀身を子供へと向けて一閃。
「あっ……」
地面に転がる小さな頭部、崩れ落ちる獣の子供の体。 呆然とするアンナの横で落胆したように男は長いため息をつく。
「僕の勘違い……かな。 じゃあね」 「えっ? 」 「君はテスト失敗。君には用がないから。 あっ、これはあげるよ好きに使って」
男は血に濡れた刀剣を地面へと突き刺す。
「僕は用無しの君のお守りをするほど暇じゃないから。自分の身は自分で守ってね」 「ちょ、ちょっと……! 」 「まぁ運が良ければ街まで辿り着けるよ。じゃあ頑張って」
男はそう言い終えると、アンナから背を向けて一人で歩き始めた。 慌てて男の後を追いかけようとしたアンナ。 だがそんな彼女を後ろから突き飛ばしたものがいた――。
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Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.25 ) |
- 日時: 2013/06/15 11:00
- 名前: 只 ◆9sSjKSOhi2 (ID: kN1c5yxn)
>>23 いけません
それにしても現役JKしろちゃんの作品は凄いと思うぞ こんなとこに載せないで他の所に載せれば名小説家になってたのに
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Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.26 ) |
- 日時: 2013/06/15 17:53
- 名前: しろ (ID: gxY1UZSQ)
>>25
ありがとうございます(^^ゞ 正直嬉しいです!そこまで評価していただけたら!
ほかの小説サイトとかも覗いてみたんですけど… なかなかしっくりこなくて(笑)
女性のかたって私以外にいないのかなぁ… ちょっと疑問w
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Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.27 ) |
- 日時: 2013/06/16 01:02
- 名前: 「」 (ID: J6k94RVr)
突き飛ばしたものの正体の予想はできた ので早く続きを書こう
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Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.28 ) |
- 日時: 2013/06/16 14:02
- 名前: 名無し ◆oa6k//3vOQ (ID: GZeS1eD9)
>>26 ttp://elephant.2chblog.jp/archives/51855856.html
書き方からして女性だと言われてる でもモンスター視点だけど
追記 >>29 えっ?
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Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.29 ) |
- 日時: 2013/06/16 12:51
- 名前: ツクヨミ ◆eQ79qieAow (ID: 1hnxksjN)
このスレ面白すぎワロタwww
早く書いてww
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Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.30 ) |
- 日時: 2013/06/16 18:24
- 名前: しろ (ID: T.AL2Qcp)
>>27 流れ的に予想できますよね(笑)
>>28 書き手の方が女性だということですねー この板にはいないのかなぁ…と。
えっ…って(´;ω;`)
>>29 応援ありがとうございます! 読んでくださる方がいるのが励みです(^^ゞ
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Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.31 ) |
- 日時: 2013/06/16 19:05
- 名前: ちょむすけさん ◆39JCODjUas (ID: jFT42PCG)
>>28 凄いですね・・・。
>>30 私も面白いと思いますよ^^ 是非続きを書いて下さい♪
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Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.32 ) |
- 日時: 2013/06/16 20:39
- 名前: 名無し ◆oa6k//3vOQ (ID: GZeS1eD9)
>>30 ワロタの方の面白さって何か可笑しいような気がして この板の女性はてきとちゃんぐらいっしょ 続きはよ
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Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.33 ) |
- 日時: 2013/06/16 22:58
- 名前: しろ (ID: T.AL2Qcp)
>>31 応援ありがとうございます! 遅筆ですが、これからもお付き合いくださいませ(^^ゞ
>>32 あぁ〜なるほど…確かに私の書き物はシリアス過ぎて(笑) あのギャル語が得意と紹介されてる方ですよね? 女性の方だったとは(;゚Д゚)!
明日に続きを更新しますー ご容赦ください(-_-;)
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Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.34 ) |
- 日時: 2013/06/17 22:29
- 名前: しろ (ID: tjxWpYOk)
血だらけで倒れている妻と子……見ただけで分かる死骸。 己の留守の間に何があったのかは分からない。 だが……己の大切なものを奪った者の正体は分かる。 己の眼前に倒れ伏しているこの生き物が殺したのだ。己の大切な者達を。 許すわけにはいかない。この生物を。
「……!? 」
背中に激痛が走る。 アンナは前方に吹き飛ばされ、地面に倒れ伏す。 自分の身に何が起きたのか理解できない。
「あらら……大丈夫? 」
男の声に顔を上げるアンナ。 だが男は助ける訳でもなく、悠然と彼女の事を眺めているだけであった。 男の問いかけに答える間もなく、再度アンナの右足に激痛が走る。
「……あぁっ!? 」
右足に目を向けるとそこには何か尖ったものが突き刺さっていた。 その尖ったものの先に目を向けると――そこには先ほどの獣とよく似た動物。 尖ったものはその獣の角。それが深く右足に突き刺さっていた。
「……くぁあぁ!? 」
声にもならない悲鳴が口から漏れ出る。 痛い、痛い、痛い――今までに味わったこともない痛み。 痛みと共に右足が燃えるように熱い。
痛みに悶えるアンナをその獣は容赦なく角を指したまま引きずりだした。 地面に全身を擦りつけながらアンナは必死に男へと助けを求める。
「……た、助けてっ……! 」 「あらぁ……早くなんとかしないと、君死ぬよ? 」
アンナは絶望した。この男は自分を助ける気がさらさらない。 顔が地面に擦れ、皮膚が裂け、血が流れ出す。男との距離が徐々に開いてゆく。
「……うぁあぁ……」 「僕が何のために刀剣を君に貸したか……まだ分からないのかい? 」
引きずられてゆくアンナの視界に映る地面に突き立てられた刀剣。
「生きる為には相手を殺さなくちゃ自分が死ぬ。戦争も狩りも一緒だよ」 「理由なんて必要ない。自分が生き残る為に相手を殺す……それができない人は死ぬだけだ」
その言葉を聞いた時、アンナは一気に右足を横へと動かした。 引き裂かれる皮と肉――痛みに気を失いそうになりつつも、彼女は必死に左足で地面を蹴り、刀剣が突き刺さっている場所へと転げまわる。 もう彼女には迷いはなかった。
憎き相手が己の角を無理やり外し、地面を転がりまわっている。 普段は温厚な彼だが、この時ばかりは怒りで我を忘れていた。 その生物が手にしたものを彼は見落とし、その生物の命を奪う事だけに執着した。 それは天敵の生物がよく手にしていたもので、何度も同胞たちの命を奪ってきていたものだったというのに。
呼吸荒々しく刀剣の柄を掴み、刀剣を引き抜く。 立ち上がることはもうできない。仰向けになったアンナは刀剣を両手で握り構える。 こちらに角を下ろし突進してくる獣に向けて――突く。
「……! 」
凄まじい衝撃が両腕を伝わる。歯を食いしばり、必死に体重を前へと落とす。 後ろへと押し出されつつも、生々しい音と共に深々と獲物の角の間の眉間に突き刺さってゆく刀身。 刀身から山の噴火の如く血が湧き出てくる。
「うぅ……! 」
獣は甲高い声を上げながらもその突進を止めることはない。 徐々にアンナの顔へと角が迫ってくる。
「うわぁあぁぁ! 」
最後の力を振り絞り、アンナは目を瞑り、一気に刀剣を前へと押し出す。 勢いよく眉間へと突き刺さってゆく刀身――その瞬間、獣の前両足がガクッと崩れた。 獣の角がアンナの左頬を掠り、頬の肉を削り落とす。
「ッ……! 」
ふと自身を後ろへと押しやっていた力がなくなった。刀剣が軽くなる。 ゆっくりと目を開けると、絶命した血だらけの獣の顔があった。
「ひぃ!? 」
左足で獣を蹴りあげると、獣は力なくアンナの横へと倒れた。 刀剣の刀身は獣の頭部を貫通している。 呆けたように口をあけているアンナの耳にパチパチと手を叩く音が聞こえた。 それは男がアンナに向けて拍手をしている音だった。
「いやぁ……お見事!咄嗟の機転でこんな戦い方をするなんて……感動した! 」 「……」 「正直君死んじゃうかなって一瞬思ったけど……」
男は懐から布切れを取り出すと、しゃがみ込み、アンナの顔に飛び散った血を拭おうとした。 アンナはそれを手で払い除けると、男を睨みつける。
「最低な人ね」 「言われ慣れてます」
男は微笑みながらアンナに布切れを差し出した。 アンナは無言でそれを受け取ると顔に付着した血を拭う。白かった布切れはみるみるうちに赤く染まってゆく。 顔を拭っている間、男は話を続ける。
「その調子じゃ僕と行きたくないよね? 」 「当り前でしょ。 あなたと行きたがるイカレタ人なんて何処にもいない」 「いやはや手厳しい。だけど……その怪我でどうするの? 」
右足はあまりの激痛で動かす事もできそうにない。 返答に窮するアンナに男は言う。もう一度、一緒に行くかと。
「君をここで見捨てるのは簡単だが……正直、君の命がなくなるのは惜しい」 「……」 「どうする? 」
どうするもなにも答えは一つしかない。アンナは無言で頷く。 それを見た男はニッコリと笑い、腰に下げている水筒と取り、中の水をアンナの怪我をしている個所へと振りかける。
「……ッ」 「これはちょっと特別な水でね。滲みるけど我慢して」
あらかた洗い流すとやや痛みが緩和されたように感じた。 男が言うにはこの水には傷口によく効くと言われている薬草と治癒力を増すと言われているキノコを混ぜたものらしかった。 男は傷口の周囲を綺麗に布切れでふき取り、腰に取り付けているポーチから薬草をとりだすとそれを傷口に直接当てて、長い布で保護した。 手慣れた動作に感心するアンナに男は微笑む。
「応急処置は終わり。後は街に帰ってから診療所へ行こう」 「ありがとう……」 「光栄なお言葉です」
男はアンナを背負うとゆっくりと街へと向けて歩きだした。 森を抜けたこの場所は街からそんなに遠い場所ではないらしい。 夜が明けつつある中、背負われたアンナは男の背中から男へと問う。
「そういえば……あなたの名前聞いてない」 「そういえばそうだね」 「名前は? 」 「……ロキ。君は? 」 「アンナ。よろしくね、ロキ」
ロキの暖かな背中に揺られ、疲れはてた少女は眠るのだった――。
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Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.35 ) |
- 日時: 2013/06/17 19:22
- 名前: 光間 ◆kyhK3sg0tE (ID: BXSKqf.P)
>>しろs このスレ3g板の時から読んでますよ♪ 面白いですね。これからも頑張ってください(*^^*)
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Re: 【2‐4更新】書き物的なもの【移行】 ( No.36 ) |
- 日時: 2013/06/17 19:29
- 名前: ちょむすけさん ◆39JCODjUas (ID: ch1iXOv.)
>>34 おおおっ!良いですねー!良いですねー!! 続きも楽しみにしてます♪
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Re: 【2‐5更新】書き物的なもの【移行】 ( No.37 ) |
- 日時: 2013/06/17 22:20
- 名前: 「」 (ID: l1kDWUwJ)
乙 やっぱり獣家族の親父さんだったか ちょっと可哀想だけどこういう世界で生き延びるにはやっぱり自分を殺そうとする敵を殺さないといけないから仕方ないな ところでロキって名前はどうやって思いついたん? 北欧神? イメージ的にはあってるような気がにするけど
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Re: 【2‐5更新】書き物的なもの【移行】 ( No.38 ) |
- 日時: 2013/06/17 23:20
- 名前: しろ (ID: tjxWpYOk)
>>35 応援ありがとうございます! 3Gから読んでいただいているとは感激です(´;ω;`) これからもお付き合いくださいませ。
>>36 応援ありがとうございます! いい感じに仕上がっていたなら満足ですf^^*) ただ所々間違い多い(笑) 何度か読み返しているうちに気がつきます(-_-;)
>>37 そうですね… 偽善だけでは生き残れるはずがないですからねMHの世界って。 まさに狩るか狩られるかですねー
トールからヒントを得てロキにしましたw イメージ的にも私も近いかなぁと思って!
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